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キャリアを豊かにする地図とコンパスを持つ〜マネプロ#35

こんにちは!
DeNAでHRビジネスパートナーをしている坪井(@tsubot0905)です。

マネジメントの進化を探求するnote
『マネプロ』は今回が第35回目です。

このマネプロnoteのシリーズでは、5分で分かりやすく学べるシンプルな構成と、相手とのコミュニケーションで使えるようなシンクロしやすい問いを意識した内容を心がけています。

さて、#33からキャリア編に突入したマネプロ。

キャリアについて、Will(やりたいこと)・Can(できること)・Must(やるときめたこと)の視点で探求を進めてきました。

キャリア相談の話になると、MustよりWillやCanの話題になるケースが多いので、今回はWillとCanに関連した内容を書きたいと思います。

目次はこちら!

<私って、何ができて、何がしたいんだ?>

キャリアについて考えるとき、
中心となる話題はけっこう共通しています。

私も含めですが、多くの人は、「できること」と「やりたいこと」を軸に出てきた問いを考えるのではないでしょうか。

そもそも、自分にできることってなんだろう?
やりたいことってなんだろう?

であったり、

次どこへ行けば、できることが増やせるだろう?
もっとやりたいことをやるにはどうすれば?

こういう問いって、意外と体力が要ります(笑)

ぐるぐる考え込んで気づいたら何も手を打たないまま季節が移ろっていた…。なんてこともあるのではないでしょうか。

あぁ、キャリアの地図でもあれば
もう少し迷わず進めるかもしれないのにな…

私もそう思った時期はありました。

そういう時に助けとなるフレームワーク。
今回はキャリアの地図とコンパスを紹介します。

<大まかな現在地と方角を知る>

迷った時、最初にすべきは、現在地の把握です。

自分がどこにいるのかを知らなければ、次どこへ向かうか自信をもって決めるのは困難になります。ですからキャリアのMAPがほしいわけです。

そこで、キャリアのポートフォリオを考えます。

いま自分がしている活動は、仕事の4章限(ライトワーク、ライスワーク、ライクワーク、ライフワーク)のどこに当てはまるのか。

その上で、どこに向かって進むかを考えればOK!
これについては次の章で詳しく見てみましょう。

続いて、現在地がなんとなくわかっても、どの方角へ行けばいいのかわからないと手の打ちようがありません。今度はキャリアのコンパスが必要。

いろんなことに挑戦して幅広い経験をすべきか。
それとも、1つに絞り経験を積み重ねるべきか。
悩みますよね。

そういう時に指針となるのが、VSOP理論です。

かんたんにいうと、20代、30代、40代、50代はこんな方向性で経験を積むといいよ、というありがたい目印となる考え方です。

後ほどの章で詳しく掘り下げます。

<キャリアの地図となるポートフォリオ>

縦軸にCan、横軸にWillを置いてつくった
マトリックスをポートフォリオとして扱います。

今の仕事がどこに位置づくか考えてみましょう。

Canに関しては、主観で構いません。
自分が「未熟」だと思うか、
「熟練」していると思うかで判断しましょう。

Willは、自分が前のめりにやれているかどうか。
「主体的」か「受動的」かを振り返りましょう。

注意点は、一言に仕事といっても、
会社でいくつかの役割を担っていたり、
副業(複業)をしている方もいると思います。

私の場合は、大きく分けて、
HRBP、コーチ、マネプロが現在の活動です。
これらを分けて考えてみてください。

それぞれの活動(仕事)は、
図の4章限のどの辺にくるだろうか?
と考えてみるイメージです。

では、4つの領域についてそれぞれ説明します。


< ライトワーク >


自分の強みや好きをつくるフェーズ。

やりたいかどうかはっきりしないし、できているとも思えない。
入社1年目や異動したばかりの方だと、こんな感覚かもしれません。

成功や失敗の体験が大事な期間です。
経験が増えれば、右か上に移動するはず。

一方で、軽やかにフットワーク良く挑戦できる状態でもあります。新参者は大目に見られやすいですし、始めたばかりのことは上達もわかりやすいですからね。ボーナスタイムとも言えます。

