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【おもちゃの缶詰】みたいなnoteを目指します。多芸なのか器用貧乏なのか、後者にならな…

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【おもちゃの缶詰】みたいなnoteを目指します。多芸なのか器用貧乏なのか、後者にならないよう頑張ります。 「硬い記事」と「柔らかい記事」をカオス状態でお届けします。

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  • 早く気づいてあげて「発掘」

    ビュー数とかスキ数とか関係ないんです。玉石混交の膨大な数の記事群に埋もれた、わしがあぁいいなと思った素晴らしい記事を御紹介します。いやいや、もっともっと読まれるべきでしょ?という、できるだけみなさんに気づかれていないものを御紹介していきたいです。おせっかいですまん。

  • 注釈男 世界は踊る(完結)

    アイデア一発勝負の小説らしきもの

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【エッセイ】あの夏の日、名画座で僕の手は

高校2年の夏休み。 男子校で彼女も作れずに暇を持て余していた僕は、中学からの腐れ縁である同級生のKに誘われて、街のはずれにあるちっぽけな名画座に映画を観に行った。 Kは、気が良くて友達が多いやつだったけど、僕と特別に気が合ったのか、休みになるとしょっちゅう遊びに誘ってきた。 観た映画は、もうタイトルさえ忘れてしまったけれど、当時流行っていた死者が蘇る系のイタリアかどこかのB級ホラーだった。 ガラガラの映画館の真ん中に陣取った僕らは、楽しそうにイチャイチャしているカップル

    • 【童話大戦争】① 三軍VS西洋軍 蹂躙(予告)

       戦場に降り立った西洋童話界の大軍勢を目の当たりにして、日本童話界の三軍は声を失った。  西洋軍は、既に自分達の圧倒的勝利を確信しているのだろう。  無造作に、防衛上不利であるはずの大平原のど真ん中に本陣を置いた。  場違いな静寂が戦場を支配する。  呆然と立ち尽くす三軍の兵士たちに対して、西洋軍の戦士たちは余裕の表情で泰然と構える。  空では、箒に跨った数百人の魔女軍団が見事な隊列を組んで悠然と旋回している。  そして、そのさらに上空では数十匹に及ぶドラゴンたちが翼を優

      • 「#もしもの備え」応募作品が入賞しました

          みなさん、こんにちは  「#もしもの備え」に応募した作品が入賞しました。  読んでいただいたみなさん、J:COM地域取材ノートのみなさん、note公式のみなさん、ありがとうございました。    東日本大震災という非常に思い出深い出来事を書いたエッセイでしたので、本当に感慨深いです。    これからも折に触れて、「何でもないような事が幸せだったと思う」と口ずさんでいくことと思います。  いつまでもみなさんの平穏な日々が続きますように。

        • 【短編】完全なる悪の存在

           幼い頃、両親に見捨てられ、路頭に迷ったその男は、必死に愛する人からの支えを求め続けた。  しかし、信頼していた親友に全財産を騙し取られ、心から愛した恋人からも手ひどい裏切りを受けた。  深い悲しみの中、男は神に救いの手を求めたが、神は沈黙したままだった。  そして、男は絶望のあまり、完全なる悪の存在になることを心に決めた。  人から傷つけられるくらいなら、人を苦しめる側になってやろうと考えたのだ。  まず男は、自分の感情を排除しようとした。感情があっては悪に徹しきれない

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        【エッセイ】あの夏の日、名画座で僕の手は

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        • 早く気づいてあげて「発掘」
          83本
        • 注釈男 世界は踊る(完結)
          10本

        記事

          【童話】 ぷるんtoとげとげ/もうひとつのエンディング

           ぷるんがとげだらけになってしまってから、百年の月日が静かに流れました。  ぷるんは、木々が鬱蒼と生い茂った森の小さな草むらで、ひっそりと暮らしていました。  大昔に、ぷるんが柔らかで美しくみんなから愛されていたことを、今では誰も知るものはおりません。  森の動物たちは誰もが、ぷるんを森の奥に住んでいる恐ろしい生き物だと思っておりました。  満月の夜になると、ぷるんがギギギギ、ガガガガと不気味な音を立てるので、誰も近づこうとはしませんでした。  ある日、ぷるんがアリの行進

          【童話】 ぷるんtoとげとげ/もうひとつのエンディング

          【グルメ】「シーラカンスモナカ」が手に入らないって?

