江藤颯真

Twitter以上、エッセイ未満。

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生活、そしてバンド

年を越すと19歳になる。 年を重ねると、徐々にワクワクできることが減っていく感覚がある。 子供の頃はもっと身近なことにもっとワクワクできていた。 例えば今日の夜ご飯のこととか、サッカーゲームでどの選手を使うかとか。 友達は多い方ではなかったが、かなりワクワクするのが上手な子供だったのではないかとさえ感じる。 最近は半ば諦めを感じていた。 自分という人間に生まれてきてしまったからにはもう何かでワクワクしたり、普通の人間のように日々の生活を楽しむことはできないだろうという諦め

    • 狂犬病になってしまえば

      狂犬病は一度なったら水が飲めなくなって死ぬらしい。 一度感染すると致死率はほぼ100%。特効薬も今のところない。 尿管結石は死ぬほど痛いらしい。 僕が日頃から悩まされいる偏頭痛の何百倍も痛いらしい。痛みで意識が飛ぶらしい。この病気は生活習慣病なので、僕もこの生活を続けているとなるかもしれない。 ニートはまじで苦しいらしい。 Twitterで得た情報によると、「宿題をやっていない夏休みの最終日」がずっと続くような感覚らしい。多分死にたくなる。 僕もこの生活を続けているとなる

      • 「だって君だって孤独じゃん」

        最近は本ばかり読んでいるので、できるだけ言葉のない音楽をよく聴いている。もうすでに言葉は追っているのだから、それ以外の歌詞などの言葉が入ってくると混乱してなかなかページが進まない。 元来、集中力のない人間なので、本を読むときはできるだけ環境を整えてやりたい。 主に聴いているのは、ジャズかピアノインスト。 ジャズを聴いていると、「自分がこんな洒落た音楽聴いていいはずがないな」と捻くれてしまうが、やっぱり聴いていると心地良い。 永遠に続くような希望、人間の熱さ、みたいなものが時々

        • 限りなく透明に近いブルー

          深夜2時、この本を読みきった。 喉が渇いたのですでに祖母が寝ている中、リビングにお茶を汲みに行った。 コップは半日使って洗ってないものが机の上に置いてあった。 その薄汚れたコップに僕は、半分ほどお茶を淹れてやった。 ふと気になってカーテンを開けてみる。祖母を起こさないようにそっと小さな音で開けてみる。 そこには確かに、リュウの言う通り黒い鳥がいた。 雲と、都会特有の小さな星と共に、黒い鳥がいた。 ただ、僕にはその黒い鳥を視認することができなかった。 鳥がいることはわかって

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        生活、そしてバンド

          それでも月が転ぶなら

          周りを見るとうんざりしてくる。 しょうもない音楽で盛り上がる馬鹿を心の中で馬鹿にして、気づけば心の中は散らかり放題。もう元の位置に戻せないほど感情がぐちゃぐちゃになっていて、ついさっき怒りの感情がどこかへ逃げ出した。 聴き手はそんな音楽で満足してんの?もっとやばい音楽聴きたくねえの?俺らの音楽の方がやばいだろ?? だなんて、正直まだ言えない。ライブでの俺の歌はやっぱり下手くそだしまだまだだわ。そりゃ世間はまだしょうもないバンドを選ぶ。 ライブハウスも今のバンドシーンもはっ

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          空洞に恋をした

          ロックミュージックで虚しさや虚無感を描くことにそこはかとない魅力を感じるようになってきた。 ロックが持っているものはとても「怒り」だけではなく、人間が当たり前に持った「虚しさ」を描いても、なんら問題のない音楽だと思っている。 しかしやはり「虚しさ」の根底には怒りがあると思うし、「虚しさ」は少し怒りを変形させた感情に近いと思っている。 人がロックバンドを始める理由は僕は「怒り」であってほしいと思っているし、実際そういったバンドがたくさんいると思う。しかし近年、どう考えてもそうい

