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enju(エンジュ)ミュージシャン/僧侶/公認心理師/宗教文化士。心理学・仏教・宗教・…

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enju(エンジュ)ミュージシャン/僧侶/公認心理師/宗教文化士。心理学・仏教・宗教・音楽・映像。

記事一覧

人生ゲーム

お正月。チビッコ達とボードゲームの「人生ゲーム」に興じました。 このゲーム、何年ぶりだろう?子どもの頃よく遊んだけど、大人になってやってみると、なるほどなるほど…

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1か月前
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黒猫とミキ

黒猫をみると思い出す子がいる。 昔、僕がまだ小さかったころ、近所に変な女の子がいた。 名前は確か、「ミキ」だったと思う。 ミキの家は僕の家のすぐ近くにあった。 …

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4年前
15

親父の早食い

親父は早食いだった。僕はそれがとても嫌だった。いつもゆっくり話もできない。とにかくすぐに食べてすぐに動いていた。 ごくたまに家族でレストランに行った。フレンチの…

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4年前
22

触れた感覚

今日は不思議な感覚を覚えた。人(の何かに)に触れている感覚だ。 もちろん、物理的身体に触れている訳ではない。多分、言葉?を通してだった。 逆はこれまであった。他…

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4年前
12

「徳」ってなんだろう?

先日、ある公的な組織の重責にある方が来談されました。その方は「徳が欲しい」と仰られました。 私は、「あなたが欲する徳ってどんなものですか?」と尋ねました。 その…

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4年前
11

〜先ずは分けよう〜 「私」と「あなた」

1.「私メッセージ」と「あなたメッセージ」日常のコミュニケーションで、いつも他者とぶつかってしまったり、喧嘩になったり、うまくお互いの気持ちのやりとりができない…

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4年前
18

自分に語りかける

イライラしたり、心配したり、不安になったり、時にパニックになったり。日常生活の中ではいろんなことが起きるし、問題は次々に降りかかってくる。 その度に、何とかしよ…

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4年前
20

解決は、問題に対する答えが与えられることでなく、問題自体の消失という仕方で起こる。

「話す」ことは「離す」こと 日々、いろんな相談を受ける。他愛のない話から、生きか死ぬかといった深刻な話まで。 人はなぜ、困った時に話を聴いてもらいたいのか。 単…

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4年前
19

ぼーっと空の雲を眺めてて書き始めた「物語」

【島】自分の輪郭を「島」に喩えてみる。 その輪郭は学んだ知識や経験で大きくなっていく。 その「島」を取り囲む「海」は「未知の世界」。 年齢と共に「島」は大きくなり…

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4年前
10

なぜ〈あるタイプ〉の人と話していると疲れるのか?

A「大丈夫?」 B「全然大丈夫」(大丈夫でなく助けてほしいという表情で) 会うたびに、どうしても疲れてしまう人がいる。悪い人ではない。いい人だと思う。自分の気持ち…

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4年前
17

「なぞる」

さて、初めてnoteに何か書いてみるとする。 墓道夕方に散歩をした。 住宅地から町外れの墓地へ続く道を。 この道は昔、葬儀時の「野辺送り」に使われていた道だ。葬儀の…

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4年前
8
人生ゲーム

人生ゲーム

お正月。チビッコ達とボードゲームの「人生ゲーム」に興じました。

このゲーム、何年ぶりだろう?子どもの頃よく遊んだけど、大人になってやってみると、なるほどなるほど、人生ゲームですね。

子どもと遊んでいて面白かったのは、彼(彼女)らはゲームに没頭して、勝った負けたと感情をむき出しにして競っていたことです。

そう、これは単なる「ゲーム」なんです。

かく言う僕も、ゲームに勝つと嬉しいし、負けると「

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黒猫とミキ

黒猫とミキ

黒猫をみると思い出す子がいる。

昔、僕がまだ小さかったころ、近所に変な女の子がいた。 名前は確か、「ミキ」だったと思う。

ミキの家は僕の家のすぐ近くにあった。 でも近所の子どもは気味悪がって近づかなかった。 その屋敷自体が異様な雰囲気を放っていたからなんだ。

ミキのお父さんは画家だったらしい。 その風貌はまるで仙人のようで浮世離れしていた。

ミキも絵がうまくて、いつも絵を描いたり歌っ

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親父の早食い

親父の早食い

親父は早食いだった。僕はそれがとても嫌だった。いつもゆっくり話もできない。とにかくすぐに食べてすぐに動いていた。

ごくたまに家族でレストランに行った。フレンチのフルコースとかそういうの。

親父は料理が運ばれてくるや否や食べてしまう。次の料理まで手持ち無沙汰で待っている。そんな親父が貧乏臭く思えて、僕は恥ずかしくてたまらなかった。

言い忘れたが、親父はお寺の住職だ。僧侶なのだ。なら、もっと落ち

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触れた感覚

触れた感覚

今日は不思議な感覚を覚えた。人(の何かに)に触れている感覚だ。

もちろん、物理的身体に触れている訳ではない。多分、言葉?を通してだった。

逆はこれまであった。他者に触れられた経験。こういう感覚は時々ある。「刺さる」感覚であったり、「掴まれる」感覚であったり、「撫でられる」感覚であったり。

ところが今日は、自分が話しながら〈ある感覚〉を感じていた。

まるでその方に実際に触れいてるような感覚だ

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「徳」ってなんだろう?

