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創作者は神ではない。創作は想いである。

 創作とは幼稚なものだ。掛け値なく。絶対に。
 なぜなら幼稚でなければ成り立たないからである。だから創作者とは総じて幼稚であり、未熟である。

 もちろん、そのままの意味ではない。いや、そうなのだが、つまるところ創作とは創作者の「こうしたい」という想いを明らかにするものということである。こうしたいという気持ちがある以上、それはまだ発展途上であって完成していない。まだまだ成長できるし、それこそが創作物としての面白さの核であるから、それは幼稚であり未熟でなければならないのだ。

 そして、「こうしたい」という想いは頑なである。そうでないものは創作にまでは至らない。頑なな「こうしたい」が創作になる。加えてその想いは、その創作者だけの、何にも代えがたい、とても重要な、動かしがたい想いである。
 そのため、これを他人が理解することも受け継ぐこともできない。その人のもの。ならば、その人がそう想うことにこそ価値があるからだ。想いと想う人は切っても切れない。創作と創作者のように。

 創作とは幼稚なものである。だってそうだからだ。そうでなければ創作は成り立たない。もしそれをして「大人になれ」と言われてしまうのなら、創作というものは消滅してしまう。少なくとも歩み寄ることはできるかもしれない。でも根本的に幼稚で、未発達で、未成熟なものが出発点なのだ。
 創作と創作者は時として尊いものとして、人々の感動の原点としての信仰を受けることがある。しかし立ち返ってそれは、あるいは個人的な「こうしたい」という未熟な想いの1つでしかない。
 そのことを忘れることは、創作の本質を見誤ることである。

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