          空洞に恋をした

          コンビニと迫害

          相変わらずバイトは苦痛だ。 笑いたくもない場面で笑い、言いたくないことを言い、なんとなく呼吸がしづらい空気が全面に流れている。今日も迷惑客の相手をし、つまらない同僚の話に相槌を打つ。流れる時間の速度は遅く、ただただ無駄な時間が通りすぎている。やっとの思いでレジを終えると、次第に感情のない音声がスピーカーから流れ、店が閉まることを必死に訴えている。 いつも通り、疲れてなさそうな同僚相手に「お疲れ様です」と頭を下げて労働を終える。 冷たい微風が僕の心を煽る。ここ最近は寂しさと虚

          コンビニと迫害

          カネコアヤノ大阪城音楽堂公演

          彼女のライブを見るのは初めてだった。かなり前から彼女のことを知っていたつもりだったが、今回のライブで改めてカネコアヤノというアーティストのことを知ることとなった。カネコアヤノのライブの凄まじさをこれからなんとか言葉にしていきたいと思う。 今回のライブはあくまでも「カネコアヤノワンマン公演」と名付けられていた。 特にアルバムのツアーという訳ではなく、カネコアヤノの「これまで」と「これから」を知ることができるライブであった。 昨年度リリースされたカネコアヤノ最新アルバム、「タオ

          カネコアヤノ大阪城音楽堂公演

          僕のロックスター

          僕のロックスターが死んだ。 彼のことを初めて知ったのは高校一年生の頃、寒い冬だった。 友達が突然「ミッシェルガンエレファントって知ってる?」と声をかけてきた。 解散ライブの世界の終わりが映ったスマホを僕に預けてきた。 初めてミッシェルの音楽に触れた。 この時、僕は妙な納得感に襲われた。 これがロックスターなんだな、とこれまでの人生の疑問を解決したような感覚だった。圧倒的なカッコよさがそこにあった。 もうその言葉でしか形容できないし、実際それ以上の言葉は必要なかった。 バン

          僕のロックスター

          自分という標本

          それでも創作をする。 現代、いやいつの時代でも表現することは冷笑の対象であり、馬鹿にされ続ける。実際自分も何度言われたかわからない。 歌が下手だから歌わないほうがいいよ。 君の声は通らないし向いてないね。 君の言葉の言い回しくさいんだよね。 バンドなんてやってるんだね。 売れるわけないのに。 ざっとこんな感じ。 先に言っときたいのだが、この文章はぜったいに売れてやるんだ!という 意気込みを孕んだものではない。売れるか売れないかは、創作をした後の話であり創作をするかしない

          自分という標本

          純白な趣味

          PCに向かうときは必ずイヤホンで音楽を聴いているので気づかなかったが、タイピングの音というのは非常に心地いいものですね。 好きです、大変好きです。 たまにはイヤホンを外してみようと思います。 多趣味な僕ですが、純粋に好きだ!と叫ぶことができるコンテンツは意外と少なかったりする。 音楽や小説、映画鑑賞などは基本的に心に余裕があるときじゃないと摂取できないし、旅行などはなかなか突発的に行けるものではない。 心に余裕がなく、それでも心に健康をもたらしてくれる趣味は 非常に稀有だ。

          純白な趣味

          十八、十九。

          今日が終わります。 友達、後輩と寿司を食った。 後輩にはカッコつけて寿司を奢ろうと思ったのだが断られて 少し多めに出すのみになってしまった。 代わりにコンビニで梅のお菓子を買ってあげた。 なんか情けない。 距離的に車ではないと厳しい距離だったので友人に車を出してもらった。 僕は車の免許を持っていないこともあり、隣で車を運転する友人の姿はひどく大人に映った。 18歳。 側から見ると美しい年かもしれないが僕にとっては何もかもが揺れ動いている一年だった。 子供のように扱わ

          十八、十九。

          無様な宇宙飛行士

          文章が終わる時、終わるのは文章だけであり、生活は無情にも続いていく。 世界は簡単に僕らを解放してくれない。 もしこの文章を書く行為をやめるときがきたら、 それは孤独からの解放だろうか。 表現者としての諦めだろうか。 青春の終わりだろうか、 それとも生命の灯火にそよ風が吹いてきたときだろうか。 僕にはわからないし、分かろうともしていない。 わからないものは素晴らしい。同時に美しい。 わからないとは未来への光だ。 全てをわかってしまう世界で僕は一日でも生き残ることができないだろう

          無様な宇宙飛行士