「徳」ってなんだろう?

先日、ある公的な組織の重責にある方が来談されました。その方は「徳が欲しい」と仰られました。

私は、「あなたが欲する徳ってどんなものですか?」と尋ねました。

その方は、「人に信頼されるような何か。安心して他者が何でも話してくれるような人物が備えている何か」だと仰いました。

辞書的に言うなら、「身についた品性。社会的に価値のある性質。善や正義にしたがう人格的能力。」「広く他に影響を及ぼす望ましい

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〜先ずは分けよう〜 「私」と「あなた」

〜先ずは分けよう〜 「私」と「あなた」

1.「私メッセージ」と「あなたメッセージ」日常のコミュニケーションで、いつも他者とぶつかってしまったり、喧嘩になったり、うまくお互いの気持ちのやりとりができない時、自分の伝え方、聞き方について振り返ってみるいい機会かもしれません。

相手に自分の気持や思いを伝える時、「主語」はどうなっているでしょうか。

例えば、仕事の段取りが悪く、時間がかかりすぎる人に対して、「〈あなた〉はどうしていつもそんな

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自分に語りかける

自分に語りかける

イライラしたり、心配したり、不安になったり、時にパニックになったり。日常生活の中ではいろんなことが起きるし、問題は次々に降りかかってくる。

その度に、何とかしようとがんばったり、あるいは人のせいにしたり、抑圧したり。忙しい忙しいと、状況に振り回されて疲れ果てたり。またはそんなストレスすら意識できてなくて、どこかで一気に爆発したり。

こんな話を思い出した。

あるお父さんが、小さな子どもをベビー

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解決は、問題に対する答えが与えられることでなく、問題自体の消失という仕方で起こる。

解決は、問題に対する答えが与えられることでなく、問題自体の消失という仕方で起こる。

「話す」ことは「離す」こと
日々、いろんな相談を受ける。他愛のない話から、生きか死ぬかといった深刻な話まで。

人はなぜ、困った時に話を聴いてもらいたいのか。

単に吐き出したい人もいる。(発散型)
誰かの答えが欲しい人もいる。(教えて型)
共感してもらいたい人もいる。(わかって型)
自己を整理し、自己を理解したい人もいる。(胸貸りる型)

それは時々に違うかもしれないが、自分の中にあるものを「話

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ぼーっと空の雲を眺めてて書き始めた「物語」

ぼーっと空の雲を眺めてて書き始めた「物語」

【島】自分の輪郭を「島」に喩えてみる。
その輪郭は学んだ知識や経験で大きくなっていく。

その「島」を取り囲む「海」は「未知の世界」。
年齢と共に「島」は大きくなり「既知の世界」が増えていく。

ただ、その「島」と「海」が接岸する輪郭が広がるにつれて、「島」はさらに「未知の海」に接することになる。

そうして「島」は「島」には分からないこと、未知なるもの(海)が圧倒的であることを知る。(もちろん「

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なぜ〈あるタイプ〉の人と話していると疲れるのか?

なぜ〈あるタイプ〉の人と話していると疲れるのか?

A「大丈夫?」
B「全然大丈夫」(大丈夫でなく助けてほしいという表情で)

会うたびに、どうしても疲れてしまう人がいる。悪い人ではない。いい人だと思う。自分の気持ちをストレートに言わず、相手に気を遣ってくれているからなのかもしれない。あるいは自分でも分かってないままに、いだずらに相手を混乱させているのかもしれない。

そんな人とずっと居ると叫びたくなる。

「あなたは本当はどうしたいんだ!」
「わ

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「なぞる」

「なぞる」

さて、初めてnoteに何か書いてみるとする。

墓道夕方に散歩をした。

住宅地から町外れの墓地へ続く道を。

この道は昔、葬儀時の「野辺送り」に使われていた道だ。葬儀の後、火葬場まで棺と共に皆でこの道を歩いた記憶がある。火葬場までの辻辻には、近所の方々の見送る姿があった。今はもうそうした風習はなくなり、町も近代化し、その道はどこにでもある舗装された道路になっている。

僕が小さい頃、その道を毎夕

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