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否定と輪姦

2021/3/19@高円寺

これまでの半年間を否定された。悲しいとき、悲しい気持ちの共感を得たくて、悲しい映画を観る。やってらんなくて、酒を呑みながら、映画を観る。

『私は絶対許さない。』

15歳の元旦
実際のレイプ事件の映画化である。
東北の田舎で起こった実際の出来事である。

胸くそ、悪くて、自分が『男』という括りに属することすら、やるせない気持ちになる。
レイプ犯なんか、死刑でいい。
人に人の人生を壊す権利はない。
遊びで、人の人生を壊すほど、腐った人間は、生きる価値はない。

映画は、残酷な世界であるが、実話なので、現実である。

レイプ

娘の状況もわからず、レイプされて帰ってきた娘を朝帰りとなじり、殴る父親。

家に帰ってこない娘の行方を心配して、娘の友達に電話をかけて、帰って来た娘をなじる母親。

娘がレイプされたことに気付かない両親。

レイプされた少女は何も口に入らない。

自殺未遂して手首を切って、目覚めた時にレイプ犯を殺すことをモチベーションに生きることを決意する。

愛人

レイプされた部屋に、自分の荷物を取りに行く。

その帰りに、タバコを買って、吸う。
もちろん、咽せて、吸えない。

現実の世界の湯浅も、タバコを吸いたくなり、タバコを吸って、タバコってまずいなと思う。映画と現実がリンクする。

そんな時、レイプ犯の義理の父親に、声をかけられ、車に乗る。

壊れてしまった人は、もう、どうでもよくなるのか?

車の中で、レイプ犯の義理の父親から、愛人の契約を提案され、受け入れ、そのまま、ホテルへ行く。

「財布から好きなだけ、お金を取れ」と言われて、全部取る。

レイプ犯の父親は、ヤクザだった。

お金と引き換えに、自分を売った。
自分の価値を、自分の身体を、お金に換算できる術を学んだ。

もう、高校なんかどうでもいい。

母親が友達に電話したことで、無断外泊したことが友達全員にばれていて、アバズレ扱いされ、学校でのイジメに合う。

レイプ犯からのフェラチオのトラウマは、摂食障害を招き、タバコへの常用へと向かう。

誰にも理解されない世界は、愛人のヤクザの前での、涙という結晶になる。

自殺未遂による、腕の傷の増えるばかりである。

ヤクザの愛人をして高校時代に、貯めたお金は400万、そして、両親の反対を押し切って、東京の大学へ進学する。

東京

整形をして、新しい顔になる。
豊胸をして、新しい身体になる。
でも、自分で傷付けた、腕の傷は、元通りにならない。

レイプされた事実を知らない世界で、新しい自分になる。

新宿で、スカウトされ、おっパブ嬢になる。

摂食障害は、ただの日常である。

おっパブで、お金持ちと出会い、お金持ちの世界に触れる。

東京の街中で、ふと、出会う。

かつて、自分をアバズレ扱いした旧友に、でも、旧友は、自分のことがわからない。整形した自分はわからない。

過去のトラウマがフラッシュバックする。混乱する。

そんな中で、「男にいくら?」と声をかけられる。咄嗟に「いくらの価値があります?」と返す。

3万で売る。

それをきっかけに、また、舞い戻る。
身体をお金に換算する世界に。

性風俗

今度は、おっパブのようなライト風俗ではなく、射精のあるガチンコ風俗だ。

身体を、お金に換えていく。

気付いたことは、
田舎では、価値がないもの、畑の野菜でも、それをキレイにパッケージして、売ると、都会では、価値がある。
ということだった。

自分も都会に出て、野菜をパッケージするように、整形をした。商品にするつもりじゃなかったけど、東京は、商品を欲しているから、気が付けば商品になっていた。

お金持ちとの再会

その中で、風俗をしている中で、お金持ちと再会する。

そして、「お金持ちと結婚して、幸せになりました」なんかならない。

お金持ちの性奴隷となる。

それでも、お金持ちの夫と結婚してるなら、不自由はない。

でも、そんなに、人生、甘くない。

夫は、もちろん、浮気する。

自分を育ててくれた家族が、レイプを認識しながら無視した母親が、金の無心をしてくる。

感想

現実は「小説よりも奇なり」である。「この映画が現実だ」という真実が、映画の魅力を確かなモノにする。

「幸せとは、何なのか?」と、問われれば、この映画の主人公のように、15歳で心が死ななかったことである。

だって、辛いじゃないか。15歳の元旦に輪姦された人生なんて。辛すぎないか、そんな人生なんて。神様、やり過ぎだろう。人生辛すぎだろう。

自分の人生の半年間を否定されたことなんて、忘れてしまうくらいに、映画の持つ引力は強大だった。

この映画の加害者の名前は、実名である。

この映画は、被害者の復讐の1つである。

15歳で輪姦されて、親も、警察も、何にも守られなかった少女の復讐劇である。

リアルだからこそ、全てがある。

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