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地方を旅する25歳/全国1300の建築を巡る/建築巡り×地形散歩×おてつたび/地形、気…

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地方を旅する25歳/全国1300の建築を巡る/建築巡り×地形散歩×おてつたび/地形、気候、建築、植物、農業、食、民謡、…、から地方の風土や暮らし、魅力を発掘していきます!

マガジン

  • 地形散歩 気候風土を読みとく

    地形、地層、岩石、気候、植生、集落、食、、、。今に残る地球上の痕跡を辿り、風土を読み解く!

  • 1300の建築をめぐる旅

    1300の名建築をめぐる旅。この建築はぜひ見にいきたい!そのような建築リストをまとめ心地よい空間を体感しにいく! 魅力的な建築を記録していきます!

  • 住み続けられるまちをめざして

    「自然」と「人」の持続可能性を考える。資源の循環や自給自足、誰でも住み続けられる福祉のまち。自然とともに、老若男女問わず、共存できる社会を追い求めて、旅先で発見したアイデアを記録する

  • 近代遺産 保存か解体か

    次々に解体が進む近代建築。近代の遺産を未来へ継承すべきなのか。解体すべきなのか。現存する近代建築の今を特集しまとめていきます。

最近の記事

  • 固定された記事

変わらないものと変わるものを見つける旅

自己紹介はじめまして!ご覧いただきありがとうございます。最初のブログということで簡単に自己紹介させていただきます。 静岡県出身の24歳 大学、大学院と建築を専攻し、まちづくりにも参画。修了後、全国各地を旅をしながら過疎地域のお手伝いをしています。 将来は、地元で地域おこしに携わりたく、今は地域に根ざした建築家を目指しています。 旅のテーマ旅のテーマは「変わらないものと変わるものを探す」こと。 "ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず"(方丈記) 常に移ろう世

    • 地球のひだ 大地に滴る雫のゆくえ

      鳥になった日の話幼い頃、車の助手席に乗るのが好きだった。目の前に映るカーナビは、自分が乗っている車を空から眺めていた。見えている風景とナビを重ね、脳内でもう1人の私は鳥になって空を飛んでいた。もう1人の私はあの森の向こうに見える景色も教えてくれた─── 地球の襞と手触り感建築家を夢みて、大学で建築学を学んだ。地域に根付く建築をつくるため気候風土に目を向けるようになった。谷間にできた日本の集落を山上から見下ろすと屋根はひとつの地形のようにでこぼこしていた。山の水は川を流れ、屋

      • 日本三大カルスト 天空の道を絶景ドライブ

        四国カルスト 天狗高原高知県と愛媛県の県境に位置する「四国カルスト」。山口県の「秋吉台」、福岡県の「平尾台」と並ぶ日本三大カルストの一つである。中でも最も標高が高く、山頂に広がる高原からの景色はまさに絶景。 細い山道を走る車。山村集落を抜け生い茂る木々の中を進む。まもなく頂上を迎えると徐々に木々は減り、道の幅員は広がる。高原に出た。緩やかな起伏のある山頂に金色に輝くススキが手を振って出迎えてくれる。 天空の道貫かれた一本の道は日本百名道のひとつ。爽快なドライブが楽しめるこ

        • 日本百名山 雲かかる高峰と天使のハシゴ

          西日本第二の高峰 剣山を登る。 剣山の山頂はミヤマクマザサの群生地。過酷な環境で生き抜く植物が見せる美しい風景を紹介します。後半には周囲に山々と合わせ、祖谷の多様な植生を紹介します。 剣山奥祖谷の苔 奥祖谷にむけ、徐々に狭くなる道幅。路肩はびっしりと苔が生えている。深く暗い影の山道に、時より差し込む木漏れ日は、静かな緑色の苔を金色に輝かせる。 倒木を苔が纏う。その姿は、倒木の輪郭を残しながら、新しい地形へ。木が分解され土に還る神秘的の瞬間である。露出する岩もコンクリー

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        • 地形散歩 気候風土を読みとく
          8本
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          4本
        • 住み続けられるまちをめざして
          2本
        • 近代遺産 保存か解体か
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        記事