          「シーラカンスモナカ」知ってますか? Yahoo!が2022年12月22日に発表した“AIが予測した2023年ヒットアイテム10選”に選ばれて人気に火がついたお菓子です。 いや、本当に人気が爆発したのは、2023年5月に羽生結弦選手がアイスショーの共演者に「シーラカンスモナカ」を差し入れたという話題が流れてからでしょう。 「シーラカンスモナカ」は、仙台の名パティスリー「Kazunori Ikeda」氏が手掛けています。十勝産小豆で作ったあんこで、ゲランドの塩を効かせたフ

          【グルメ】「シーラカンスモナカ」が手に入らないって?

          「【童話大戦争】桃VS浦VS金」を読んでいただき感謝

           今まで何度か「先週特にスキを集めた」記事の通知を受け取ったことがありますが、今回のこれが一番嬉しいのです。  なぜなら、書きながら自分がこんなにワクワクしたことがなかったからです。書いていて楽しいというか、筆が走るというか、とても不思議な感覚でした。  もちろん、小説としては稚拙であることは承知しています。  Noteには素晴らしい小説の書き手がたくさんいらっしゃるので、その方々がこのストーリーで書いたならもっと面白い小説になるでしょう。  でも、初めて感じた感覚の中

          「【童話大戦争】桃VS浦VS金」を読んでいただき感謝

          【童話大戦争】⓪ 桃太郎VS浦島太郎VS金太郎

          (あらすじ)  日本童話界の重鎮たちが次々と不審な死を遂げる。桃太郎、浦島太郎、金太郎は、好機到来とばかりにそれぞれが日本童話界の覇権を手中にすべく動き出す。  一方、全面戦争への不穏な空気が日本中に立ち込める中、平和な世界を望むレジスタンス組織が秘密裏に立ち上がる。かぐや姫を指導者に全国から童話の主人公たちが参集し、ゲリラ戦に果敢に挑もうとしていた。  三軍がにらみ合い、いよいよ決戦の火蓋が切られようとしたそのとき、突如現れたのは西洋童話界の大軍勢だった。圧倒的戦力を誇る西

          【童話大戦争】⓪ 桃太郎VS浦島太郎VS金太郎

          【童話】ぷるん to とげとげ

           これはむかしむかしの大昔、人里離れた深い山の中のできごとでございます。  森の奥深くにひっそりと隠れた小さな草はらに、「ぷるん」という美しい生き物が住んでおりました。  ぷるんは、キャベツくらいの大きさでまん丸い形をしておりました。そして、その身体は柔らかく半透明に透き通っていて、薄い虹色にきらきら光っておりました。  ぷるんには大きな目と小さなお口がついておりましたが、手足は生えておりませんでした。嬉しいことがあると、ぷるんの身体は小さく波打ち、よりいっそう強く虹色

          【童話】ぷるん to とげとげ

          誰かと確かに観た

          先日、テレビの深夜放送で懐かしい映画が放送されていた。  15年くらい前に妻とデートをした時に観たフランスの恋愛映画だった。  「これ、映画館で一緒に観たよな。懐かしいな。」  一緒にソファーに座っていた妻に話しかけると、怪訝な顔をされて、  「は?私、この映画観たことないよ?誰かと間違えてるんじゃない?」 と若干キレ気味に答えられた。  「あれ?そうだっけ?俺の勘違いかな?」 とブツブツ嘆きながらその場をやり過ごした。  でも僕の記憶では、僕は確かに女の人と

