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#9学級経営の成功の秘訣: 生活指導とトラブル対処の重要性(新年度準備)



知っトク!学級経営⑧ 生活指導編

1はじめに

今回から、経営戦術にあたる生活指導についてお話していきたいと思います。
経営戦術には、学習指導と生活指導の2つがありました。この2つが同時に機能しないと戦術としてうまくいきません。
学習指導ってどんな内容だったっけ?という方。
こちらをご覧ください。↓

また、経営戦術は、学級経営ピラミッド図の一番下にあったこともお忘れなく。

学級経営ピラミッド図

生活指導って何?という方へ。
生活指導は、学習指導ではないものすべてです。
つまり、授業以外はすべて生活指導になるので、ものすごい多岐にわたります。
ですので、経営理念や経営戦術(児童理解)がないと、日々、生活指導に追われます。

民間企業なら、これらをすべて一人で行うなんてことが絶対にありません。それぞれ部署があり、担当が決まっています。しかしながら、担任は、これらを全部一人でやらないといけないのです。

経営理念や児童理解がしっかりしているからといって、トラブルがなくなるわけではありません。
そんな神のようなアイテムあったらみんな使っています。

学校生活では、トラブルはつきものです。むしろ、トラブルがない方がおかしいです。
内容が、多岐にわたる生活指導ではありますが、その中でも大切なエッセンスがあるので、それを紹介していきたいと思います。

2トラブル対処

先ほども説明したように、学校生活において、トラブルはつきものです。毎日あるといっても過言ではありません。

休み時間にケンカ。給食配膳中の列に割り込み順番抜かした。いやがらせをされた。嫌なことを言われた。ものを取られた。叩かれた。無視された。仲間外れにされた。ルールを守れない子がいた。掃除をさぼる子がいた。などなど…まだまだたくさんあります。

大切なのは、そのトラブルをどのように対処するかです。

生活指導において、トラブルの対処法を誤ると、いじめにつながったり、児童や保護者の不信感が生まれたりします。
クラス替えがあり、担任も変わると、これまでと大きく環境が変わります。環境が変わるとトラブルも起きやすくなります。
そのトラブルの陳情に追われることもあります。
特に、4月、5月は陳情のかきいれ時です。
大変ですが、子供の陳情にはすべて丁寧に答えていかないといけません。

仮に、
「先生、○○くんが、さっきぼくのことたたいてきた。」
といってきた子がいたとします。
けがをしている様子や痛みもないようだったので、
「じゃ、あとで、話聞いてあげるね」」
と言ったまま、忘れて下校させてしまっていたらどうなるでしょう?

何も起きないかもしれません。ですが、学校であった出来事を事細かに話す子であったらどうでしょう?保護者が心配する可能性があります。

陳情にきたということは、少なくとも、その子にとっては、先生に聞いてほしい事だったわけです。
それをないがしろにされたわけですから、
「その子にとってはどうして聞いてくれなかったのかな?」
という疑問をもつはずです。
もしそのまま、下校してその子が家でその出来事を報告し、保護者がその子の言ったことを100%鵜呑みにしたらどうなるだろうか?
放課後、電話がくるか、もしくは、次の日に長文の連絡帳がくるかもしれません。
もしそうではなくても、不信感を抱く可能性は高いと言えます。
そしてその対応に追われてしまい、本業がおろそかになります。

さらに、特別支援の要素が加わるとさらに複雑です。どんな子が言ってきたのか、どんな子がやったのかによって対応法は変わってきます。
詳しくは、いずれ、特別支援編でお伝えしていこうと思います。

トラブルというのは、大きさに関わらず、その日のうちに解消させることが大切です。もしも1日では解決できないようなトラブルであったら、必ず、保護者と管理職にも現状報告をしていかなければなりません。
それを怠るとあとで自分自身が苦しむことになります。

33つのキーワード

生活指導を大きく分類すると、安全、安心、信頼という3つのキーワードに集約されます。
安全・安心・信頼の3つです。クラスづくりをする上でどんな指導が必要なのか整理していきたいとおもいます。

① 安全に生活できるクラス

みなさん「ハインリッヒの法則」知ってますか?