< ライスワーク >


好きになる意味を見い出すか、
好きを別に探すかというフェーズです。

強みを活かして役割や期待に応えており、仕事で給与に見合う価値は出せている状態。一方で、仕事の中で好きを見つけて前向きにはなれてない。

収入のためと割り切って坦々とこなし、他で趣味を楽しもうとしたり、あるいは、好きになろうとあれこれ工夫したり。そんなことを考える時期ってことですね。

< ライクワーク >


「好きこそものの上手なれ」
の精神で仕事ができている状態です。

一方で、まだバリューは出しきれておらず、貢献は部分的。力をつけて得意にするか、趣味など別の形で関わり続けるかを模索するフェーズです。

< ライフワーク >


好きな仕事を通じて強みを活かせている状態。
本人は天職とも感じるのではないでしょうか。

仕事に自然と没頭しているので、仕事と私生活の境目も曖昧になる。
ライフとワークが融合しているフェーズになっているはずです。

私の場合、HRBPの仕事はライフワークですね。

=====

あなたの活動がそれぞれどこに位置しそうか、
知ることはできたでしょうか?

それができたら今度は、
現在地がしっくり来る位置かを考えてください。

たとえば、私にとってマネプロはライクワークの領域にあって、それでしっくりきています。だから、これでいい(もちろん、たくさんの人に読んでもらえたら飛び跳ねるくらい嬉しいです)。

一方、コーチの仕事は好きだけどまだまだ未熟。コーチングの世界は歴史も長く学ぶことが深くて学びがいがあります。これは、今はライクワークの位置だけど、ライフワークにまで持って行きたいもの、と捉えています。

このように自分のキャリアを棚卸して、現在地と方角を整理できるだけで、頭の中がスッキリするはずです。


<副業と複業はどこに当てはまる?>

例として、副業/複業について、
先ほどの4章限で考えてみましょう。

まず、副業。
こちらはライスワーク的ですよね。

基本的には、副収入を得ることを目的としています。本業で活かせるスキルを培う、と考えている方もいるかもしれません。

できることで稼ぎを増やし、自由度を高め、最終的にはしたい仕事をつくってライフワークへ。そういう志向であれば、左上から右上へと移動する動きにもなるのが副業と言えます。

一方、複業はどちらかと言えばライクワーク的。

好きなこと、やりたいことを入り口に、他者へ貢献できることを増やしてライフワークへ。右下から右上へ、というイメージですね。

複業についての探求は『複業の教科書』の著者、複業研究家であり起業家でもある西村創一朗さんと対話をしました。#37のマネプロで公開予定なのでお楽しみに!

副業や複業をしやすくなった世の中だからこそ
キャリアの地図となるポートフォリオは多様な描き方ができる時代です。

CanからWillを生みだすか。
WillからCanを磨きこむか。

あなたらしいキャリアの歩み方を決めましょう!

<キャリアのコンパスとなるVSOP>

キャリアの地図について話してきたので
今次はキャリアのコンパスの話に移りましょう。

“どういう方向性でCanを積み重ねていくか”
を考える時に参考になるVSOP理論を紹介します。

VSOP理論は、
1978年に出版された
脇田保著『自立人間のすすめ』
という本で提唱されたものです。

40年以上前の話だったなんて、驚きですよね。

当然、現代と外れる部分もあるかもしれません。
ですが、フェーズの分け方としては参考になると思います。

VSOPはバラエティ、スペシャリティ、オリジナリティ、パーソナリティの頭文字を取っています。

一つずつチェックしてみましょう!

