somewhere far away
明けてゆく東の空で徐々に薄くなってゆく四等星みたいに、あるいはサイドミラーの中で少しずつ遠ざかってゆくナトリウム灯みたいに、淡く融けて、消滅できたらいいのに。
本当は何もかも全部を覚えていたくて、何もかも全部を知りたくて、でもそれはできないから、少しずつ諦めていくうちに諦める癖がついていって、それで、こんな人間になってしまった。
きみといる夜も、ただ一人でいる夜も、八日目の月はやはり左側だけが欠けていて、憎らしい。俺はその左側の空白を埋められぬまま、のうのうと生きてやが