春野
蟻が十 蟻が十 ありがとうの数が 増えるたび 世界はそれだけ笑顔が増える 蟻が十 蟻が十 蟻…
砂浜の上での鬼ごっこ 踏みしめた砂の感触心地よくて 全力で走ってはついに孤独になる 「なん…
本屋を出た時のことだ。 急に目の前の駐輪場に滑り込んできた自転車があった。 「順子さん!」…
「私が私であるのは私が女だから」と貴志は言った。
この地において 犬が空を舞うなんて当たり前 だから赦してやってほしいと 自治会長さんの顔を…
酷寒の朝 棄てられた犬は 飼い主との暖かい記憶のなか まどろんでいる 身は保健所にあり 明日…
まちいくひと、みんなきれい あなた、きれい。わたし、きれい び、は、みなにひとしく、わけ…
昨日までの故郷 遠い海のかなた故郷 二度と帰らぬ故郷 まぶた閉じれば消えた 妹がありし故郷 …
鮮やかな稜線を音符がひた走る 一つではなく、もう一つの頂きが 音を連れてさらに走る モーツ…
昨日、夕闇の迫りくる刻 マクドナルドでポテトを摘んだ それだけだった しかし、ポテトを舌で…
ある時、男の頭上にどすんと北極星が降ってきました。男はいきなり、大きな星が落ちてきたも…
冬至まであと十日 日の出まであと十分 空はようやく白み始める 十一階から見下ろした夜の底は …
貴方達を初めて聴いたのは13歳の時だった 僕はその頃、グラウンドで貴方達の楽曲を繰り返し聴…