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源氏物語 13 角田光代訳②
角田光代源氏、下巻に続いて、上巻読了。
敬語を省いての訳出は、物語の骨格を鮮明にしてスピード感が出るものの、王朝気分が減じて、特に上巻の「少女」までは光と姫君たちとの行き来が単なる関係性の説明になって、語り手が時に立ち現れるような『源氏物語』の妙味である典雅な調べと縁遠いものになるような印象である。第10帖「賢木」のような錯綜した人間関係の綾が読みどころとなる巻では、角田訳が冴え渡って滲み入るが、
角田光代源氏、下巻に続いて、上巻読了。
敬語を省いての訳出は、物語の骨格を鮮明にしてスピード感が出るものの、王朝気分が減じて、特に上巻の「少女」までは光と姫君たちとの行き来が単なる関係性の説明になって、語り手が時に立ち現れるような『源氏物語』の妙味である典雅な調べと縁遠いものになるような印象である。第10帖「賢木」のような錯綜した人間関係の綾が読みどころとなる巻では、角田訳が冴え渡って滲み入るが、