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不安は人の能力を低下させる

一言でいうと

心理的安全があれば、脳は明晰で創造的になれる

活用シーン

組織マネジメント、心理的安全性、学習する組織、脳力開発、子育て、教育

内容

エモリー大学 神経経済学者グレゴリー・バーンズによる研究
脳イメージングの実験において、
・痛みを処理する脳の部分が不安により活性化されると、探索的行動を行うための神経処理能力がおとろえることを証明した。
・【低強度の不安】は知覚や認知や行動を変化させ、注意力を狭めて潜在的な脅威に注意を向けさせる。
・【高強度の不安】は脳の中で闘争・闘争反応を引き起こし、効果的な認知を一層低下させてしまう。

つまり、不安が神経学的に見て活性化されると、従業員は最善の仕事に必要な種類の分析やイノベーションやコミュニケーションがあまりできなくなる。

『チームが機能するとはどういうことか――「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ』
エイミー・C・エドモンドソン (著)

このお話は一般家庭の子育てや教育から、組織のマネジメントまで、様々なシーンで見られる非常に重要な現象だと思っています。

まず低強度の不安をあたえると、人は注意力を狭める。つまり視野が狭まると言い換えるとわかりやすいと思います。普通なら思いつきそうな「代替案」を思いつけなくなるのです。例えば、イジメやブラック企業での過酷な労働環境の中で、その場から逃げ出すとか、会社を辞めるとか、そういう思いに至らず、命を絶ってしまうケースというのはこういうパターンだと思います。今の苦しみから逃げ出す方法として、そういったことを思いついたら、もう他のことは頭に浮かばないのです。これは異常な状態です。まずは「我に返る」ことが大事です。

日頃から強い関心をもって研究している、親子経営の後継者もまたこの状態に陥りやすいのです。周囲や親からのプレッシャーと、生真面目な「期待にこたえたい」という思いに心が萎縮してしまい、発想の自由度を失い、むしろ良くない方へばかり思考が行ってしまうことがあります。

学校などで経験するいじめも同様です。これが高強度になれば、爆発したり、闘争したりできるのですが、じわじわと行われる陰湿ないじめに対しては、どんどん心がふさぎ込んでいく、というあまり歓迎できない状況に陥りがちです。

本来、周囲がこういった状況をしっかりと見ていて、「場」を作ることができるリーダーがいればいいのです。しかし、リーダーが未熟だと、「場」ではなく、自分の正義を押し付けがちなので問題は余計に厄介になります。
繰り返しになりますが、世の中全体に、心理的な安全性が確保できることを願ってやみません。


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