37歳独身男が風呂で倒れて死を覚悟したときの話
「死ぬ気でやる」って20代の頃よく口にしてたけど、俺は本当の意味での”死”を感じてなかったよな……
そう強く思ったのは、今年2月。
風呂で倒れた。
詳細に書くと、床に座ってシャワーを浴びていて、立ち上がったら上下がわからなくなって転倒。
まるで重力が10倍になったようで、立ち上がることができない。
ドラゴンボールに、重力を数倍にして修行するマシンみたいなのあるけど、あれに入ったらこうなんだろうなって。
年齢もあるし、肥満体だし、天井が回ってるから脳だなこれは……と、一気に考え巡った結果
「あ、ここで俺死ぬんだわ」
ってはっきりと感じた。
ようやく俺は”死”の横顔が見れた。これまで自分を奮い立たすために、追い込むために、カッコつけるために、軽率に口にしていた”死”。
だけど、その顔は見たことがなかった。
だからこそ軽率に、さも自分の便利なツールのように使っていた。
でもようやく見れた。
お前ってそんな顔してたんだな……
なんて、情緒のあることは全く考えることはなく。
その時考えていたのは。
「最後に観た映画ってなんだったかな……」
「そうだ『ウィジャ・シャーク』だったわ」
そうか、最後の映画は”アレ”か。
ということは、走馬灯にやつらが出てくるわけだな
冒頭からセクシー?な水着姿を見せながらもウィジャ盤を探し回ったり霊体ザメと戦ったり親父と喧嘩する主人公ジル
その宿敵。霊体シャーク。人形っぽく見える恐ろしいビジュアル。立ちションする男すら無慈悲に食事に変える。
なんか色々全部理解して助言してくれる上に最後死んで霊体で霊体サメと肉弾戦するジルの父親。
そんな最後も悪くない……
最後の映画が『ウィジャ・シャーク』で良かった……
ありがとう……
なんて思ってたけど全然走馬灯は無かったので、
床を這いながらスマホで救急に電話した
その後どうにかパンツだけ履いたけど動けず、
到着した救急隊(鍵もどうにか開けておけた)に運ばれ救急病院へ
結果は「良性発作性頭位めまい症」という、簡単に言うとバランスを取るための内耳の石が動いてしまって酷いめまいが起きるというもので、特に命にかかわるものではななかった。
なので点滴して数時間後にタクシーで帰宅しました。
それから2ヶ月ほどバランスが取りづらかったりと大変だったけど、ほぼ完治。
救急隊員の方々、その後心配してくれた全ての方々に感謝。
人生最後の映画ってなんだろうなって思って。
だからこそ、どんな映画も”楽しもう”って思えた。
ありがとう『ウィジャ・シャーク」。
あと痩せよう。
(重すぎてストレッチャーで運ぶ時めちゃくちゃ大変そうだった……)
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