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私にとっての宗教の話

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「なぜ生きるかのか」ということを考えた私の軌跡です。勧誘や販売なんてのはありません。お役に立てれば幸いです。
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記事一覧

「歎異抄」を読んでみよう(6)

「歎異抄」を読んでみよう(6)

その2 中段わたし (親鸞)は、「お念仏だけして、阿弥陀さまに救われていきなさい」という 法然上人のお言葉を信じているだけなんですから。お念仏がお浄土に行かせて いただけるプラチナチケットなのか、それとも地獄行きの片道切符なのかは、 わたしには分かりません。わたしが考えてどうこうなるもんじゃないですしね。 それに、たとえ法然上人にだまされて、お念仏で地獄に行くことになったとしても、 後悔しちゃいけ

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「歎異抄」を読んでみよう(5)

「歎異抄」を読んでみよう(5)

その2
 皆さんが、関東から京都まで命がけでやってきたのは、ただ極楽浄土に 往生する方法を聞くためですね。そんで、わたしがお念仏による方法以外を 知っていて、さらには、そのことが書かれたお経を知ってるんだろう、とか 思ってるんだったら大間違いですよ。もし知りたいんだったら、奈良や比叡山 の偉いお坊さんに会って、浄土に往生する方法を聞くべきですね。

第二条
 一 おのおの十余箇国のさかひをこえて、

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歎異抄を読んでみよう(3)

歎異抄を読んでみよう(3)

阿弥陀仏の誓いその1
 阿弥陀さまの想像もつかないような誓いによって、お浄土に往生 させてもらえると疑うことなく信じて、ありがたくってお念仏せず にはいられなくなったときには、もう阿弥陀さまによるお救いが確実な ものになっているわけ。で、その阿弥陀さまの誓い、つまり 阿弥陀さまが真に願われたことは、「年齢だとか善悪だとかはいっさい 関係なく、すべての人を救うぞ」ってこと。私たちは、信じるだけ。だっ

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「歎異抄」を読んでみよう(2)

「歎異抄」を読んでみよう(2)

序 はじめに「よけいなことかなー」とも思うんだけど、最近のまわりのよう すを見ていると、親鸞さまが話してくれたことと、なーんか 違ってきちゃってるみたいでさ、なんかこのまんまだと、後々おかしなことになっちゃいそうなんだよね。せっかくいろんなご縁で 易しい教えにあえたのにさっ。自分の私利私欲に走って、他力の教えをねじ曲げて良いと思ってるんかねぇ。そんな訳で、かつて 親鸞さまが話してくださったことでお

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「歎異抄」を読んでみよう(1)

「歎異抄」を読んでみよう(1)

連載後の反響私が、親鸞聖人の教えで救われたという話を「私にとっての宗教の話」として、まとめた訳ですが、意外にもっと知りたいという人からの反響があって、少しは役に立ったのかと思っています。

これらの話の内容は、あくまでも私一人に起こったことであって、一般化できることではありません。
また、私は自身の宗教に対する捉え方を他の人に広めるつもりもありませんし、それは、各宗派の方の行うべきことだと考えてい

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私にとっての宗教 6

私にとっての宗教 6

他力という考え方私は自分のことを「念仏者(ねんぶつしゃ)」であると言っています。

「念仏者は無礙の一道なり。そのいはれいかんとならば、信心の行者には、天神・地祗も敬伏し、魔界・外道も障礙することなし。罪悪も業報を感ずることあたはず、諸善もおよぶことなきゆゑなりと云々」『歎異抄』

「念仏者」は無敵の人です。
死ぬも生きるも、善も悪も、良いことも悪いことも全て如来からいただいたものであるからで

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私にとっての宗教 1

私にとっての宗教 1

○○日後に死ぬボク「100日後に死ぬワニ」が死んでしまいました。
ワニくんの話なんで面白がっていられますが、じゃあ、みなさんはなんで死ぬのに生きてんの?
そういった話です。
以前「楽天的なニヒリズム」について記事を書きました。
その提唱者の言葉を引用します。

「あなたの人生は1回限り、これは恐ろしいことです。しかし、それはあなたを自由の身にします...。私たちの人生が私たちが経験するすべてのもの

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私にとっての宗教 2

私にとっての宗教 2

心理学に傾倒する自分も含め、人間の心のあり方に興味があったので、心理学を学ぶために大学に進学しました。
フロイト理論にはピントくるところを感じなかった一方で、ユングの元型論にひかれて投影法と物語の研究を主にやってました。
集合的無意識や錬金術で説明される心の成り立ちや、アニマ・アニズム、ペルソナ等々、今頃のゲームやアニメの素材になりそうな面白い単語がいっぱい出てきます。もっと評価されてもいいと思い

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私にとっての宗教 3

私にとっての宗教 3

大石法夫先生について大石法夫先生については、こちらの心光寺様の紹介に詳しいので、リンクさせていただきます。大石先生の御講話の記録もございますので、興味をお持ちの方はぜひ読んでみてください。
大石先生は、僧侶ですが寺院に所属していません。広島市内のご自宅で月に3回法話の会を行っておられました。
私は、大石先生が「ご同行」と呼ぶ、法話にご参加されている方々に向けたお手紙をまとめた著書を拝読し、ご自宅の

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私にとっての宗教 4

私にとっての宗教 4

増長満に陥る増長慢[未熟で未達であるにも関わらず、佛法に於いて得たものがあると誇ること。
「増上慢」と書くのが一般的]増長慢とは、仏教用語であり、己が悟ったと錯覚し、まさに増長して鼻高々に陥ることである。
そのことを持って天狗の鼻は高くなり、「天狗になるな」とか「天狗の鼻を折る」などという言葉も出て来たようです。

宗教的体験を得たことから、私は「自分は悟った」との思い違いをします。まさに増長満で

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私にとっての宗教 5

私にとっての宗教 5

ひとへに親鸞一人がためなりけり「弥陀の五劫思惟の願をよくよく案ずれば、ひとへに親鸞一人がためなりけり。されば、それほどの業をもちける身にてありけるを、たすけんとおぼしめしたちける本願のかたじけなさよ」 『歎異抄』

「受刑者の罪は私のためであった」ということに思い至った時点から、様々なことに気がつきました。
それまでの私は、自分のことばかりを考えていました。
自分が救われたい、自分が目立ちたい、人

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