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奇縁堂だより27【本の紹介:夏の物語・小説編③】

 8月中旬から3回にわたって(絵本編小説編①)続けてきた本の紹介のテーマ「夏の出来事・夏の物語」も今回で最後になります。

 今までは日本の作品ばかりでしたが,今回は日本文学に加えて,外国文学の作品も少し取り上げています!

紹介してきた中に「読みたい」と思える作品があれば嬉しいです!


 

紹介作品一覧

・『風の歌を聴け』
・『微熱少年』
・『乳と卵』
・『リリィ、はちみつ色の夏』
・『帰らざる夏』
・『夏草の記憶』


作品紹介

・『風の歌を聴け』 (村上春樹 : 著) 四六判, ¥550(税込)
 1970年の夏,東京で大学生活を送っていた“僕”は海辺の街に帰省し,そこで友人の“鼠”と夏中ビールを飲み続けた。
 あるとき,バーで飲んでいると,倒れている女の子に遭遇する。介抱したことで,"僕"はその子と親しくなった。
“鼠”も女性のことで悩んでいるようだが……
“僕”の夏は,気怠く,ほろ苦く過ぎさっていく… 

第22回群像新人賞受賞作

・『微熱少年』 (松本隆 : 著) 文庫, ¥550(税込)
 世界中を虜にしていたロックバンドの「ザ・ビートルズ」が日本に来た1966年の夏。
 16歳の平凡な高校生の“ぼく”は,バンド仲間と一緒に海辺を訪れた。そして,その海辺で少しだけ年上の少女と出会い,恋をした。
 小さな冒険,親友との友情,美しくも気まぐれな彼女との恋…60年代の高校生の夏を描いた青春小説です。

 大瀧詠一の「君は天然色」や松田聖子の「赤いスイートピー」など,多くの人気曲作詞を担当している作詞家・松本隆の処女長編小説です。


・『乳と卵』 (川上未映子;著) 文庫, ¥250(税込)
 
“わたし”が住む東京の下町・三ノ輪のアパートに、ホステスの姉・巻子が間もなく初潮を迎えるであろう娘の緑子を連れて大阪からやって来た。
 巻子は精神の病で豊胸手術しか考えられなくなっている。一方、緑子は思春期の女性の体の変化に嫌悪感を持ち…
 親子の会話はなく、緑子は言葉を発することなく、ノートに言葉を書き連ねる…
 “わたし”と巻子と緑子の女3人の、夏の三日間の物語。


・『リリィ、はちみつ色の夏』 (スー・モンク・キッド;著) 四六判, ¥450(税込)
 
1964年,アメリカ南東部に位置するサウスカロライナ州。
 リリィは4歳の時に,ある事故で母親を亡くした。今は,父親と優しい黒人家政婦のロザリンと暮らしている。
 ようやく制定された公民権法に従って,ロザリンは公民権を取得に行くが,白人からせ嫌がらせを受け,そして殴られ入院することに。
 リリィは父親のもとを飛び出し,ロザリンと二人でティブロンという街を目指すことにした。それはリリィが14歳の夏。
 二人はヒッチハイクをしながら養蜂家の黒人姉妹が住む家にたどり着いた。リリィがここで得たのは多くの愛。
 差別とは,人を愛することとは,を考えさせられる小説です。


・『帰らざる夏』 (加賀乙彦 : 著) 四六判, ¥550(税込)
 
主人公は,憧れの陸軍幼年学校に入学する。
 学校での過酷な修練に耐え,皇国の不滅を信じ,そして軍国思想を確固たるものとする。
 しかし,1945年(昭和20年)8月15日,日本敗戦の夏を“戦争参加者”として迎える。皇国の不滅を,日本軍の勝利を消して疑わなかった16歳の主人公は,敗戦に衝撃を受ける。
 これまで信じてきたものを失うことになった主人公は,ポツダム宣言を受諾した玉音放送を否定し,苦悩し,そしてついには“義”に殉じて自決する… 

第9回谷崎潤一郎賞受賞作

・『夏草の記憶』 (トマス・H・クック : 著) 文庫, ¥450(税込)
 
アメリカ南部の田舎町で名医として尊敬を集めるベン。しかし,彼は今まで暗い記憶を胸に秘めてきた。
 それは30年前の夏に起こったあの痛ましい事件。ベンの通う高校に転校して来た美しい少女・ケリー。ベンはたちまち彼女に恋心を抱く。しかし,ケリーに不幸が襲いかかる…
 ベンがほろ苦い初恋を回想しながら迫った事件の真相とは…
 そして,それは誰も予想できないものだった!

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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