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僕たちは、商品をほとんど正当に評価していない

一言でいうと

人がモノを選ぶとき、正確に品質で選んではいない。

活用シーン

マーケティング、広告、商品開発

内容

行動経済学者アントニオ・ランゲルの研究。

ジャンクフードを買う時に…
文字や絵の表示から選ぶより実際の商品を見せられた場合のほうが40~61%多くお金を出すことが分かった。
商品がアクリルガラスの向こうに置かれていて実際に手にとることができないと、金を出す意欲が文字や絵のレベルにまで下がることが分かった。

洗剤を使った実験
・ほとんどが黄色の箱に入った洗剤
・青色の箱に入った洗剤
・青地に黄色がちりばめられた箱に入った洗剤
この三つのうち、青地に黄色の洗剤が最も評価が高く、様々な具体的な長所が言われていたが、パッケージに言及するものは一つもなかった。実際の洗剤はどれも同じものだった。

酒屋でのBGMと売れた商品の関係
酒屋でフランス音楽をBGMに流した日には、売れたワインの77%がフランスワイン。
ドイツ音楽を流した日には、売れたワインの73%がドイツワインだった。

ストッキングを使ったニオイ実験
まったく同じ4組のストッキングにそれぞれ違うごくわずかなにおいをつけた。被験者は好むストッキングを選び、その理由を、生地や織り方、感触、光沢、重さなど具体的に指摘したが、ストッキングそのものはすべて同じものだった。被験者はニオイを判断基準にしたことを否定し、ニオイがついていたことに気付いた人は250人中わずか6人だった。

ランゲルは、「人は、商品に満足するかどうかはその商品の品質によると考えているが、実は商品をどう感じるかはその商品の宣伝活動にもかなり大きく左右されてる」と結論付けている。

【しらずしらず――あなたの9割を支配する「無意識」を科学する』
レナード・ムロディナウ (著),

よく言われる話ですが、高級なシチュエーションで、高級そうに見えて、実際高いワインを飲むと、人は「おいしい」と思います。
これは単なる好みの問題というより、ここにあるように味であれ、感覚であれ、一つの感覚では理解していないということが言えそうです。

五感を総合的に判断し、商品を判断する。
だから例えば、フェラーリは見かけや肌触り、運転感覚だけでなく、エンジンなどの音に関しても設計上非常にこだわるという話を耳にします。

逆に言うと、基本構造がたいしたことがなくても、「イメージ」でかなりの部分がカバーできてしまうのです。

そうすると、大企業が、直接的な効果のなさそうなイメージ広告をやっているのもなんとなく納得です。まあ、わかってやってるかどうかは別として、ですが(笑)

そして私たちの行動や選択は圧倒的に無意識に左右されています。
論理的思考は、無意識が決めたことに後付けで理由を作る役割を担っているようにも思えます。ある意味自己欺瞞。自分をだましてまで、その無意識の判断が正しかったかのように思いこませるのです。

となると、です。
私たちが正しいと思い込んでいること、絶対に間違いないと思っていること、それらは実は本当は正しいのかどうなのかも怪しい、と思ったりはしないでしょうか?
思考は現実化すると言いますが、そもそも今目の前にある現実は、自分のバイアスで見ている現実なのかもしれない、という気がするのですがいかがでしょうか。



こんな本、出版しました(^^)/

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