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あなたに抱かれたい|散文

お前の過去なんて何だっていいよ……
そう、僕の過去なんてどうだっていい

違うそうじゃない! うん、分かってる
そんな意味なんかじゃないって事くらい

きみは誰と生きてきたの
どこで何を見てきたの
どうしてそんなに頑なまでに
心を閉ざしてしまったの……

同じ場所で暮らしている者にでさえも
開けなくなっていくこの重い扉はなに?
己ですらも理解に追いつけてはいない
深い孤独の理由わけを解いて欲しいと願った

話したがりは、構ってちゃんですか?

助けて欲しいと言えない代わりに
あなたに聞いて欲しいことがあります
助けて欲しいという言葉の代わりに
あなたに拗ねた態度をとってみせます

お前のはなしを聞かせてくれよ……
何もしてあげることは出来ないけれど
例えばきみが泣きだしてしまったならば
僕も泣いてしまうかもしれないけれど

今まで独りで頑張ってきたんだね、とか
そんな気遣いを求めているわけじゃない

黙って最後まで聞いてくれよ……
そして、

ただ強く、……抱きしめて欲しいだけ。

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