これは
おかしい

あんなに あんなに
筋トレを頑張ったのに

筋肉痛がやってこない
やってくる気配がしない

-

さみしくて
悔しくて

空を見上げて
道を行く。

空を見上げているのは
溢れる涙が
こぼれないようにするためだ。

-

家に帰って
電気をつけた時

誰かがドアを叩いた。

ガチャリンコ

-

開けてみると
知らない外国人だ。

話によると
筋肉痛の代わりにやってきた
らしい。

筋肉痛はこれないらしい。

-

その外国人は
ちょうど筋肉痛が
収まるまでの間

うちにいるらしい。

-

口数の少ない
その外国人。

謙虚に振る舞い
家事を丁寧にこなして

とても
おとなしい。

-

だけど、家の中の
食べ物をこれでもかと
たいらげた。

たんぱく質を得る事には
容赦なかった。

-

その外国人、
帰る頃には
2回りほど大きくなっていた。

せっかくだから
京都によって帰ると

出会って始めて
微笑んだ。

-

また
彼が帰って
1人の生活が始まった。

それだけで前より
部屋が広く感じた。

-

帰るといった
彼は
どこへ帰るんだろう。

この丸い地球の
どこかに
彼の住まいと
具体的な住所が
あるのだろうか。

筋肉痛とは
どうやって
コンタクトをとったのか。

1人になったこの部屋で
聞くべきだった事が

部屋を埋め尽くすように
溢れてきた。


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