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愛人麗奈21 最終話エピローグと後書き

はじめに

 当作品は「裏社長大河の悪魔版就職斡旋社1話」で使用したストーリーを再構築し大幅にアレンジして加筆修正したスピンオフ的作品です。
「裏社長大河」シリーズの時と状況設定などが大きく異なる場面もあります。
もはや別作品と解釈してお読みくださいますと幸いです。
 長編小説として連載していくつもりです。
 非常に多く性的な表現や暴力的な表現があります、苦手な方や18歳未満の方はご覧にならないようにしてください。
 御理解頂けた方は下から本編にお進みください。

愛人麗奈21

 「えー、本日はお忙しい中、お集まりくださりありがとうございます。先日、皆様の方にお伝えいたしました通り、元会長の安平が先日逝去致しました、享年85でございました。皆様には生前におかれまして大変お世話になりまして、時には賞賛、時には叱咤激励を賜り故人としても感謝致しておりました。安平はたたき上げの人間でございました、企業を大きくし社員の生活を守ることに躍起になり、20年ほど前に妻が逝去された後も全身全霊業務に当たっておられました。9人の子どもに恵まれ、亡くなる前日まで子どもたちに看取られながらの最期でございました。ここに生前の個人の栄誉を讃え、お別れの会を設定させていただくことに致しました。皆さま順番に故人の顔を見て頂き、最後の挨拶をなさってください。」
 「会長、私、麗奈はあなたの子どもを10年で9人産みました。産まれてくる前まで憎たらしくて仕方なかった。あんな人間の子どもを産むくらいなら死のうと思った。でも、子どもが産まれてきたらそんな気持ちは失せた。だから、どんなに辱められて、屈辱的なイヌのようなセックスを求められても私は生きた。それに、私は勝手に死ぬ事が許されなかった。私の借金担保してくれた条件にあったからだ、死んだら子どもに害が及ぶ可能性があったから。あの私を人とも思わない北海道での所業、1人目が産まれたらすぐ翌月に。2人目が産まれたらその2ヶ月後にはアレと同じような目に遭って同じように孕まされた。それの繰り返しで10年間、ほとんど妊娠してた。だから、ずっと貴方のおもちゃ、性欲発散の肉便器、子どもを繁殖させるためだけの子宮貸し。そんな人生を20年少し生きてきました。私ももう50歳近く。長かった。最初の方に産まれた子達はもう社会人や大学の最終学年に。あなたが鬼籍に入るまで、私は粘った。やっと解放される。あなたは私が9人目を産んだら『38を超えた女に用はない、子どもの世話だけやってろ』と言い放って私をゴミのように捨てました。そこからの10年余り、長かった。本当に長かった。全ての役目を終えた今、私はあるべき場所に帰ろうと思う。本来なら26歳の時にこうしておくべきだった。」
 「あれ?お母さんは?」
 「そう言えば居ないね。」
 「子どもたち、こんな母親でごめんなさい、会長。あなたに逢いに私は行きます。あなたが居なくなったら私には生きる理由がない。だから、私はこういう道を選ばせてもらいます。」

愛人麗奈完

執筆者より後書き

 はい、というわけで。愛人麗奈最終話完結となりました。
 実はこのエンディングにしようと最初から決めてました、大河の1話からスピンオフしようと思った時から。ハッピーエンドにはどうやってもならない設定なら絶対的にバッドエンドの王道で締めようというのは決めていました。
 麗奈にとって会長は憎い存在なのか、実は好意があるのか。愛憎判別がつかないぐちゃぐちゃの心理で終わらせたいと思っていました。そして、会長にとって麗奈がどんな存在なのか。読み手によって解釈が分かれそうな形にしたかったので大枠ではその枠内に入れられたかなと思います。書いてみると色々と躍動したり思ったより大人しくなったりと作者自身もどうなるのかなーという感覚で書いていました。エンディングだけ決めてあとはその時の発想や考え方に則って進めていく感じですね。
 決めていたのはエンディング、安平が爆発して麗奈を襲う、麗奈は半ば妊娠を強制されて子沢山になる。という骨組みだけです、陸の孤島ストーリーは途中で思いついて入れました。
 結果としてはもっとブラッシュアップ出来そうな感覚もありつつもパッケージとしてはまとまったかなという自己分析ですね、もし、先々何かしらで発行したり発売するときはかなりブラッシュアップしてバージョンアップすると思いますが、現状の仕事や家庭などと両立しながら書いた中では及第点かな、大学で言うなら「可以上良未満」くらいの手応えです。
 皆さんの中で描いていたエンディングやストーリー展開とは違ったかもしれませんし、予想通りかもしれませんが、大枠だけ決めてあとは自由に書いてみる初の試みでもありましたので、それなりの満足です。プロットをしっかり作りすぎて枠に嵌めると息苦しくなる事もあったので新たなパターンに挑んでいた次第です。
 難しかったのが安平の立ち位置です、あくまでも大企業の会長なので粗暴すぎるとおかしくなりますし、かと言って淡々とした冷酷系なら愛人なんて作らないしということで表の顔と裏の顔がそれなりにバランス取らないとおかしくなるという点でした。しかも壮年設定なので反理性的な行動も取らせにくい。ということで秘薬を使いました。媚薬はちょっと面白くないのでシアリスやバイアグラの強化版滋養強壮という形にしてみました。
 今回の得た経験と学びと反省と後悔とをしっかり反芻してまた新しい作品で挑戦してみようと思います。
 愛人麗奈応援いただきありがとうございました、一時かなりリアクションが良い結果が出てまして、正直嬉しかったと同時に皆様も安平級の変態こういう作品もニーズがあると理解しました。安平と麗奈とはこれでお別れです。また別の作品でお見かけしましたら、読んでみてください。それでは!

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