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ひとはいつ、政治的価値観を形成するの?

このnoteは、『誰もが嘘をついている ビッグデータ分析が暴く人間のヤバい本性』という本を読んだ感想です。

第1回:「ビッグデータ」って、なんで注目されてるの?
第2回:100年前の卒業アルバムの写真が、真顔な理由
第3回:インターネットは、本当に人々を分断したのだろうか?

昨日のnoteの最後を、「ひとの(主に政治的な)価値観は、どのタイミングで形成されるのか?」という質問で終えました。

なので、今日はそのことについて書きます。


ひとは何歳でリベラルや保守になる?

本書によると、このテーマについては、すでにいくつかの研究が行われているようです。

研究者たちが発見したのは、「人間には生涯の刷り込みになる重要な時期がある」ということでした。

そして政治的意見に関しては、(研究が行われた米国では)14~24歳の時期に、そのときの大統領の人気に従って意見が形成されるそうです。

つまり、そのころ共和党大統領が人気、もしくは民主党大統領が不人気であった場合、共和党員になりやすいということです。逆もまたしかり。

そして、この感受性の強い時期に育まれた価値観は、その後の人生で長期的に保持されやすいのです。


具体的な例を見てみましょう。

とある研究では、1941年生まれと1951年生まれの米国人が比較されました。

前者は人気のあった共和党大統領アイゼンハワー政権時に、敏感年齢期に入りました。

1960年代初頭、まだ30歳未満であったにもかかわらず、この世代は共和党に強く傾倒しました。(一般的には、若いひとはリベラルで、年老いていくほど保守化していくといわれています)

そして若くして共和党贔屓になった彼らは、年を重ねたあとも共和党派であり続けたそうです。

そして、その10年後に生まれた米国人は、人気抜群だった民主党大統領ジョン・F・ケネディと、当初人気のあった民主党大統領リンドン・B・ジョンソン、汚名を追って退陣した共和党のリチャード・M・ニクソン政権下で重要期を過ごしました。

彼らは終生、民主党に傾倒し続けました。


これらの研究の結果、研究者たちは政治的意見形成の重要期のなかで、特に重要な年齢を割り出すことに成功しました。18歳です。

統計的にみると、1941年生まれの終身共和党支持者は10%増え、ケネディ、ジョンソン、ニクソンを経験した1952年生まれの終身民主党支持者を7%増やしました。


生まれた年代が、支持政党や価値観の形成におおきく影響しているというのは、言われてみれば当たり前な気もしますが、こうして実際にデータとして顕著にでてくるというのは、やはり面白いですねえ。


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