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官僚→ベンチャー→フリーランス。レールから外れた東大女子のひとりごと【4.転職活動編(1)】

筆者のちょっと変わったキャリアについて語るシリーズ、第4弾。前回は退職後の無職時代に学んだことについてお話ししました。

今回は転職活動の方法・流れと、その間にわたしが大切にしていたこと・学んだことについてです。なお「官僚の転職」については次回の記事で書きます。

■転職活動の方法と流れ:いろいろな可能性を探ってみた

・とりあえず大手媒体に登録して求人を眺める
転職活動するか〜、と思ったはいいものの、初めてだし転職経験のある友人もほとんどいない状況で、右も左もわからない……。知識がなさすぎたので、とりあえずネットで検索して出てきたリクナビやマイナビ、DODAなどの大手媒体に登録して求人を眺めるところから始めました。

「こんなにいろいろな企業があるんだ、仕事があるんだ。大学時代は全然見てなかったなあ。なんであんなに見なかったんだろう」

というのが最初の感想です。気になる企業については会社HPや口コミ、運営するサービスを調べてみたり、話を聞きにいったりしました。

スカウトの設定はしていましたが、案の定いかにもブラック企業っぽい会社やコンサルティング会社(官僚の転職先の主流です)からしか届かなかったため、ほとんどあてにしませんでした。

・女性に特化した転職サイトにも登録する
出版関連やメディアを運営している会社を中心に見ていましたが、「いいところがなければ仕事内容にはこだわらず、勤務時間の短いところに勤めるのも悪くないな」とも思っていました。

勤務先でやりたいことに近い仕事をするパターンと、仕事は仕事と割り切って就業後に自分のやりたいことをするパターン。その両方のいいとこ取りをするパターン。3つ目が理想だけど、できない可能性もある。

就業時間や働き方に焦点を当てたときに登録しておこうと思ったのが、女性のキャリアに特化した転職サイトです。派遣やパートのような働き方も一時的ならありかなと思っていたこともあり、事務や受付からWebサービス系、人材系まで幅広く求人をみていきました。

試しに事業内容が面白そうで魅力的だなと感じた会社の事務の仕事に応募しましたが、書類で落ちました。理由を聞いたわけではありませんが、「わたしのような学歴・経歴の人は求めていないんだろうなあ」と最初から思っていたので、やっぱりそうなのかな…?と当時は勝手に推測していました。
(実際のところ、どうなんだろう?)

・エージェントを使ってみる
友人に教えてもらい、転職エージェントも使いました。担当の方に無料で話を聞いてもらい、転職理由や志望動機を添削・アドバイスしてもらえる点はとてもありがたかったです。心と頭の整理に役に立ちました。ピンとくる求人がほとんどなかったため途中でやめてしまいましたが、使ってみる価値はありました。

・Wantedlyで見つけた企業に決める
そろそろ決めないと生活できなくなるな…と思っていた頃、夫が「面白そうな求人がたくさんあるよ」と教えてくれたのがWantedlyでした。比較的少ない資金で求人広告を出せるため、中小企業やスタートアップ企業がよく利用する媒体です。

大手媒体はフォーマットが一定で似通った求人が多く、また登録している企業自体も似通っていたため、Wantedlyの求人広告は新鮮に感じられました。求人広告以外に日々の投稿や実際に働いている人のインタビュー記事も多数読めたので、親近感がわきやすかったです。2社に話を聞きにいき、片方の中小企業に入社することにしました。

決め手は、文章に携われる仕事で、かつ自分の提示した条件をある程度汲んでもらえたこと、ベンチャー企業のわりに落ち着いた雰囲気だったこと(偏見)、育児中の女性が活躍していたこと、そしてビジョンに共感できたことでした。

■転職で大事にしたこと:3つの「しない」

転職活動中に焦ったり不安になったり、迷ったりすることはたくさんありました。そのなかでもできる限り冷静な判断をして、納得できる転職先に進めるように、気をつけていたことがいくつかあります。

・無理をしない(妥協・我慢をしすぎない)
企業側に無理に合わせたり、できないことをできるかのように取り繕ったりしないように心がけました。そこで無理をすればきっとまた辛くなってしまうだけで、せっかく転職する意味がないと思ったからです。自分の思いや求める条件はできる限り率直に話しました。それで落ちてしまった企業もあるし、合わないと感じて途中で辞退した企業もあります。

その企業にずっといるかどうかはわからないとはいえ、できるだけ自分に合った、ストレスが少ない場所で働こう。こちらから選ぶ気持ちはしっかり持っていよう。貯金が尽きてきて焦ったときも、面接に落ちたときも、その点は自分に言い聞かせていました。

・決めつけない
大企業だから〇〇に違いない、中小企業だから〇〇に違いない、〇〇業界だから〇〇に違いない。この会社はイケイケ感満載で価値観が合わないだろう、美人な女性ばかりだから受からないだろう、ここならわたしでも受かるはずだ、この経歴なら無理に(大丈夫に)決まっている……。

凝り固まったイメージや先入観に、なきに等しい企業に関する知識。どこから湧いてきたのかもわからない下手なプライドや自信に、自分の可能性を狭めかねない過度な不安やコンプレックス。

転職活動を始めた頃はとくにこうしたものに縛られがちだったので、第一印象だけで決めつけないように気をつけました。客観的に自分をみて、まっさらな気持ちで転職活動に臨むこと。複数の情報源から企業や社員の情報を得ること。気になったら会ってみること。これは就職活動にも言えることですが、はなから決めつけないようにすることがとても大切だと感じます。

・夢を見すぎない
「無理をしない」と書きましたが、希望がすべて叶う企業が見つかるとは限りませんし、見つかっても相手にしてもらえるかはわかりません。自分を苦しめないように、夢を見すぎないことも大切だと思いました。(わたしが言うのもアレですが、転職やフリーランスを美化して安易に勧める風潮は正直嫌いです……。)

転職活動を進めるなかで、それまでいた環境が実はかなり恵まれていることに気づいたり、現時点でのスキル・能力・経歴では、ストレートで希望する企業や職種に就くのは難しいとわかったり。いい意味でも悪い意味でも、転職活動は自分の置かれた状況や市場価値を客観的に知る機会になります。わたし自身も、理想と現実のギャップに気づいて悩みました。

その点を踏まえると、「会社を辞める・辞めない」あるいは「転職をする・しない」を決めるまえに、「とりあえず転職活動を始めてみる」というのは有効な手段なのではないかと思っています。

始めてみてようやく自分と周りがよく見えるようになり、やっぱりいまの場所にこだわらなくてもいいじゃん、と転職への思いを強固なものにするかもしれないし、逆に隣の芝生が青く見えていただけだとわかるかもしれない。キャリアプランを練り直す必要性を感じるかもしれない。どのような結論にいたるとしても、迷ったら試しにやってみて、それから考えるのも悪くないよなあ、と思うのです。そのほうが納得できるんじゃないかなあと。

■転職活動中に困ったこと:官僚(女性官僚)の転職の難しさ

転職活動中に、官僚の異業種への転職は悩みどころ・迷いどころがたくさんあるなと感じました。それは男女ともに言えることですが、女性だとなおさら問題をはらんでいるな…というのがわたしの第一印象です。とくに、長時間労働や男社会に慣れた「忍耐強い女性」である点を最大の魅力として捉えられてしまうのが、なんともミスマッチだな〜と感じました。詳しくは次回の記事で。

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