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JW341 普通の人と違う

【桃太郎編】エピソード11 普通の人と違う


第十代天皇、崇神天皇(すじんてんのう)の御世。

吉備(きび:現在の岡山県と広島県東部)では、温羅(うら)が暴れまわっていた。

地図(吉備)

鎮圧の使命を受けたのは、彦五十狭芹彦(ひこいさせりひこ)(以下、芹彦)と稚武彦(わかたけひこ)(以下、タケ)。

一行は、吉備中山(きびのなかやま)の山頂に陣を敷き、軍議を開いた。

そんなとき、山の頂(いただき)に、矢が飛来してきたのであった。

系図(タケ、たっちゃん、芹彦)
吉備の一行の一覧
地図(吉備中山)

芹彦「なっ!? なんじゃ!? 矢が飛んできたぞ!」

サモリ「おかしいですねぇ。伝承に、矢が飛んでくる描写なんてないんですけどねぇ。」

ジョン「そもそも、軍議の描写すらないだろ!?」

すると、温羅の笑い声が「こだま」してきた。

温羅「挨拶代わりに、矢を放ってやったニダ! 感謝するハセヨ!」

芹彦「もしや?! 汝(なびと)が!?」

温羅「その通りニダ! ウリがウラ! ウリがウラ!」

タケ「ま・・・待て! これは、どういうことじゃ?」

たっちゃん「父上? 如何(いかが)なされましたか?」

タケ「鬼ノ城(きのじょう)から放ってきておるぞ! その距離、約10キロ!」

一同「ええぇぇ!!!」×多数

鬼ノ城
地図(約10㎞)

ウラ「当たり前ニダ! ウリは、普通の人と違うハセヨ! 仲間たちも強者(つわもの)ハセヨ!」

犬「皇子(みこ)! ウラの矢・・・。木の楯(たて)を貫(つらぬ)いておりまするぞ!」

ジュリアン「これは・・・やべぇ状況じゃのう。」

ウラ「その通り! 一斉射撃、始めっ!」

ウラの号令を受け、ウラ軍が一斉に矢を放ってきた。

いわゆる、矢の雨である。

ヨーコ「ちょっと! どうするのよ!?」

芹彦「一旦、山を下るほかあるまい!」

こうして、一行は山を下り、矢の届かぬところまで引いたのであった。

トメ「危機一髪でしたね・・・。」

ショーン「じゃけど(だけど)、これから、どうするんじゃ?」

ヤメ父「木の楯じゃぁ何の役にも立たんけぇ、鉄の楯にしたら、ええがん(いいんじゃないか)?」

タケ「いや、ダメじゃ。鉄の楯も貫かれておる。」

ヤメ父「なんとぉぉぉ!」

芹彦「・・・とは申せ、伝承に無い、やり取りで終わるわけにはいかん!」

するとそこに、ある男がやって来た。

ある男「喰いモンが、ぼっけぇ(たくさん)要ると思うて、稲穂を刈って来ましたぞ。」

芹彦「だっ・・・誰じゃ!?」

ある男「え? サモリ殿から、聞いてません? 片岡伊狭穂(かたおか・の・いさほ)ですが・・・。」

芹彦「知らんっ!」

唐突な、男の登場。

一行は、ウラの矢を回避出来るのであろうか・・・。

次回につづく

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