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悪を罰し、滅してやろうという悪感情に飲まれない

 処罰感情に振り回されてはならない。たとえば、長蛇の列に横入りする輩、誹謗中傷を繰り返す迷惑者、衛生管理の行き届かない飲食店、女子供に暴力を振るう悪漢……悪い人々はいる。いくらでもこの世に存在する。法律や決まりを守らなかったり、破ったりすることは珍しくない。確かにそれは良くないことだし、罰を受けねばならないと決められている。
「あの人は悪い」。その悪を憎む感情は当然である。それ自体は普通だ。人に備わった善なる心である。
 しかし、なんとかしなければならない、野放しにしてはいけないと考えること、それは処罰感情だ。この感情は少し、悪を憎む感情よりは行き過ぎている。なぜならこの感情は、他者への干渉を含むからである。その「悪」を、滅さねばならないと思う過激な感情だからである。
 処罰感情を振り回すことには、反対せねばならない。悪人だとしても、他者にそこまでの感情を抱き、干渉しようとすることはまさに悪と言っても過言ではない。自分ではなく、他者を傷つけることは気持ちが良い。そう思ってしまう心の悪に、私達は抗わねばならない。

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