          誰かと確かに観た

          【レビュー】 原作どおりが気持ちいい 「カラオケ行こ!」

           ちょっと前の話になりますが、2月12日に映画を観てきました。山下敦弘監督、綾野剛・齋藤潤W主演の「カラオケ行こ!」です。  公開日は1月16日なので、公開から1か月も経ってるので空いてるだろうなと思って行きました。そもそもわしはガラガラの席で映画を観るのが大好きなのです。  ところがですよ。2日前にネットで席を予約した時点で3割の入りだったのに、当日はほぼ満席の状態でした。公開から1か月も経つのにこんなに客が入るというのは嘘偽りなしの「大ヒット上映中」ってやつです。パン

          【レビュー】 原作どおりが気持ちいい 「カラオケ行こ!」

          【東日本大震災】何でもないような事が幸せだったと思う

          今日で東日本大震災が発生してから13年目になる。  この日から、僕の頭の中ではある歌の切れ端がリフレインされることになった。  「何でもないような事が幸せだったと思う」  THE 虎舞竜の「ロード~第二章」の一節だ。  長い歌詞の中で覚えているのはこの部分だけだ。  13年前、14時46分、僕らには大自然の脅威に立ち向かう術(すべ)はなかった。  僕は、仙台市の中心部で働いていたので津波の被害に遭うことはなかったけれど、ラジオのアナウンサーが引き攣った声で「

          【東日本大震災】何でもないような事が幸せだったと思う

          【クイズ】サビを翻訳でドン!【上級編】

          さて、久しぶりの音楽クイズです。 今回は上級編ということで難しいですよ。 問題は、上級編4問+ぶっ壊れ翻訳のおまけ2問 有名な歌のサビをGoogle Translateを使って、 日本語→英語→サモア語→日本語と翻訳します。 元歌を当てておくんなまし。 【問題編】 (1問目) キャラクターヒカル たぶんそれはあなたが望むものです 目を瞬いてみろ みんなが見てる キャラクターヒカル たぶんそれはあなたが望むものです (2問目) 接続して開く 手をとって繋いでみよう

          【クイズ】サビを翻訳でドン!【上級編】

          【500字小説】人間ドッグの恍惚と不安

           とうとうバレちまった。  田中の野郎が、俺が人間ドッグに間違いないと大騒ぎしたせいで完全にバレた。  お前が会社の試用期間終了ととも解雇されたのは、俺がお前の借金を会社にチクったせいじゃねえ。解雇の理由は、お前の社会人としての能力が致命的にお粗末だったからだ。借金なんてオマケみたいなもんだ。  それなのに、あいつは逆恨みして俺の事を会社中に触れ回って去っていきやがった。  会社も冷たいもんで、バレたらもう「犬」として使えないから、俺は「人間ドッグ」業務から外された。当然

          【500字小説】人間ドッグの恍惚と不安

          【500字小説】人間ドッグのお誘い

          今朝、「人間ドッグ」を希望する者を募る社内一斉メールが届いた。 今回は特に、40歳以下の社員の応募を求めているようだ。 しかし、誰一人として申し込もうとする者はいない。 二か月前に入社した新人の田中クンが 「え~、ただなら僕希望しようかな。」 といつものように薄ボンヤリと呟いているのを聞いて、俺は老婆心ながら教えてあげることにした。 「田中、それ、人間ドックじゃないぜ。」 「へ?」 「ちゃんと読めよ。『人間ドッグ』って

          【500字小説】人間ドッグのお誘い

          【小説】 飛びます 飛びます(最終回)

            志津香が涙をこらえながらぽつりぽつりと話し始めた。  「結婚して、夏美が生まれて、芸能界のお仕事も順調にいっていたのに、私はそれに満足できなかった。だから夏美が3歳になったときに、あなたに協力をお願いしてもっと上のポジションを目指したの。でも、せっかくあなたに協力してもらっているのに、逆に仕事は減ってしまって…。申し訳なくて、情けなくて、焦った馬鹿な私は、仕事をもらうために……してはいけない選択をしてしまったんです。」  そう言うと志津香の瞳からまた大粒の涙がこぼ

          【小説】 飛びます 飛びます(最終回)