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松本人志の文春訴訟、賠償金「5億5000万円」の妥当性

お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志(60)が22日、飲み会で性的行為などを強要したとの疑惑を報じた週刊文春の発行元である文芸春秋に対し、名誉毀損による損害賠償と謝罪広告の掲載などを求め、東京地裁に提訴した。同日、所属する吉本興業を通じて発表した。松本個人による提訴となる。請求額は約5億5000万円。
(スポーツ報知 1月22日)


名誉棄損の賠償金「5億5000万円」が、わたしの目をひいた。

というのも、前日、松本の件とは別に、わたしはこう書いていた。


たとえば毎日新聞の場合、全国紙が1面で顔写真つきで名誉棄損して、賠償金220万円は安すぎる。早期に訂正・謝罪されれば別だが、最後まで認めず開き直ったら、2ケタ上の賠償金でおかしくない。そうでないと抑止できず、マスコミの「書き得(どく)」「開き直り得」になってしまう


これは、Netflixの新作ドキュメンタリー「アメリカン・ナイトメア」に関して書いた文章だ。

ネタバレになるからはっきり書かなかったが、「アメリカン・ナイトメア」は一種の「冤罪事件」のドキュメンタリーだ。起訴されたり収監されたりしたわけではないが、誤って警察に犯人あつかいされたため、それを真に受けたマスコミに一般人が名誉を棄損された。当事者たちは、市当局を訴えて250万ドルの賠償金(和解金)を得ている。

250万ドルは、だいたい3億7000万円くらいだ。


わたしは、名誉棄損には、それくらいの賠償金が支払われるべきだと思う。

賠償金が高額だと、言論の自由やマスコミ報道を委縮させると言われるかもしれないが、要は、間違いがわかった時点で訂正と謝罪をすればいいのである。

毎日新聞のように、最高裁まで5年も開き直ったうえ、最高裁で敗訴確定(上告棄却)しても謝罪すらしない、220万円払ったらことが済んでしまう、というのがおかしい、と言いたいのだ。


専門家ではないから法律論や難しい話はわからないし、「5億5000万円」がどのように算出されたのか知らない。

だが、上のような理由から、松本人志の請求額「5億5000万円」は、決して高すぎないとわたしは感じる。

文春が誤っていた場合は、すみやかにそれを認めるか、開き直る場合は5億5000万円、ミミをそろえて払ってほしい。



以上、書いたあとで気づいたが、毎日新聞の件に関し、高橋洋一もYouTubeでわたしと同じようなことを言っていた。(松本人志の件にも少し言及している)

原英史さん毎日新聞に完全勝利でも割に合わない名誉毀損(高橋洋一チャンネル 1月16日)


毎日新聞訴訟当事者、原英史氏がゲストで、高橋と対談している。

大手メディアが書くと、デタラメであっても、一般の人は、

「大手が書くのだから、全部がホントでなくても、少しはそれらしいことがあったのだろう」

と考える。それが当事者をいかに苦しめるかがよくわかる。

いまのメディアは信用できない、くらいのリテラシーは多くの人にあるが、メディアの現状は、その想像以上にひどいのである。

以下、賠償金に関する発言の書き起こし(一部大意)。



「日本の名誉棄損の賠償額が無茶苦茶低いのは有名で、弁護士をやとってやってますんで、訴訟費用のほうがケタがちがって高い」(動画4:00あたり)

「せっかく訴訟で勝っても、毎日新聞を見ると、わたし(原)がやっぱり変なことやったみたいなことが書いてある。そこまでやって、自己正当化するんですよ、メディアの人たち」

「それ(名誉棄損)をやっても、彼らは罰せられないから。言っちゃったもの勝ちになっちゃう」

「もしSNSがなかったら、わたしは完全に社会に抹殺されていた」(以上、14:00あたり)


高橋
「賠償額を高めないと、マスコミのほうできちんとやろうというインセンティブが出てこない」

「原さんだって220万円でしょう。ケタが2ケタちがうんじゃないの」(17:30あたり)



「(日本では)前は10万、20万だったから、200万円は最高レベルだと言われる。アメリカの訴訟だと、200億円とか、それくらい。ケタが4ケタちがう」


高橋
「いろいろな逸失利益を考えて、あとマスコミへのペナルティの意味を考えたら、2ケタくらい多くならないと、バランスが取れない」
(18:30あたり)



<参考>


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