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じゃむむ
2022年9月7日 22:26
前回書いたとおり、神話の舞台といえば淡路島(兵庫県)、出雲(島根県)、高千穂(宮崎県)、熊野(和歌山県)などいろいろあるわけですが、西村京太郎『神話の里殺人事件』は一体どの県が取り上げられるのか分からないまま読み始めることとなりました。 というのも、本書のAmazon上のあらすじは次のようなものなのです。 どうやら「神話の里」がどこなのかも含めて謎とされているようです。十津川警部があちこ
2022年9月6日 22:20
前回、弥生時代まで進んだので、次は古墳時代……と言いたいところですが、あえて神話に足を踏み入れたいと思います。 神話の舞台といえば、国生み神話で名高い淡路島(兵庫県)、イザナミが葬られた比婆山やヤマタノオロチ伝説、国譲りの舞台でもある出雲(島根県)、天孫降臨の場として知られる高千穂(宮崎県)などが有名でしょう。時代順に追うため、まずは淡路島を舞台としたミステリーを探してみました。 見つかった
2022年9月5日 19:27
この稿では、歴史をテーマにした推理小説を紹介することとしています。 長崎尚志『邪馬台国と黄泉の森』は、厳密には歴史談義小説と推理小説とが連作短編として収録されているものであり、歴史推理小説とはいえないかもしれませんが、面白かったのでここで紹介してしまうことにします。 探偵役は、醍醐真司という漫画の編集者です。博覧強記、何でも知っているため漫画家たちから頼りにされている一方、協調性がなく人
2022年9月4日 08:56
今回は、西村京太郎『十津川警部 二つの「金印」の謎』を読んでみました。 西村京太郎といえば、生涯で647冊もの本を書いた多作で有名な推理作家です。『消えたタンカー』や『終着駅殺人事件』などは不朽の名作といってよいでしょう。 しかし西村作品は1990年代から徐々に劣化し始め、安易で一本調子なストーリー展開の作品や、タイトルの伏線が生かされないまま終わる作品も出て来ました。金銭をめぐって殺人が
2022年9月3日 11:38
弥生時代のミステリーをさらに数冊読んでいきます。 今日取り上げるのは鯨統一郎『女子大生つぐみと邪馬台国の謎』です。 鯨統一郎といえば、そもそもミステリー作家というよりも歴史専門の作家といったイメージが強い方です。デビュー作は『邪馬台国はどこですか?』という短編小説で、創元推理文庫から出版されているものの推理小説ではなく、バーの常連客同士が邪馬台国の位置をめぐって熱い議論を繰り広げるという
2022年9月2日 00:02
深谷忠記『「邪馬台国の謎」殺人事件』とかなり似たタイトルの、荒巻義雄『「新説邪馬台国の謎」殺人事件』をポチってみました。深谷作品への便乗本かな……と思ったら、なんと深谷本よりもこちらの方が出版が先でした。 荒巻氏の本を読むのはこれが初めてで、どの人物が探偵役なのか、なかなか理解できませんでした。どうやら推理作家・荒尾十郎と新聞記者・岩都桂介の二人がコンビを組んで謎を解くようです。岩都桂介は警
2022年9月1日 00:03
吉村達也『卑弥呼の赤い罠』が思いのほか推理小説らしくなかったので、他の作品も読んでみようということで、深谷忠記『「邪馬台国の謎」殺人事件』をkindleでポチってみました。 深谷忠記作品を読んだことがなかったのですが、「壮&美緒シリーズ」というのがあるそうで、結構な作品数があるようです。 Wikipediaによると……。 だそうです。 黒江壮はものすごい推理力を持っていながら、「宇
2022年8月31日 00:02
いよいよ弥生時代に進みます。「邪馬台国」や「卑弥呼」で検索すると、出てくるわ出てくるわ。あまりに多くてどれを読むか迷ってしまいます。 ざっとヒットしたものを挙げてみると……。・黒木曜之助『暗く重き復讐 邪馬台国殺人事件』・木谷恭介『「邪馬台国の謎」殺人事件』・深谷忠記『「邪馬台国の謎」殺人事件』・荒巻義雄『「新説邪馬台国の謎」殺人事件』・長尾誠夫『邪馬台国殺人考』・中津文彦『邪馬
2022年8月30日 00:02
縄文時代が何となく不完全燃焼で終わってしまうのが嫌なので、もう一作読むことにしました。だいわ文庫から刊行されている風野真知雄『縄文の家殺人事件』です。 サブタイトルに「歴史探偵・月村弘平の事件簿」と付いており、どうやらシリーズ物のようですが、私は寡聞にして月村弘平なる探偵を知りませんでした。 読み進めていくうちに理解したのですが、どうやら歴史研究家の月村弘平と、その月村の彼女にして警視庁捜
2022年8月29日 00:02
さて、縄文時代のミステリーを検索してみると、数冊出てきます。・風野真知雄『縄文の家殺人事件』だいわ文庫・斎藤栄『みちのく三内丸山殺人旅行』徳間文庫・山北豊明『世界自然遺産 縄文杉殺人事件』文芸社・島田一男『埴輪の棺 縄文殺人事件』光風社・中津文彦『縄文土偶殺人事件』双葉社 風野真知雄『縄文の家殺人事件』は2013年発表の新しい作品で、昭和の香りのする旅情ミステリーという雰囲気では
2022年8月28日 00:03
まずは旧石器時代をテーマにした推理小説を探してみたのですが、なかなか見つかりません。『岩宿遺跡殺人事件』みたいな本が存在することを期待していたのですが。 かろうじて見つけられたのが、明石原人をテーマにした内田康夫の『須磨明石殺人事件』。明石原人といえば、かなりの確度で原人ではなかったことが確定していますが、日本で初めて旧石器時代の存在が議論されるきっかけになった重要な人骨ですから、旧石器時代が
2022年8月27日 23:51
書店の文庫本のコーナーにいると、とにかくミステリーの量に驚かされます。特に、昭和から平成初期を席巻した『○○殺人事件』というタイトルの本があまりに多いことに気づきます。 そんな中でも、『在原業平殺人事件』とか『後鳥羽伝説殺人事件』といった歴史もののタイトルが多く見受けられます。ざっと観察するだけでも百冊は下らないでしょう。いずれも歴史を深く掘り下げたものではなく、単に史跡や観光スポットで殺人