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読書感想文

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アウトプットの練習として、読んだ本の感想を書いています。読みづらいところもあるかもしれませんが、温かい目でみてくださると嬉しいです。
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『ラジオ!ラジオ!ラジオ!』 加藤千恵

『ラジオ!ラジオ!ラジオ!』 加藤千恵

以前読んだ雑誌『ダ・ヴィンチ』で紹介されていた本を読んだので感想を書いてみたいと思います。

この小説を読んで改めてラジオっていいなと思いました。そして、ラジオって本当に難しい!もちろん私はやったことはありませんが、届けられるのが音のみなので、話がうまくまとまらなかったり、つい余計なことまで話してしまったりすると全部リスナーに届いてしまうんですよね。
主人公も似たようなことをしてしまいます…。

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『そして誰もゆとらなくなった』 朝井リョウ

『そして誰もゆとらなくなった』 朝井リョウ

朝井リョウさんの最新エッセイを読んだので感想を書いてみたいと思います。

朝井さんのエッセイは毎回とにかく笑える面白さがあります。今回も安定の面白さで、部屋で声を出して笑いながら読んでいました。

全20編のエピソードの中でも私がとくに好きだったのは、「ホールケーキの乱」です。

2020年のクリスマスシーズン。コロナもあり、お金を使う機会も、楽しいイベントもなかった朝井さん。ホテルが発表するクリ

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『乙女の教室』 美輪明宏

『乙女の教室』 美輪明宏

ナツイチの対象本で気になっていた本を読んだので感想を書いてみます。

本書は、美輪明宏さんが大切にしている24の美徳を「乙女の課題」として紹介した一冊です。

タイトルに「乙女」と入っていますが、男性の方にもぜひ読んでみてほしい本でした。

今回はその課題の中から私が今後、特に大切にしたいと思った課題について書いて見たいと思います。

1.恥ずかしいことはやめましょう

物事を評価するときに自分の

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『局アナ 安住紳一郎』 安住紳一郎

『局アナ 安住紳一郎』 安住紳一郎

この本は、TBSアナウンサーの安住紳一郎さんのエッセイです。以前、『話す
チカラ』という本を読んで、安住さんのエッセイとか読んでみたいなと思っていたところ、こちらの本を知りました。

こちらの本が刊行されたのは2006年の3月ということで若干古いのですが、とても面白かったです。

アナウンサーという職業について初めて知ったことも沢山ありました。
中でも私が一番驚いたのは、局アナというのは日本にしか

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『四畳半タイムマシンブルース』 森見登美彦

『四畳半タイムマシンブルース』 森見登美彦

「カドブン夏」の対象本の中から気になっていた本を一冊読みましたので、感想を書いてみたいと思います。

8月12日、クーラーのリモコンが壊れて絶望していた私の目の前にタイムマシンが現れた。涼しさを取り戻すため、昨日に戻ったところでふと気づく。過去を改変したら、世界は消滅してしまうのではないかと。果たして彼らは、この世界と部屋の涼しさを守れるのか!?

という話です。

皆さんはタイムマシンがあったら

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『つぶやきのクリーム』 森博嗣

『つぶやきのクリーム』 森博嗣

森博嗣さんの本を読むのは本書がはじめてです。

『すべてがFになる』を読んでみようかと思っていたのですが、理系ミステリーはちょっと難しそうだなと思っていました。

森博嗣さんはエッセイも多数書かれているということを知り、それなら読めるかもということで手に取ってみました。

本書は、森さんの呟きとその補足文が100個書いてあるという本です。
呟きの内容は、人生や生き方、仕事における成功法など様々です

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『紅蓮館の殺人』 阿津川辰海

『紅蓮館の殺人』 阿津川辰海

最近、館もののミステリーを読みたくなったので読んでみました。

高校の合宿を抜け出して、文豪の屋敷に向かっていた主人公とその友人、葛城。しかし、道中で山火事に遭遇し、屋敷で救助を待つことになる。
その屋敷に住まう少女つばさと仲良くなるものの、翌朝、吊り天井で圧死した彼女が発見される。これは事故か?殺人か?
館が焼失するまでのタイムリミットは35時間。彼らは真相を解き明かすことはできるのか!?

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『風と共にゆとりぬ』 朝井リョウ

『風と共にゆとりぬ』 朝井リョウ

本書は朝井リョウさんの2作目のエッセイ集です。

この本を一言で説明するならとにかく面白い!しかも、笑える面白さがあります。
私は笑いのツボが浅いので、外では絶対に読めません!そのため、他の小説と並行して読んでいました。

本書の笑えるポイントは著者紹介のところからすでに現れています。(文庫本の表紙を開いた裏のところ)

といった感じ。

もちろん、本文も面白く、笑えるポイントがたくさんあります。

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『インシテミル』 米澤穂信

『インシテミル』 米澤穂信

本書はミステリー小説です。ネタバレにはご注意ください。

米澤穂信さんの作品を久々に読みました。古典部シリーズなど日常の謎や青春ミステリーのイメージが強かったので、米澤さんの本格ミステリーはこの本で始めて読みました。

「ある人文科学的実験の被験者になる」という時給11万2000円の一週間の短期バイト。主人公を含めた12人の男女は地下にある「暗鬼館」に閉じ込められる。
そこには他の参加者を殺せば一

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『傑作はまだ』 瀬尾まいこ

『傑作はまだ』 瀬尾まいこ

主人公の50歳の引きこもり小説家と生まれてから25年間一度も会ったことのなかった血の繋がった息子。

これはシリアスな展開になってしまうのでは!?と思っていましたが、ちゃんとほっこりさせてくれました。さすが瀬尾まいこ先生!

とくにほっこりしたのは二人で何かを食べているシーン。私は読み終わったら、大福が食べたくなりました。

主人公は圧倒的にコミュニケーションが不足で、息子との会話も、ときにちぐは

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『くちびるに歌を』 を読んで

『くちびるに歌を』 を読んで

小説にもあった「手紙〜拝啓 十五の君へ〜」は私も中学3年生のときに歌った思い出の曲です。曲を聞くと泣きそうになります。

この小説を読んで、さらにこの曲の歌詞が好きになりました。

私はとくに2番の
「荒れた青春の海は厳しいけれど 明日の岸辺へと 夢の舟よ進め」
という部分が好きです。

2番の歌詞は大人になった僕が15歳の自分に宛てた手紙になっています。

大人になってからも、青春時代の苦しさを

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