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【推薦図書】ようこそ、大江健三郎のエッセイ&ルポルタージュ&講演録

大江健三郎は、不幸だ。
追悼記事があまりに少ない。
現代の作家が亡くなって
こんなに少ないのは珍しい。

あまりに難解な文体のせいで、
読者を遠ざけてしまうからか。

実際、先月の逝去から
新規のファンができたとも
思えない。

大江さんは、
常に、人間の痛みを書いた。
現代の読者や本好きには
好きなテーマなはずです。

なのに、古く感じる。
昭和の作家だったのか、
と疑問にさえなる。

実際、大江健三郎の
作家的ピークの一度めは、
昭和だったのは間違いない。

文体の難解さがウケた時代が
昭和にはあったんですね。
でも、今はそれが
大江さんを難解作家にしている。

それなら、
難解さがない、
講演録や、
インタビューを起こしたエッセイ、
そうした本から入るのなら、
難解な文体ではないから
たくさんの方々にも
読みやすいのではないか?

そんな本をご紹介したい、
少しでも大江健三郎を
たくさんの方々に
読んでもらえるために。

①「暴力に逆らって書く」
朝日文庫
世界の作家や思想家との往復書簡。
手紙形式だから、馴染みやすい。

②「私という小説家の作り方」
新潮文庫
大江自身による短かな自伝エッセイ。

③「大江健三郎、作家自身を語る」
新潮文庫
大江健三郎の研究者、
尾崎真理子氏によるインタビューを
元にした、②を深掘りしたような
大江文学のヒストリー。

④「話して考えること、
書いて考えること」集英社文庫

⑤「あいまいな日本の私」岩波新書
いくつかの講演記録。

⑥「ヒロシマ・ノート」岩波新書 
大江さんが原爆問題に踏み込んでいった
自身によるルポルタージュ。

⑦「鎖国にしてはならない」講談社文庫
これも、いくつかの講演記録。

⑧「読む人間」集英社文庫
読書論。

⑨「定義集」朝日文庫
朝日新聞に連載された短いエッセイ集。

10 「沖縄ノート」岩波新書
沖縄問題に踏み込んでいく
大江自身によるルポルタージュ。

まだまだ大江健三郎には
エッセイや論考はありますが、
70年代的な、
核問題や東西冷戦に
焦点があたり過ぎてる本は
あえて、外しました。

現代でも、充分に読んで
肉迫している、
文学論や読書論を
あげてみました。

大江健三郎が
少しでも身近になりますように。

 

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