JW386 神饌を炊いてくれ
【崇神改革編】エピソード13 神饌を炊いてくれ
第十代天皇、崇神天皇(すじんてんのう)の御世。
紀元前74年、皇紀587年(崇神天皇24)のある日・・・。
ここは、吉備国(きび・のくに:現在の岡山県と広島県東部)。
唸(うな)りつづける温羅(うら)の首塚。
ついに、解決の時が迫ろうとしている。
モモ「天に生かれし神々よ。私に力を与え給え・・・。天地にあまねく神々よ。ここに奇跡を起こし給え・・・。ハッ!」
一同「・・・・・・。」×多数
モモ(温羅)「芹彦! 久しぶりニダ! 十三年も唸りつづけて、喉(のど)が、からからハセヨ!」
芹彦「何という言い草じゃ! こっちも、こっちで、苦しい日々だったのじゃぞ!」
モモ(温羅)「でも、もう充分に唸ったので、満足ハセヨ!」
ショーン「何が満ち足りたのか、よう分からん・・・。」
モモ(温羅)「そういうことで、ウリ(私)から、御願いが有るニダ。」
芹彦「この際、何でも良い! 聞いてやろうぞ!」
モモ(温羅)「我(わ)が妻の阿曽郷(あそ・のさと)の祝(はふり)の娘、阿曽姫(あそひめ)をして、吉備津宮(きびつみや)の釜殿(かまどの)の神饌(しんせん)を炊かせよ・・・。」
ジョン「なんで、急に真面目になってるんだ?」
オーイナ「祝とは、神に仕える者・・・。その娘を妻に、しとったんか?!」
モモ(温羅)「その通りハセヨ。すごく可愛いニダ!」
サモリ「そうすると、何か良いことが有るんですか?」
モモ(温羅)「もし世の中に事あれば、竈(かまど)の前に参り給え、幸あれば豊かに鳴り、禍(わざわい)あれば荒ぶる音を立てて鳴ろう。」
たっちゃん「汝(いまし)が、占ってくれると申すか?!」
モモ(温羅)「その通りニダ。ウリは、吉備が・・・この国が大好きニダ! ウリと共に戦った仲間たちも、皆、吉備の者たちニダ。だから、見守っていきたいと思っているハセヨ!」
ジュリアン「そうじゃのう・・・。温羅も、初めから暴れていたわけじゃねぇしのう・・・。」
モモ(温羅)「芹彦は、あの世にいった後は、霊神として現れ給え。我(われ)は、芹彦の一の使者となって、四民に賞罰を加えん。」
一同「・・・・・・。」×多数
モモ「こんなん出ましたけどぉぉぉ。」
たか「義姉上様、お疲れ様にござりまする。」
カネ「されど、面妖(めんよう)な言の葉でしたね。」
モモ「まあ、異国(とつくに)の言の葉だから、仕方ないわよ。」
トメ「じゃあ、僕は、阿曽姫(あそひめ)を探してきます!」
こうして、阿曽姫が呼び出された・・・。
阿曽「うちが、阿曽だけど・・・。何?」
芹彦「うむ・・・。汝(いまし)が、温羅の妻であったというのは、まことか?」
阿曽「そうよ。それで・・・何? うちの人を殺しておいて、今さら、なんなの?」
次回こそ、問題が解決されると思う。
つづく
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