見出し画像

【愛読】又吉が愛した新潮文庫20冊とは??

11年前、2013年、
ピース又吉直樹の推し文庫フェアが 
開催されました。
「又吉直樹が愛してやまない
新潮文庫20冊」というフェアでした。

そのセレクトのあまりの絶妙ぶり、
センスの良さが相当深かったのか、
今もその20冊を選んだことが
又吉直樹の最大の仕事ではないかと
思っています。

どんな20冊かというと、

『幽霊たち』ポール・オースター
『ねじまき鳥クロニクル』村上春樹
『思い出トランプ』向田邦子
『文鳥・夢十夜』夏目漱石
『李陵・山月記』中島敦
『痴人の愛』谷崎潤一郎
『お伽草子』太宰治
『ヴィヨンの妻』太宰治
『白痴』坂口安吾
『山椒魚』井伏鱒二
『戯作三昧・一塊の土』芥川龍之介
『夜間飛行』サンテグジュペリ
『サキ短編集』サキ
『杳子・妻隠』古井由吉
『窓の魚』西加奈子
『R62号の発明・鉛の卵』安部公房
『家守奇憚』梨木香歩
『遮光』中村文則
『最後の喫煙者』筒井康隆
『一千一秒物語』稲垣足穂。

本好きなら、たしかに
気になる作品ばかりです。
まず、ここには、
えこひいきやヤラセ感がない。

また、名前は知っているけど
いつかは絶対に読みたい、
という渋い作品もセレクトしてる。

伝説の異端児作家・稲垣足穂を
加えてあることで、 
このリストはグッとしまってる。

安部公房といえば的な作品は
セレクトせず、短編集を挙げてる
ところも渋いなあ。

サンテグジュペリも、
『星の王子さま』ではなく、
その基礎にあたる『夜間飛行』が
選ばれている。

芥川龍之介も、
「地獄変」や「羅生門」や
「杜子春」ではなく、
芥川龍之介の中期の安定期に
描かれた作品集が入っている。

夏目漱石も、
長編ではなく、
夢十夜をセレクトしてる、
変化球的なセレクトだ。

まあ、
村上春樹は、ねじまき鳥クロニクル、
谷崎潤一郎は、痴人の愛、 
坂口安吾は、白痴という
セレクトなのは、
どれも王道的なのですが、 
まあ、この辺りは
又吉も仕方なかったんでしょう。
毎回、渋いセレクトばかりでは
とがり過ぎって感じに
受けとられ兼ねないですからね。

それでも、又吉直樹が 
妥協しなかったのは、
大好きな太宰治は2冊あげたり、
又吉が様々な場所で名前を出す
古井由吉さんが入ってること。

又吉があんまり、
古井由吉は凄い凄いと言うから、
私も何度か読もうとしてきたものの、
冒頭で毎回挫折してきました。
私には相性が良くないらしい。
そのうち読めるようになるでしょうから
慌てない慌てない。

それよりも、
この又吉が好きな20作品には、
三島由紀夫がないし、
川端康成もセレクトされていない。
敢えてなのか?
仕方ないからか?

森鴎外もいない、
武者小路実篤も志賀直哉もいない。
また、宮沢賢治もいない。

あ、大江健三郎も、
伊坂幸太郎もいない、
平野啓一郎もない、
綿矢りさも入っていない。

自分が関心深い人を
しっかりすくいあ上げようとしたら、
そこそこに好きな人は、
入らなくなるでしょうね。

では、自分で新潮文庫から
20冊選ぶとしたら 
どうなるでしょうね?

『百鬼園随筆』内田内間
『重力ピエロ』伊坂幸太郎
『金閣寺』三島由紀夫
『沈黙』遠藤周作
『ゴッホの手紙』小林秀雄
『月と6ペンス』モーム
『江戸川乱歩傑作選』江戸川乱歩
『蛍・納屋を焼く』村上春樹
『片腕』川端康成
『ウィステリアと3人の女たち』
川上未映子
『悪女について』有吉佐和子
『キッチン』よしもとばなな
『夏の闇』開高健
『うらおもて人生録』色川武大
『個人的な体験』大江健三郎
『それでも、日本人は戦争を選んだ』
加藤陽子
『ガープの世界』ジョンアーヴィング
『フラニーとズーイ』サリンジャー
『幸福な王子』オスカーワイルド
『悪人正機』吉本隆明

さて「私の愛する新潮文庫20冊」が
どうにか、出来ました。

このセレクト、
今したばかりだから、
センスがいいか、深いか?
自分ではまだよくわかりませんが、
しばらくしたら、
はっきりわかるかもしれません。
考えてる時は楽しかったあ。

あ、皆さんにもちょっと、
この、20冊セレクト、オススメです。
あれやこれやで、
自分が深く読んできた新潮文庫は
どんなのがあったっけ?と
振り返るのは楽しかったから。

この記事が参加している募集

推薦図書

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?