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褒められることに疑いを持つ人々

一言でいうと

理由の分からない成功を体験すると、次には失敗の言い訳ができる状況を無意識に作る。

活用シーン

成功哲学・セルフハンディキャッピング

内容

1987年 心理学者のスティーヴン・バーグラスとエドワード・E・ジョーンズによる実験。

まず、学生たちに難しい試験を受けさせる。
この出来がどうであっても、本人には「満点だった」と伝える。

そこで、彼らに「能力を落とす薬」「能力を高める薬」(いずれもにせもの)と称するものを、次の試験前に選んで服用するよう指示した。

すると、過半数の学生は「能力を落とす薬」を選んだ。

『思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方』
デイヴィッド・マクレイニー (著),

普通、能力を落とす薬と高める薬を提示されれば、「高める薬」を選びそうなものです。しかし、この実験は半分以上が、「落とす薬」を選びました。

その理由は、「自分が失敗した時の言い訳」を用意するためだと考えられています。これでうまくいけば、「自分はこんなハンデを持っていたにもかかわらずやり遂げた」という事で自尊心は保たれるわけです。
どうやら人は、実質的な結果に最善を尽くすというより、自分の自尊心を守るための行動を無意識にとっている可能性はあるのかもしれません。

たとえば、何かを上手にやるには「こうすればいいよ」というアドバイスを受けてもその通りやらない人はけっこういます。(私もその一人・・・)
それはもしかしたら、正しい方法を習ったとおりするよりむしろ、自分流のやり方でやることで自尊心を保ちたいという、無意識から来る欲求があるのかもしれません。


さて、私の考えでは、この実験の学生は、そもそも当初言われた「満点」という結果自体がなかなか受け入れがたいものであったのではないかと推察します。つまり、彼らは自分の評価を他者による評価より低く見積もっているように感じられます。「満点だよ」と言ってくれている人の言葉を、あえて受け入れていない、という前提があるのではないでしょうか。

実は人は、こういった「他人の誉め言葉」を素直に受け入れられないことがけっこうあります。人が褒めてくれているのに、何もわざわざ否定しなくても・・・と思うのに、あえて能力低下薬を飲んで「他者の間違い」を証明しようとする行動に出てしまう。

ここ、素直に受け入れられることができれば、もっと人生は楽になるのかもしれませんね。



ワタシ、こんな本書いてる人です(^^)/

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