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新年のご挨拶2024


1.防災のために

「あけましておめでとうございます」と、新年のご挨拶をしようと思うまもなく、能登半島で大きな地震が起こり、さまざまな被害が出ているようです。これ以上被害が広がらぬよう、被災された方のご無事を祈ります。

昨年も、世界中でさまざまな事故や災害が起こりましたが、その原因がどんなモノであれ、人々のささやかな幸せや笑顔が失われるのは大変心が痛みます。

人の業では止められぬことも多々ありますが、人の業で少しでも軽減できることや回避できることであるならば、そのために協力し合うのが人間というものでありましょう。

国内の防災事情に関して言えば、財政悪化を理由に、日本中のインフラ整備(保全)がほとんど進まないままに数十年が経過していますが、そのしわ寄せと綻びがあちこちで現われてきています。

道路が陥没し、トンネルの天井が剥がれ、橋が通行禁止になり、水道橋が落ち、発電所は耐用年数を超え、赤字路線が廃線となり、ありとあらゆる施設が老朽化して、災害のような何か少しでも大きな衝撃が起こるだけで、さまざまな被害が出てしまうような、そんな状態になっているのが日本の現状です。

インフラ投資は儲からない。教育(子育て)投資も儲からない。赤字になるのでやりません。

簡単に言えば、それが政府の言い分なんでしょうが、もう完全に国家運営と会社運営というものを取り違えてしまっているとしか思えません。

通貨発行の主体である国が、どうして民間からお金を稼ぐ必要があります?

「稼げるインフラ」って、通行税でも取るつもりでしょうか?
「稼げる教育」って、子どもに労働でもさせるつもりでしょうか?

「稼げる介護」って?
「稼げる水道」って?
「稼げる国家」って?

きちんと考えたら、「それは何かオカシイ」と思い当たることです。

親が家庭で子どもたちから金を巻き上げて「稼いで」いたら、それはオカシイでしょう。親父は家庭内では払う一方の赤字で良いんです。

そこは見返り云々ではなくしっかり投資をしていくべきところであるはずです。それが共同体の幸せにつながるのですから。

2.グローバリズムからの脱却

新年の挨拶を書くに当たって、昨年の新年の挨拶を読んでみたら、「グローバリズムの終焉」ということについて書いていました。

あれから1年経って世の中の情勢を見ると、「終焉」に至っていないどころか、むしろ生き残りをかけて活発に動いているようにも見えます。

すべてを真っ平らにして、交換可能な状態にして、極めて合理的な大きな一つのシステムとしての人間社会を立ち上げようというグローバリズム的思考は、非常に危うさを孕んだ思想だと思うのですが、その魅力に突き進んで行ってしまうのもまた人間というもの。

日本政府もすっかりそんな気分でいるようですが、ペトロダラー体制が崩れつつある中、いつまでも変わらぬそんな気分でいると、世界から相手にされなくなってしまいかねません。

3.ガラパゴスで行こう

ハッキリ言って日本はガラパゴスです。でも私はそれで良いと思っています。ガラパゴスだからこそ世界で貴重な存在でいられるのです。

たとえば「空気を読む」なんていういかにも日本人らしい腹芸は、海に隔てられてガラパゴス化した日本列島だからこそ培われてきた、「特異な習性」であるでしょう。

初めて見る人間に敵対心を抱くことなく親切にしているうちに、根こそぎ財産を取られて絶滅してしまいかねないお人好しな日本人は、まさにガラパゴス的生き物に思えてきます。

現在のガラパゴス諸島は、その個性豊かな生態系を維持するために徹底した閉鎖政策を取っています。靴に付いた泥さえも許されません。

ある意味、グローバリズムが席巻する世界にあって、グローバリズムに徹底して抗う「砦」のようです。

そのおかげでガラパゴスの生き物たちは、未だに人間に対して警戒心を抱くことなく、目の前まで近づいても逃げることなく(2m以内に接近することは禁じられてます)、ほどよい共生関係と今までの暮らしを維持できているのです。

「これからは自由競争だ」なんて言って、いろんな外来種がワッと入り込んできたら、警戒心を抱くことなく相手を信頼するような種はたちまち絶滅するでしょう。

そうなれば、その個性豊かな生態系はたちまち壊滅して、どこかで見たような種が闊歩する、何の特徴も無い島へとなっていってしまいます。

グローバル化ってそういうことですけど、それは本当に私たち日本人の幸せに貢献することなのですかね? 日本中どこへ行っても、どこかで見たような光景ばかりが広がる街づくりが、私たちの望む国づくりなのでしょうか?

この世界の価値は「金になる」ことだけではないはず。ましてや「売り払って金にする」なんていうのは、国のやることとして愚の骨頂です。

そんなこんなで、最近ガラパゴスの勉強をしたくなってきている私ですが、本年もどうぞよろしくお付き合いいただければ誠に幸いでございます。

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