ハインリッヒの法則lとは、1件の重大な事故の背後には、29件の軽微な事故があり、そしてその背景には、300件のヒヤリハットする事故が存在するという、労働災害における経験則の1つです。
そして、重大事故災害を防ぐには、ヒヤリハットの段階で対処する必要があると言われています。

おそらく「ヒヤリハット」という言葉であれば、聞いたことあるという方も、多いと思います。
ヒヤリハット事案を発見したら、その場で指導していきます。
また日頃から一声指導を徹底します。一声指導とはその名の通り、子ども達に伝えたい安全にかかわる指導事項を帰りの会などで、一言伝えるというものです。気軽にできるのでぜひ意図的に指導してみたらいかがでしょうか。

安全に生活させるためには、急かせてはいけません。子ども達から「はやくして」という言葉がよく聞こえてきたら危険です。急かせると、あせるので、まわりの状況も見えにくくなり怪我も起きやすいです。

他にも、
・教室環境が整っているか
(整理整頓(机のフック・ロッカー・道具箱)と掃除)

・安全に過ごせるクラスためのルールを徹底しているか
(あるだけではだめ。徹底が必要)

・登下校の把握はできているか
(誰と登校し、誰と下校しているか。登校時は、親の影響を受け、下校時は子供同士の人間関係の影響を受ける。)

以上のようなことは安全に生活させていくためには指導が必要なことです。

② 安心して過ごせるクラス
安心して過ごせるクラスとは、つまり自分の居場所のあるクラスということです。そうなるために気を付けていきたいキーワードをまとめてみました。
特に、教室で友達もあまりおらず、おとなしい子には目をかけていく必要があります。

・人権意識(笑いの背景、言葉遣い、血液型、家庭環境)
・微妙な変化に気付く
(友達同士の人間関係、スクールカースト、受験、スポーツ)
・トラブルの対処法(けんか・もの隠し・もの壊し)
・いじめを絶対にゆるさない
・失敗や間違いに対する対処法(牛乳瓶を落として割ってしまった)
・教師の指導に対する抵抗はないか
(厳しい指導をするとした分だけ反発心を生む)
・少数意見への配慮
・グループ・班編成の注意点
・挨拶の徹底

詳しく説明していきたいところですが、長くなってしまうのでやめておきます。
興味あるテーマがあれば、コメント下さい。そのテーマを取り上げて記事を書きたいと思います。

③ 信頼できる先生
みなさんは、信頼できる先生になるために何か心がけていることはありますか?

以前こんな先生がいました。
放課後トラブルがあり、泣きながら担任のいる教室まで行き、
「公園で友達から嫌なことされた」
と言ってきた子に対して発した一言。
「明日対応します!」
とだけ言って無言で追い返したのです。
そのまま泣きながら帰ろうとした所をたまたま廊下で見付け、一緒に公園までいって話をきいてやったことがありました。
一応そこで解決はできました。

放課後のトラブルは、学校で対応すべき問題ではないという方もいます。
確かに一理ありますが、子どもはそのトラブルを引きずって次の日に学校へ来るのです。

そう考えると、放課後のトラブルとは言え、素早くその日のうちに対応することは必要ではないかと思っています。学級でのトラブルも同様です。
子どもは担任のことをよく見ています。対応の仕方によっては、心を閉ざしてしまうこともあるので注意が必要です。

他にも
・保護者と、必要に応じて面談をしているか
・不公平感、不平等感なくす努力をしているか
なども大切です。

4まとめ

・トラブルのないクラスなどない。
・4月は特にトラブル対処を迅速かつ丁寧に。
・担任にとって些細なことだと思っても、子供や親はそうは思っていないことが多い。
・おとなしい子には自分から意図的に近づく努力をする。
・子供は担任をよく見ている。自分の言動には気をつける。
・たった1回のミスが致命的になることもある。

トラブルのないクラスなど存在しません。
また、こうした理論をしったからといって、はじめからトラブル対処がうまくできるわけでもありません。

そういう私自身も、これまでに何度も失敗をしてきました。失敗をしてきたからこそ、みなさんに、いろいろお伝えできることもあると思い、このような記事を投稿しています

今回は生活指導の理論編でした。いつか、生活指導実践編を紹介できたらと思います。

参考になる方がいたら幸いです。



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