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JW405 青桃之丘

【崇神改革編】エピソード32 青桃之丘


第十代天皇、崇神天皇(すじんてんのう)の御世。

ここは、磯城瑞籬宮(しきのみずかき・のみや)。

地図(磯城瑞籬宮)

崇神天皇こと、御間城入彦五十瓊殖尊(みまきいりひこいにえ・のみこと)(以下、ミマキ)の夢に、神が現れた。

神の名は、国之常立神(くにのとこたちのかみ)(以下、とこた)。

何の為に現れたのか、ミマキは問うのであった。

ミマキ「な・・・なにゆえ、わしの夢に現れたのでござる?」

とこた「うむ。御願いが有って、現れたのじゃ。」

ミマキ「願いとは?」

とこた「国土造成の所縁(ゆかり)の地・・・青桃之丘(あおもものおか)は、知っておるな?」

ミマキ「し・・・知りませぬ・・・。」

とこた「そうか・・・。とりあえず、そこに社(やしろ)を建てるのじゃ。良いな。」

ミマキ「か・・・かしこまりもうした。」

こうして、社が建てられた。

ここで、ミマキの息子、活目入彦五十狭茅尊(いくめいりひこいさち・のみこと)(以下、イク)が、疑問の声をあげた。

系図(イク)

イク「大王(おおきみ)? 社の名は、なんて言うの?」

ミマキ「おお! イクちゃん! それより、自己紹介が、まだであろう?」

イク「あっ! す・・・すみません。読者のみなさん、僕が『イク』です。よろしくね。」

ミマキ「うむ。して、社の名じゃが、その名も、真清田神社(ますみだじんじゃ)と言う。」

真清田神社(鳥居と楼門)
真清田神社(拝殿)

イク「そして『とこた』様が祀(まつ)られたんですね?」

ミマキ「・・・と言いたいところじゃが・・・。」

イク「えっ! 違うの?」

ミマキ「二千年後の情報によると、祭神は天火明命(あめのほあかり・のみこと)となっておる。物部氏(もののべ・し)の祖、饒速日(にぎはやひ)殿じゃ。」

イク「どうして、そんなことになってるの?」

ミマキ「長い歴史の中で、大人の事情も重なって、祭神が変わってしまったのであろうな・・・。」

イク「そ・・・そんな・・・(´;ω;`)ウッ…。そんなの可哀そうだよ・・・(´;ω;`)ウッ…。」

ミマキ「致し方ない・・・。これも定めであったのであろう・・・。」

イク「と・・・ところで、何処(どこ)に鎮座(ちんざ)したの?」

ミマキ「うむ。良き問いじゃ。鎮座地は、二千年後の地名でいうと、愛知県一宮市(いちのみやし)の真清田(ますみだ)じゃ。そこが、青桃之丘であったということじゃな。」

地図(真清田神社)

こうして、なにはともあれ、真清田神社が創建されたのであった。

それから、しばらくの時が経ち、ミマキの元に、ある男たちがやって来た。

それは、葛城宮戸彦(かずらき・の・みやとひこ)(以下、みやさん)。

大伴豊日(おおとも・の・とよひ)。

久米彦久米宇志(くめ・の・ひこくめうし)(以下、うし)。

中臣探湯主(なかとみ・の・くかぬし)(以下、クッキー)の四人である。

系図(四氏族)

ミマキ「揃(そろ)いも揃って、如何(いかが)致した?」

みやさん「今日は、御願いが有って、参内(さんだい)したのでござるよ。」

彼らの願いとは? 

次回につづく

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