見出し画像

スコアを5打縮める為のフットゴルフマネジメント ~絶対飛距離を使ってマネジメントを考えてみる~

~前回の記事はこちら~


~頭の中で仮想コースを設定する~

前回の記事で、”絶対飛距離”というものを認識して頂いたと思いますが、これがどのようにマネジメントに影響するのかを簡単なシミュレーションで体感頂きたいと思います。

まず、頭の中で仮想コースを設定していきましょう。このときの距離はいくつでも良いので、本記事をご覧頂いた後に、皆さんの頭の中で別のコースを作って何回かシミュレーションして頂くと良いと思います。なお、ここではとりあえず簡単にマネジメントを体感頂くことだけを目的としていますので、今回のホールはOBもバンカーもアンジュレーションもない、真っ平な140ヤード、パー4ということにさせてください。そして、蹴るのは私ということにします。


~ティーイングエリアで最初にやるべきこと~

それでは具体的なマネジメントにいきましょう。以前の記事で、マネジメントは、「カップからの逆算である」と書きましたが、皆さんはまずはティーキックをどうしますか? ここで、「とにかく思いっきり飛ばそう」と思った方は残念ながら間違いなのですが、そんな方こそ、マネジメントを覚えることでスコアが劇的に良くなりますので、騙されたと思って最後までついてきてください(笑)。

まず、ティーイングエリアに立ったら、「このホールを何打でホールアウトするか」を考えましょう。今回の仮想ホールは、140ヤードのパー4ですので、140ヤード蹴れる人は、2打で上がることを目標にするかもしれませんし、50ヤードしか飛ばない人は、4打でのホールアウトを目指すことになると思います。このように、目標とするスコアとカップまでの道筋は、選手が持っているキックの種類や飛距離によって千差万別ですので、他の人と同じようにプレーする必要はありません。よく、一緒の組で回っている選手に影響されてしまい、本来の実力とは違う方法でプレーしてしまう方がいますが、「相手より飛ばしたい」、「相手があのルートを選択したから自分もそちらのルートを選択しよう」等と考えてプレーしていては、良いスコアは出せません。そもそも、相手が持っている絶対飛距離はあなたの絶対飛距離とは違うはずなので、同じルートを通るほうが不自然なのです。周りに惑わされずに、自分の技術を信じてマネジメントしていきましょう。

また、2打で届くからといって、イーグルを狙いに行きたくなる人もいると思いますが、目標を高く設定してしまうと、達成できなかったときに失望や焦りを生んでペースを乱しかねないばかりか、ムリにイーグルを狙ってミスをしてしまった場合に、バーディーすらも難しくなってしまいますので、目標スコアは現実的な打数で設定するよう心掛けてください。イーグルパットは入ったらラッキーと思うくらいがちょうど良く、「ムリをしない」のも、マネジメントのうちの一つです。


~目標スコアが決まったら、使うキックを考える~

目標スコアが決まったら、いよいよカップからの逆算に入ります。今回は、実際にカップからの逆算を、私の絶対飛距離を使って考えてみましょう。私の絶対飛距離は以下の通りです。なお、私は女子プロゴルフのトーナメントディレクターという立場でプロゴルフトーナメントの運営に携わっていたのですが、仕事の都合でどうしても必要だった為、1歩≒1ヤードの絶対距離を体が完全に覚えるまで練習しましたので、1ヤード≒1歩として考えてください。

画像1


今回の仮想ホールは140ヤードですから、2打でカップに到達し、3打目でバーディーを狙うことになります。では、具体的に使うキックはどれが良いでしょうか。

考えられるキックの組み合わせは、以下の通りです。

一打目/インフロントキック②90歩 + 二打目/インサイドキック②50歩
一打目/インステップキック②100歩 + 二打目/アウトサイドキック②40歩


現時点では、どのキックが成功の確率が高く、どれが苦手かということは定義しておりませんので、どちらを選んでも正解です。ただ、実際には、ほとんどの方が、アウトサイドキックよりインサイドキックのほうが正確に蹴れるはずですので、この二つのどちらかを選択するということになると、上のほうのキックの組み合わせを選ぶ人が多くなると考えられます。また、カップからの逆算という意味においても、二打目をきっちりと寄せられる(もしくは万が一ラッキーでカップインしてしまう)インサイドキックで考えて一打目を選択するというのが、正しい選択だと思います。

ちなみに上の組み合わせを見てもわかる通り、ティーキックは必ずしも一番飛ぶキックを選択する必要がないということはご理解頂けたのではないでしょうか。

このように、都度、そのときの状況に応じて、自分のキックを選択していくのがマネジメントの基本になります。

画像2


なお、今回のシミュレーションでは他選手の状況を加味する必要はありませんが、実際の試合では必ず相手がいて、優勝を目指してプレーすることになりますし、自分があり得ないミスをする可能性もありますので、マネジメントは、周りの選手の状況まで踏まえて判断する必要があるということは覚えておいてください。特に、優勝争いに加わる中での終盤のプレーは、想像を絶する緊張感の中で闘わなくてはならず、どんなにうまい選手でも必ずミスは起こします。

2018年12月にモロッコで行われた第三回フットゴルフワールドカップでも、最終日最終組のフライトメンバーは、優勝したマティアス・ペローネを除き、後半になればなるほどスコアを崩し、自滅していってしまいました。以下動画は、アレクサンダー・リッチャー(フランス)のNo.15パー3の二打目ですが、寄せきれずに結局このホールをボギーとして優勝争いから脱落していっています。


世界のトップオブトップと思われる彼らでも、優勝争いの最中にはミスをするわけですから、ミスはするものと思ってマネジメントするほうが、順位は安定するはずです。

ちなみに、優勝争い真っ只中におけるマネジメントについては、優勝スコアの予測をすることで劇的に優しくなるのですが、長くなるのでまた別の記事にまとめさせて頂きます。

~次回の記事はこちら~


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?