去年の今頃、私は神戸のシネコン元町映画館での中東映画祭に足を運んでいました。その時の作品が写真にある「乳牛たちのインティファーダ」（The Wanted 18）。

パレスチナで1987年に始まった全国規模の占領反対運動を題材に、そのときある町ではどんなことが起こったか、なんと、イスラエル軍に指名手配された（？）18頭の乳牛を中心に描いた映画なんです。観る前は正直全然想像がつかなくて、？のまま劇場に足を運んだのですが、終わるころには周りもはばかるような号泣でした。

なぜ今この映画をお勧めするかというと、

まさにコロナの非常事態と映画の中の人々の状況に通じるものがあるから。

日常が不安定になり、先が読めない状態。そんな状況のなかで、パレスチナの人たちはずーーーっと生きてきました。今（執筆時）、日本の教育機関はストップしていますが、パレスチナも同じです。軍の命令で外出できなくなったり、学校が壊されたりなんてことはざらにあります。

ネタばらしはしたくないのでかいつまみますが、映画の中で、人々は今のイタリア人みたいに、ベランダや屋上を活用して制限された日常をアイデアで楽しみます。理不尽なことにはウィットで返して。観ていてなかなかにスカッとしますし、私はパレスチナの人に対する尊敬の念が湧いてきました。人間の可能性を感じたんですよね。いわば彼らって（私も顔見知りなのは一部の人なので一般化は良くないかもしれませんが）、非常事態の生き抜き方、楽しみ方を心得ている先輩なんじゃないかしら？と。

映画が２８日までオンラインで観れてました！サイトはこちらです。毎週違ったパレスチナ映画を無料配信しています。

一人でも多くの人に届きますように。

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