          世界農業遺産 傾斜地の農耕と暮らし

          祖谷での2週間の滞在で、一番の衝撃はこの景色だった。一枚の写真で、人が生きるのに必要な資源の量が一瞬で把握できるからだ─── 人類の争いごとは、すべて「資源」にある自給自足する家族 広島県三原市に自給自足の暮らしで農場を営むがご家族がいるという。その方は、世の中における争いごとの原因は、ほぼすべて「資源」にあるという。食糧か、材料か、燃料か、自国で得られない希少な資源を巡り戦争をしている。このご家族が自給自足の暮らしをするのは資材争いから独立する狙いがあった。 必要な資

          世界農業遺産 傾斜地の農耕と暮らし

          香川うどん県の起源 動く大地と幻の大河

          香川県で本場の讃岐うどんを食べたことある人も少なくないだろう。 ツルッともっちりしたおうどんに、瀬戸内海産のいりこだし。香川の方々は、うどんに限らずいりこだしで出汁をとるらしい。香川では、セルフうどんのお店をよく見かける。ご自分でお好みに。セルフは、香川の県民性のなのか、あのガソリンスタンドのセルフも香川が発祥だという。 祖谷に向かう道中、数日香川県に滞在した。特に考えもせず、美味しいうどんのお店を巡った。祖谷で動く大地が見せる絶景を調べている中で、香川に流れていた幻の大

          香川うどん県の起源 動く大地と幻の大河

          2億年の神秘 大歩危峡はなぜ美しいのか

          「大歩危峡を流れる川はなぜエメラルドグリーンなのか」「大歩危峡の森はなぜ美しい紅葉が残るのか」。今回は、動く大地が生み出した神秘に迫ります! 大歩危・小歩危って知ってる?四国に流れる吉野川の中流に8kmほどの峡谷、大歩危峡・小歩危峡がある。千と千尋の神隠しに登場するハクの龍の姿のように、美しく深い谷間を流れている。ゴツゴツした岩肌は、「大股で歩いたら危ないよ」「小股で歩いても危ないよ」。そのような可愛らしい語源で大歩危(おおぼけ)・小歩危(こぼけ)と呼ばれるようになったとい

          2億年の神秘 大歩危峡はなぜ美しいのか

          祖谷のかずら橋 特殊な地形が生んだ奇橋

          日本三大秘境 祖谷太平洋の湿った空気が四国山地にぶつかり、祖谷は深い霧に包まれる。2億年をかけ大地が生み出した峡谷には、エメラルドグリーンに輝く祖谷川が流れている。祖谷のかずら橋は祖谷峡を渡す蔓でできた橋で、ゆらゆらと揺れるその橋は日本三奇橋に数えられる。 秘境宿の女将の唄祖谷の秘境宿には、女将の唄声を聴きにご宿泊なされる方もいらっしゃる。女将おもてなしの唄声が、夜の囲炉裏の間に美しく響く。石臼でそばの実などをひく女性の労働唄『徳島県民謡 祖谷の粉ひき唄』でも、祖谷のかずら

          祖谷のかずら橋 特殊な地形が生んだ奇橋

          おてつたび 郷土料理から学ぶ祖谷の風土

          徳島県三好市祖谷おてつたび noteにおてつたびの記事をあげたことはまだないが、出逢いに感動し、ここは体験記を残したいと思った。とはいえ、noteは想定もしていないので、どこにも許可をとってない。おてつたび先や同じおてつびととの写真は控え、簡単ですがご紹介。 おてつたびって何?という方はこちらからどうぞ! 新祖谷温泉ホテルかずら橋 おてつたびで滞在した新祖谷温泉ホテルかずら橋。ケーブルカーで結ばれた天空露天風呂からは祖谷の山々が一望でき、これからの季節は紅葉を楽しむこ

          おてつたび 郷土料理から学ぶ祖谷の風土

          おてつたび×ADDressで持続可能な旅にでる

          noteをはじめて1週間がたつ。 5つ目の記事を上げた時点で10000ビューを超え、多くの方に読んでいただけていることにとても感謝している。大学院で建築を専攻していた私のマニアックな旅の視点と美しく感動した情景を記録しているので、ぜひ覗いてみてほしい。 わたしの旅前回の記事で、旅は四国編に突入した。 ここまで私の旅のスタイルそのものはお見せした事がない。途中からはじめたnoteだが、旅はまもなく1ヶ月。今日はその節目に旅暮らしの仕組みを紹介します! おてつたびやADDre

