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君がたり|詩


「君がたり」

変わりゆく頁から滲み落ちる
その物語に終わりなどないのだと

悪くない。
鈍くひびいた琴音に瞳ふせ
指さき戸惑った今日に鍵をかける

ひとつの夜と昨日の月あかり
路地裏に咲く風はどこへも行けず
ただ、そっと
眠る君の横すり抜けては遊ぶ

また、ひとり静かに
終りを意味する明日に火をつけた

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