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海外生活日記 : 『会社』に対する考え方の違いで思った事。

東南アジアのマレーシア。 赴任して6年目になります。
この国は人も国も全体的にのんびりしています。

全体のワーキングカルチャーも、日本に比べて幾分とのんびりマイペースではありますが、

私が勤務している会社は、日系企業なのですが、
独特な雰囲気があり、まるで日本にある会社のようです。
ただ、それを感じ取っているのは日本人だけらしく、
定時きっちりにマレーシア 人は帰宅します。
有給もたくさん取りますし、私用、家族の用事等で堂々と休みます。
就業中も昼食を抜いたりなんかせず、どれほど忙しくてもキッチリ1時間休憩を取ります。

最初は、結構戸惑いました。
彼らの態度が仕事に真剣に向き合ってないように感じられたからです。
しかし、それは誤解でした。
彼らにとって仕事は大切どころか、最優先事項です。

彼らは、残業しない分、本当に効率よく働きます。
よく日本で話題になる無駄な会議ですが、彼らは見過ごしません。
少しでも無駄だと感じたら、「この会議の意味は?」と、例え相手が上司であっても、ハッキリ質問します。

また、理想論や精神論ではなく、現実的に物事を進めます。その為、自分が貢献できる範囲をキッチリ把握しており、出来ない事や必要ないと判断した事は生半可に返事をする事なく、一旦断りを入れ、代替え手段を意見交換する事を怠りません。

この様に、彼らは仕事には真剣に取り組んでいます。ただ、それは『仕事』に向けてです。会社は自分達のプロフェッショナルさを発揮する為の「場所」に過ぎません。

彼らにとっては、会社は何事にも変え難い居場所ではなくて、あくまでお金を貰う場所、キャリアを積む場所なのです。だから一つの会社にこだわる必要は全くないし、むしろ融通が効くべき場所なのです。
大切なのは、会社でどう役に立ったかではなく、自分が目指す姿にどう近づけたかです。

多くのマレーシア 人にとって、会社はただの遊覧船。
目的地に到着するまでは乗っているけど、自分が思う目的地に到着したら、違う船に乗り換えます。一緒に居合わせた船員達へも「職場の同僚」以上の関係性を築く事は特にしません。ライバル視する事もなく、承認欲求を満たそうとするわけでもなく、だからといって、物凄くドライというわけでもなく、笑顔で挨拶、軽い冗談を交わすけども、それ以上に足を踏み入れない様にお互い気を遣っているのが凄くわかります。

対照に多くの日本人にとって、会社はゴーイングメリー号(初期のワンピース)的な存在の様に思います。
仕事そのものよりも、『会社』という場所への帰属意識が強く、船員は仲間であると同時にライバルでもあり、時に承認欲求を満たすための相手であり、何かと気になる相手です。

働き方に正解はないです。
実際に、無駄だと思われる会議でも、それを通して得たアイディアや人間関係が売上に繋がっていったり。
また、一つの場所に愛着を感じ、人間関係を良好に築いて、骨を埋めて頑張っていく事も一つの働き方です。長くいるからこそ、任せてもらえる仕事だってあり、そらが自分のキャリアのプラスになるかもしれません。

ただ、今、取り組んでいる事は、自分が望む目的地から逆算して、本当にこのままでいいのか?時間を取られすぎていないか?という意識は持っておきたいなと思いました。

人生は一度きりで、自分の体も一つしかないです。
どれほど職場から頼られ、信頼されていても、常に自分自身を一番に考えることが大切だと思います。
世間や周りの雰囲気に呑まれずに、一人一人が、自分の人生を一番に考えて、自分が幸せになる道、自分が生き抜ける道を選んでいけたらいいなと思います。

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