          おてつたび×ADDressで持続可能な旅にでる

          瀬戸内の「動く素材」が魅せる絶景 中編

          「絶景」という体験「絶景」という言葉は、「景色」、すなわち視覚情報による言葉。しかし、本当の絶景は視覚情報にとどまらない感動の体験である。生で見た風景とその写真。同じ感動を味わえるだろうか。絶景は、全身で体感する感動。『瀬戸内の「動く素材」が魅せる絶景』は、全身で地球を感じられる体験だった。 『三分一博志 瀬戸内の建築』を片手に中国地方を一周し、再び瀬戸内に帰ってきた。今回は「瀬戸内の「動く素材」が魅せる絶景 前編」の続編である。ぜひ前編からご覧ください。 『三分一博志

          瀬戸内の「動く素材」が魅せる絶景 中編

          泊まれる産業遺産 135年の記憶伝承

          山陰から山陽へ結ぶ伯備線。乗客のいない静かな車両が深い夜の森を駆け抜ける。 この日、中国地方を一周し、岡山県倉敷市に到着した。暖色の灯りに導かれ、風情あふれる街並みを歩く。少しすると道沿いに巨大な煉瓦の外壁が現れる。看板には"KURASHIKI•IVY SQUARE"の文字。 倉敷と紡績の歴史倉敷は繊維産業で発展したまち。中でも明治21年(1888年)倉敷紡績が創設以来、この紡績工場は倉敷と共にある。工場としてのお役目を終えた今も近代化産業遺産として当時の姿かたちを残して

          泊まれる産業遺産 135年の記憶伝承

          出雲街道の集落を水脈から読みとく

          過ごしやすい場所の条件暮らしやすい場所の条件は何でしょう。 駅が近い、スーパーが近い、地価が安い、などなど。動物としてのヒトの過ごしやすさは二の次になり、エアコンをガンガンかけ、扇風機をブンブン回し、寒い暑いと苦しんでいる。 それでも「暮らしやすさ」は切り離せないから、せめて息抜きに、「過ごしやすい」場所ってどこだろうって考えてみようと思う。 地形散歩今日のテーマは「水脈」 集落は過ごしやすい条件が整った場所を選び、棲みつく。より古くから残る集落や古代人の遺跡は過ごしやす

          出雲街道の集落を水脈から読みとく

          宙吊りの旅館 60年経った今

          建築家 菊竹清訓の名作 皆生温泉東光園に泊まった。 特徴的な白い屋根を目掛け歩みを進める。近づくと足元がライトアップされ、スクラムを組んだ6本の巨大な束の柱が聳え立ち、暗闇に消える巨大な箱を担いでいた。60年もの間、膝をつくことなく、天高く持ち上げている。 到着は、夜中。今夜は皆生温泉に浸かり、朝からじっくり見て回ることに。 余談だが、旧暦でこの日出雲は、神在月。八百万の神が出雲に集い、各地は神のいない月、神無月とされる。出雲で泡となった魂が流れ着き、皆が生まれ変わった

          宙吊りの旅館 60年経った今

          後世に継ぐ「文化の砦」を残したい

          島根県益田市にある島根県芸術文化センター グラントワ。2005年、芸術劇場、美術館が一つになった巨大な複合施設が建設された。人口5万人弱のこのまちには異例の1500席規模の大ホールをもつ。益田市に「文化の砦」を残したい。ここには当時の益田市の澄田市長の強い想いがあったという。 この地でグラントワ設計者の内藤廣による過去最大規模の個展「建築家・内藤廣/BuiltとUnbuilt 赤鬼と青鬼の果てしなき戦い」が2023年9月16日~12月4日にかけて開催されている。建築設計をす

          後世に継ぐ「文化の砦」を残したい

          瀬戸内の「動く素材」が魅せる絶景 前編

          『三分一博志 瀬戸内の建築』を片手に「動く素材」に着目する建築家 三分一氏は、地域の地形や気候を読み解き、風や水、太陽など「動く素材」からヒントを受け、建築設計に組み込む建築家。建築を通して瀬戸内の「動く素材」を伝える。三分一氏の思想が込められた一冊になっている。 三分一博志の自著『三分一博志 瀬戸内の建築』(TOTO出版)を語る動画がTOTOギャラリー・間のYouTubeで公開されている。動画の最後に「この本を片手に瀬戸内海を旅してもらいたい」というメッセージ。言葉通り

          瀬戸内の「動く素材」が魅せる絶景 前編