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吸引力の変わらない、ただ一つの
朝目が覚めて、冷蔵庫に何にもない状況を経験したことがある幼少期だった。
何にもない、というのは正確に言えばそんなことはなくて、調味料や香辛料、出汁やみりんや料理酒といった物はあるものの、そのまま食べられる物という物はなくて、微妙に何かが残っている状況が"何もない"状況を引き立たせていた。
母は好き嫌いなくよく食べて、そのくせ痩せている。「それ美味しいの?」と尋ねると、決まって「美味しくない」と答
朝目が覚めて、冷蔵庫に何にもない状況を経験したことがある幼少期だった。
何にもない、というのは正確に言えばそんなことはなくて、調味料や香辛料、出汁やみりんや料理酒といった物はあるものの、そのまま食べられる物という物はなくて、微妙に何かが残っている状況が"何もない"状況を引き立たせていた。
母は好き嫌いなくよく食べて、そのくせ痩せている。「それ美味しいの?」と尋ねると、決まって「美味しくない」と答