< V:バラエティ >


20代で追いかけるべきとされているバラエティ。

何事も熱量を持って、いろんなことをたくさん頑張る。とにかく量稽古。量×量×量が質を生みます。機会があれば好き嫌いせず、精力的にあれこれやってみることです。

仕事の報酬は仕事という、
経験の多様性を大事にするステージ。

負荷のかかる大変なステージですが、できることが増えると視座が上がるので、自然とやりたいことも見えやすくなります。

逆に言えば、視座が上がらないと真にやりたいことは見えにくいのでがんばろうってことです。
ファイト!

< S:スペシャリティ >


30代は、スペシャリティ。
専門性を高めるステージです。

T型人材というキーワード。
聞いたことがありますか?

社会人になって、まずは様々な経験をして幅を広げる(Tの横線)。そして、あるタイミングで自分が何を深めるかを決める。そうすると、縦の線が伸びてT型人材になれる、というもの。

Vの時期で量稽古をしているからこそ、一つの専門分野に精通したうえで広い知識も有しているのがT型人材

ちなみに、最初から専門が確立している場合は、I型人材と呼ばれ、2つの専門分野を持つ場合は、Π型人材と呼ばれたりします。

< O:オリジナリティ >


40代は、オリジナリティ。
独自性を高めるステージです。

専門性を増やして、掛け算することで独自性へと磨きをかける。検索でキーワードが増えれば検索結果が絞り込まれるように、あなたの強みが増えるほど被りがなくなり、替えの効かない人材になります。

あなたらしいキーワードの掛け算が
独自性を育むことにつながります。

< P:パーソナリティ >


50代は、パーソナリティ。
人間性で仕事をしているステージです。

もはや高めるというよりは、あるがままに働いている感じでしょうか。行動するdoの価値ではなく、存在するbeの価値が際立っている状態と言えます。

私のイメージだと野球界でいえば新庄監督、サッカー界ではキングカズこと三浦和良選手。お二人とも実績はもちろん凄いのですが、監督や選手としてちょっとした話題でもメディアに取り上げられることってありますよね。

これは2人の存在感。
プレゼンスの高さがなせる技ですね。


以上がVSOPの話でした。

あなたのコンパスは、
どの方向性を志向していましたか?


<ライフワークの先にあるキャリアとは?>

最後にこんな話で締めくくろうと思います。

『7つの習慣』が全世界でベストセラーとなった、
スティーブン・R・コヴィー博士の遺言、ご存知でしょうか?

書かれていたのは、たった一言でした。

“Habit 9: Leave This World Better Than It Was When You Got Here.”
(第9の習慣:生まれた時より、より良い世界にしてこの世を去る)

私としては、あぁ、これこそ
ライフワークの先にあるキャリアだな
と感じる言葉でした。

ライフワークの先には、
「社会を明るく照らす仕事」
としてのライトワークがある。

自分のWillとCanだけでなく、世界に貢献するというMust(使命)が交わった形。これこそが、本当の意味での天職なのかもしれません。

<今回のQuestions>

以上が35回目のマネプロでお届けしたかったコンテンツでした!
いかがでしたでしょうか?

ということでマネプロ恒例、最後の問いです。

今回のテーマを通じて、リーダーやマネージャーの方々に問いかけたい4つの質問を選びました。忙しい皆さんの思考の整理と、新たな行動の後押しになれますように!


<次回にむけて>

今回は、「WillとCan」に注目してお伝えしてきました。最終的には、Mustともつながって、お後がよろしい感じになったのではないでしょうか笑。

さて、次回はその道のプロに4つの切り口から聞いてみたシリーズの第4弾です。テーマはズバリ、「キャリアの加減乗除 〜働き方の進化〜」です。

『「組織のネコ」という働き方』『組織にいながら、自由に働く』などの著者・仲山進也さんにお話を伺ってきました!

次回は2週間後の水曜日。お楽しみに!
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最後まで読んでもらえて嬉しいです。
ありがとうございました!

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@tsubot0905

2022年から「変化をリードするコーチ」として社外のリーダーへのコーチ業も取り組んでいます。HR経験者限定のコーチコミュニティも運営中です。ご興味ある方がいたら連絡くださいね!

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