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フォカッチャを語る

私はパンが大好きだ。

ありとあらゆるパンが好きだが、その中でも、ベスト5に入る、フォカッチャ。
ただ、私の求めるフォカッチャに出会えることは、稀である。


というのは、私は小さい頃、イタリアのミラノに3年間住んでいた。そのときのアパートの一階がパン屋さんで、そこのフォカッチャの味が忘れられないのだ。

日本でつくられているフォカッチャの多くは、私の好きなフォカッチャとは別物だ。私が好きなフォカッチャは、もっと薄く、表面に穴があって、パンの食感に歯応えがあり、オリーブオイルが沢山かかっていて、ピリッと岩塩が効いている。

もしかしたら、私が食べていたフォカッチャが、イタリアの中でも特徴あるものだったのかもしれないが、私は、「あんなに美味しいのに、なんであの通り再現されないんだろう」と思っていた。

先日、家の近くのイタリアンに行った際、付け合わせでフォカッチャが出てきた。私はそのフォカッチャを見つめながら、ふとこの長年の疑問について、きいてみた。
そこのお店のシェフは、イタリア北部で数年間修行をしていたことがあるとおっしゃっていたので、何か知っているかもと思ったのだ。

すると、こんなことを教えてくれた。

フォカッチャという言葉はイタリア語で、「炉端/火で焼いた」という意味。起源については諸説あるが、もともとレストランの賄い的な感じで、ピザ窯の温度を冷ますときに焼かれていたとのことだった。
だから、あまり膨らまないように穴を開け、平たくして、底につく面積を多くすると。

オーブンは、ピザ窯ほど高温にはできないし、それに加えて、日本人は柔らかい食感が好みだから、厚みを増していて、イタリアにあるフォカッチャのようなパンは少ないのだという。

なるほどねぇ〜。まさかそんな豆知識が聞けると思わず、聞いてみるもんだなぁと思った。
まぁ残念ではあるが、ちょっとすっきりした気がした。

だが、未だなお、私の密かな目標は、
私の好きなフォカッチャを売っているお店を東京で見つけることだ。


どこかで運命のフォカッチャに出会えますよーに!



おまけ:

フォカッチャの話をしてくれたシェフのお料理。


・前菜3種盛り

・豚バラのラグーソース


はー!おいしいは、しあわせ!

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