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時の破片

『迷いも憂いも化石になるほど 嘘みたいな未来を想う』
米津玄師 「ナンバーナイン」


こんばんは。みなさまいかがお過ごしでしょうか。私は今日は鉱物の販売会に行ってきました。私は鉱物標本収集が趣味なのですが、特にオパールとアクアマリンが好きです。今日はそのオパールをいくつかお迎えしました。


ボルダーオパール。南国の海を思わせる。
同じくボルダーオパール。母岩とオパール部分のコントラストが良い。
おそらくボルダーオパール(聞き忘れた)。青い炎のようで綺麗。


10月の誕生石でもあるオパールとは、地層の隙間にケイ酸を含んだ水や熱水が入り込んで出来る鉱物で、オパールのうちプレシャスオパールは遊色という、見る角度によって異なる色を見せる効果をもちます。1センチのオパールが出来るまでに約500万年もの歳月がかかると言われていて、それを踏まえて見ると、市場に出回るような大きなオパールは、とても貴重な太古の地球の破片なのだなと思います。



私が好きな米津さんの「ナンバーナイン」という曲の歌詞に、

『迷いも憂いも化石になるほど 嘘みたいな未来を想う』

という一節があります。同じく米津玄師さんのツアーで「脊椎がオパールになる頃」というものがありますが、今を生きる私たち自身や賑やかな都市も、いずれ、気の遠くなるような長い時間の後で美しいオパールになるのです。自分が綺麗なオパールになって、赤や青の炎のように輝く、何百万年後の世界を想うと、今の自分の悩みなど、地球の悠久の時の中ではちっぽけなものであるように思えてきます。
もちろん、死後に美しくなれるからと言って今の醜態が許されるわけではありません。でも、どう生きたって自分はいずれ必ず死んで、いつか、綺麗なオパールになる、と思うと少し未来への不安が紛れる気がするのです。

今、目の前のことで手一杯のときほど、遥か先の、今の悩みなどとうに無くなった未来を思ってみる。どんなに辛い今も、私たちがオパールになる頃には全て終わっているから。


これを読むあなたが、少しでも生きやすい明日を迎えられますように。


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以下はおまけ

ちなみに動物の死骸はオパール以外の鉱物になることももちろんあり、その一つとしてヴィヴィアナイトという鉱物が有名です。

マイコレのヴィヴィアナイト、ルーマニア産

ヴィヴィアナイトは産出する時は無色透明ですが、地上で酸化することでこのような緑や青になると言われています。ヴィヴィアナイトは、動物の死骸の化石と共に産出することが多いのです。自分の体がこのような綺麗な石になる、と想像するだけでなんだかわくわくしますね。それではまた明日。

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