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徒然なる余白

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あてもなく書き始めた、他愛もないエッセイ集。
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散り際なんて誰も知らない

散り際なんて誰も知らない

瞬く間に時代は変わっていく。
僕たちはその中を流れるように、なぞるように日々を暮らしていく。

この不確かな世の中で、誰もが確かな存在を求めている。
人によってその形は違うのだろうけど、通りすがりの駅前で汗をかきながら歌う若者を見て、ふとそんなことを思った。

人との関係、今就いている会社や仕事の行く末、当たり前にある日常。
そこに確かなものなど何一つ存在しないのではないかと思う。いつ何が起こ

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暮らしのタイムラプス

暮らしのタイムラプス

終電間際の空いた電車が好きだ。電車を降り、心なしか通勤風景よりもゆったりと歩いて家路に就く、その歩幅も。

さっきまで業務でパソコンとにらめっこを続けていたからか、スマホを含む電子機器に触れようとする気はさらさら起きない。
辺りを見渡すと、乗客一人ひとりが思い思いの時を過ごしている。疲れのせいか熟睡している仕事帰りの若者。肩を寄せ合って仲睦まじく小声で談笑する男女。単語帳を熱心に読み込む将来が楽

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諦点観測の毎日も、きっと悪くない。

諦点観測の毎日も、きっと悪くない。

「諦めが悪い」の対義語として、「諦めがよくなった」という物の言い方は存在するのだろうか。
もしくは「往生際が悪い」の対極として、「去り際が美しい」。もしそのような相反関係が成り立つとしたら、僕の近況は実に諦めがよくなったし、手前味噌ではあるが去り際も美しい方なのかもしれない。

最近、「諦める」という言葉が頭の中をぐるぐる回っている。
以前校正を勉強していたこともあり、私室の机上にちょうど広辞苑

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浮遊する人生

浮遊する人生

今、これを書いているのが2023年12月上旬の金曜日。深夜26時である。

昔は心に秘めていた想いを発作的に「書きたい!」と思った時に書くスタイルだった。
できることならば、生活に関するありとあらゆることを差し置いて、ずっと文章を書いていたいと物を書き始めた当初から思っている。しかし、そんなことが許されるはずもなく、毎週投稿を始めてからは週に一度(または2週に一度)、意識的にパソコンへ向かい書く

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