日本からGAFAが生まれなかった理由と、そんな日本が好きな理由
「なぜ日本ではGAFAのような企業が生まれないのか」といった切り口のニュース記事やトーク番組等を見るたびに、思ってました。
「それって、日本にはモラルがあるからじゃないの?」
って。
GAFAの良い面ばかりが取り上げられて、社会に与えているネガティブな影響については、日本ではあまり語られていないような気がします…。
なので、ここは敢えて、そのずっと気になっているネガティブな面について、書いてみることにしました。
いっぴき羊が考える「GAFAが社会に与えているネガティブな影響」
いっぴき羊が気になっている点は、主に三つ。
一つは、莫大な利益を上げているということばかりが日本のメディアでは注目されているけれど、海外メディアでは税金を払っていないことも話題になっていたこと。(※日本でも取り上げているメディアがありました。後述)
二つ目は、情報が正しく公開されていないように思えるメンタルヘルスへの悪影響の問題。長期的な視点でみると、この問題は、すべてのプラス面をひっくり返すくらいのマイナス面になる可能性を秘めていること。
三つめは、悪用されているケースへの対応・対策が十分でないこと。個人の犯罪に利用されているというだけでなく、もっともっと大きな規模で、例えば、世論を変えてしまうような使われ方をした例も報告されていること。
でも、これって、異違(いい)視点で書こうとするあまり、私が偏った見方をしている可能性もあると思ったので、インターネット上に存在する一般的な情報も調べてみました。
そして、こんな時に調査をお願いするのは、そうです、いっぴき羊の「優秀だけど、ちょっと抜けてるアシスタント」のChatGPTさんです。
ChatGPTに聞いてみた「GAFAが社会に与えているネガティブな影響」
タイトル付きで、ブログ記事を想定して、「the success of GAFA and its negative impact on global economy and people」について書いてもらったものが下記です。
ChatGPTがネット上のデータから統計的に抽出した回答では、
独占 - 競争力を持ちそうな相手を吸収
独り勝ち - 伝統のあるビジネスとの共存ではなく排除
プライバシーやデータ保護問題 - 防御ではなく対処
税金逃れ - 多くの国で法人税の課税を回避
といったことが指摘されています。
「エコノミー」と「人々」へのネガティブな影響と指定したら、「人々」を、GAFAの影響を受けたビジネス界の人々としてデータ抽出が行われたみたいで、仕事を失った等の影響が挙げられています。「people」の代わりに「users」で聞いてみれば、また、違った回答になったかもしれません。
法人税逃れについて、日本のメディアに掲載されていた記事も見つけたので、今まで耳にしたことがなかったという方は、
とか
とかを読んでみるといいかも知れません。
日本からGAFAが生まれなかった理由と、そんな日本が好きな理由
いっぴき羊とChatGPTが挙げた「GAFAが社会に与えているネガティブな影響」は、日本企業には無視出来ない内容ばかりなのではないかと思います。
いや、日本企業には、社会への負の影響を無視するような企業にはなって欲しくないと思います。
今、この瞬間の、自分や自社の利益の為なら:
税金なんて払わなくてもいい
ユーザーの長期的メンタルヘルスなんて気にしなくてもいい
犯罪(未成年者や社会経済的地位の低いユーザーをターゲットにした犯罪を含む)はプラットフォームの責任ではないから気にしなくてもいい
ライバルは競争力を持つ前に吸収してしまえばいい
デジタル化の足を引っ張る古株は排除してしまえばいい
ユーザーの保護は必要に迫られたら対処すればいい
といった風潮には、私は賛同できません。
いっぴき羊は、大学を卒業した後、日本の6大企業グループの一つのインハウスエージェントである旅行会社に勤務していました。
本社で行われた新入社員研修の中で、社会人としての基本のようなことを学ぶレクチャーがあって、「社員個人は、きちんとした仕事をして所得税を納めること、企業としては、きちんとした経済活動を行って利益を上げ、法人税を納めること」という責任があるといった話を聞きました。会社としての企業理念等はあるけれど、社会人、そして企業としての責任のベースは、税金を納めることだと教えられました。
「それって、ものすごく昭和っぽい~」と言われるかも知れませんが、今でも、大切なことだと思っています。
ニュージーランドの企業でも、社員研修のようなものを受けたことがあります。
その際には、カスタマー、社員、企業の利益を考えるといった話はありましたが、税金の支払い義務とか、法人税によって国や社会(インフラや公共サービス)へ貢献する責任のようなことは、一切触れられませんでした。
自分たちのことだけでなく、常に、全体像を考える日本的な企業文化は、そんなに悪いことなんでしょうか?
例えば、キャッシュレス決済やコロナ禍での情報共有など、世界中で活用されているQRコードは日本発。日本以外の企業なら、特許権を行使するなどして、企業利益を最優先したのではないかと思います。
私は、GAFAよりも、自分や自社の利益の為だけに、上に挙げたようなことを無視するなんてことはできないという、昭和的な心を持った、全身全霊で応援したくなるような日本の中小企業の集合体の方が好きです!
スタートアップやユニコーン企業誕生へ向けての支援が進む中、グローバルな舞台で勝つためには、GAFAを見習うべきだという考えがあることも知っています。
でも、私は、日本は日本らしく、日本の起業家は日本の起業家らしく、勝てるやり方ではなく、自分が正しいと思うやり方を貫いて欲しいと思います。
過渡期にある今、ルールを守らない人や企業が勝つ世の中なのは分かっています。ルールを守っていたのでは、イノベーションは起こらないという人がいるのも分かっています。
でも、ルールを守らない人や企業がイノベーションを起こしたからといって、イノベーションを起こすためには、ルールを守ってはいけないということにはなりません。
ルールを守らない人や企業が勝つ世の中を維持する為に、ルールを守らないというやり方を真似るのではなくて、正しいやり方が勝つ世の中に、たとえ時間が掛かったとしても、変えていくべきだと思います。
昭和的な心とデジタル化を上手くミックスすれば、日本特有の企業やサービスが誕生して、他の企業やサービスと共存しながら、世界をリードしていくことができると思います。
ひと記事ひと記事の積み重ねで、そういった"make a difference"につながる種を、ひとつひとつ蒔いていきたいと思ういっぴき羊です。
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