見出し画像

【本と子供】『重力ピエロ』をプレゼントしたのは失敗だった?

「ブックサンタ」という
チャリティ活動があることを、
本屋さんで知り、
思いがけず参加してみました。

その後、私はある悩みに
さいなまれています。

書店では「ブックサンタ」の
ポスターの下に、
プレゼント向け?
プレゼントにピッタリ?な
本たちが並べられていました。
児童書や絵本たちです。

で、なぜか、その中に
夏目漱石『こころ』も
並んでいました。

うん?え?待てよ?
『こころ』は、
恋愛の三角関係で、
友人が自殺を遂げる話では?
たしか、友人が部屋で
自殺をしてる場面も
描写されていたんじゃあ?
ちがったかな?

え?
だから、それは子供にはマズいって
私は思っているのか?
それくらいのエピソード、
今の小学生や中学生は
免疫がついてるんじゃないか?
いや、それより、
臭いものには蓋?的な
私の発想がダメなんじゃないかしら?

私は本屋さんで
『こころ』を見て、
そんなことを考えてしまいました。

結論はつかないまま…。

なのに、私自身は伊坂幸太郎の
『重力ピエロ』を選びました。
どこかの子供に贈る本として。

重力ピエロ!ですよ。

まずは、
弟と学校のヤンキーの
乱闘から話が始まる小説を、
私は、まだ見ぬどこかの本好きな
少年か少女にプレゼントしたんです。

しかも、主人公の弟は、
お母さんが強姦魔に犯され、
生まれ出た子供です。

おまけに、あらすじは、
放火事件でしたよね?

不穏すぎる出だしです。
不穏すぎる背景です。
不穏すぎるあらすじです。

これを私は、あっさり
プレゼントに決め、
店員さんに託したのでした。

これって、
正しい選択だったでしょうか?
良かったでしょうか?

『こころ』と『重力ピエロ』、
子供へのプレゼントとしては、
どちらがより理想的だったのか?

こんなことなら、
エンデの『モモ』にしておけば
良かったかな?
『ハリー・ポッター』に
しておけば良かったかな?

きっと子供の大部分は、
『ハリー・ポッター』を
喜ぶにちがいない。

なにもわさわざ
辛気くさい漱石の『こころ』を
贈るという挑戦をする必要は
あったか?なかったか?

『重力ピエロ』も
伊坂幸太郎さんの
テンポある文章で
楽しく読めるものの、
実際には、この世の悪と
どう向き合うか?
大人でもわからないテーマが
書き込まれていますね。
果たして、クリスマスプレゼントに
して良かっただろうか?

『重力ピエロ』が
贈られた少年少女には、
どうかネガティブな影響は
受けないでいてくれますよう、
神様にお祈りをしよう。
神さま、イエスさま、
どうかクリスマスに
『重力ピエロ』を読む子供たちに 
幸あれ!と。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?