判断が早いことは必ずしもいいことではない。すぐに結論を出そうとすることは、大きな間違いを許してしまう原因となる。判断や結論がないことは心理的に辛いから、私達は単に「楽になりたい」というだけで急いでしまう。

　そのように心理的な負荷を軽くしようとするのは悪いことではないが、実際にそれで軽くなるのは心理的な不安だけであり、もちろん問題解決になるとは限らない。
　むしろ、焦ってしまうことによる不利益を私達は軽く考えがちである。それは当然に不完全で、不平等で、不親切で、不明瞭だ。始めから「はやさ」を求めているのならまだしも、そうではないのに、単に心の負担を軽くしたいからはやいほうがいい、と思うのは浅はかである。

　はやさには、はやさなりの理由があることを意識せねばならない。そして大抵の場合、そういったことを考慮せずに、単に自分が辛いことが嫌だから、結論をすぐ出したり、判断を決めつけたりしてしまう。
　その不幸せに、私達は気づくべきだ。自覚的になり、できることならそのような結論や判断をきちんとコントロールして出せるようにならねばならない。

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