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言い訳を原因分析に飛躍させる

失敗したり、上手くいかなかったとき、
自分を慰める意味でも
何か理由を捻り出して言い訳をし、

正当化する。



「忙しくて出来なかった」
「忘れてて出来なかった」
「思いのほか時間が掛かってできなかった」

よくある言い訳。


「道が混んでて遅れた」
「電車が遅延して遅刻した」
「飲まされて酔っぱらっていたのでモノを失くした」

よくした言い訳、反省。


「○○さんが遅かった」
「○○さんがしてくれなかった」
「○○さんのせいで、上手くいかなかった」

特定の人のせいにする、言い訳。



場合によっては、
やる前から理由をつけて

「できません」
「マジ無理っす」

といった、やり取りも
よくある話。



でも、理由がわかっているのであれば
第一関門は突破!



次は、その理由の中の課題を
解決する方策が考えられれば、
一歩前進。


言い訳の本質


上司や他者から問い詰められて
回答する言い訳や理由の多くは

一応、相手からの総ツッコみを回避できるような
もっともらしい、自分以外に原因がある
理由づけをすると思うので

本当に上手くいかない原因のひとつ
である可能性が高い。



だから、
その言い訳、理由について掘り下げ、
原因分析に飛躍させることで
見えてくる課題を解決すれば、

上手くできるようになる。



失敗した言い訳や理由であれば
次の成功率を高めるために考えればいいし、

これから取り組むことについての
できない言い訳や理由であれば

できるようにするために
どうしたらいいか、何をしたらいいか

という思考に変えていけばいい。



他者のせいにする言い訳については、
「他者の思考と行動を変えられる?」
と質問し、視点を自分自身に向けさせればいい。



大抵の場合、
めんどくさいから言い訳ならべて
失敗した理由やできない理由を
プレゼンする。


突き詰めていけば、
めんどくさいから動いてないだけ
ってことも多い。


突き詰めて考えていないから、
「何となくできない」
という結論になっている可能性もある。


言い訳でも何でもいい。理由や原因を整理できれば。


いずれにしても、
上司として部下と向き合い、
成長へ導くとしたら

失敗した原因を振り返るときも、
これからすべきことに前向きに取り組めないときも
一度、しっかり話をするといい。


これは、部下を責めるのではなく、
状況を整理するために必要な対話。


人に話すことで具体化し、
解決策がクリアに見えてくることもある。

なぜなら、
この恵まれていない悲劇的状況を整理し、
相手が理解できるように説明をするから
説明するうちに

課題が浮き彫りになっていく。


わたしはけっこうこのタイプでした。


上司に限らず、誰かと話しているうちに
ぼやけていた輪郭がはっきりしてきて
課題となる点が見えてくる。

気付けば、解決に向かっていく。



失敗やできないと思われる言い訳、理由から、

・その結論に至る理由
・理由の基となる要素
・自分では変えられない要素
・自分で変えられる要素

これらを導きだし、
自分で変えられる要素を変えられれば
大抵のことは改善する。



あの頃の自分、
できない理由を並べていた自分に
言いたい。

「普段からしっかり考えろや」と。

できない理由を探していたあの頃。しっかり考えてみた、あのとき。


複数のブランドを扱うファッションアイテムを
販売する会社にいて、

1営業マンとして、年間の大きな山場である
12月のギフトシーズンに課せられた
現実離れした売上予算と向き合ったとき、

1年目は、できない理由ばかり並べていた。


奇跡的に予算は達成したものの、
翌年には更にハードルが上がる。
その繰り返し。

会社的には期待が高まる正のスパイラルである反面、
それを課せられる営業にとっては、
負の、いや地獄のスパイラル。


そして迎えた2年目。

ただ、冷静になって考えたとき、
解決策が見えてきた。


物販で大きな売上予算を達成するには、
売れる可能性の高い商品を多く確保する必要がある。

ただ、そういった商品は引く手数多なので
1店舗当たりに割り当てられる確保数に限界がある。

売れる可能性が高いので、他の商品と比べると
相対的にはかなりの数だけれど、
生産能力には限界があり、仕入予算や
資金繰りと物流効率の縛りもあるので

その商品で売上を伸ばしていくにも限界がある。


そういった状況の中、
いろいろなところで置かれた状況について
愚痴りながら話していると、

ぼやけていた輪郭が見えてきた。


既存の路線は踏襲し、
一番売れるブランドの売れ筋に張る、
という戦略で
売上の大部分を確保しつつ、

比較的商品を確保しやすい二番手のブランドで
新たな売上を稼ぐ、追加戦略を考えた。


ある程度商品については、確保できる状況なので
その先を考える。

繁忙期の売場は、売場自体のお客さんの受入上限に達し、
接客から会計、お見送りまでの一連の流れが滞るようになる。

そういった飽和状態になっている売場は
機材などの物理的な補強や
オペレーションを回す人的な補強をしても

そもそも売場として確保されているスペースを
劇的に増やさない限り、
その状態から抜け出せない。



だから、飽和状態まで到達していない、
余剰スペースがある店舗で

二番手のブランドと相性が良く、
集客力もあって潜在客が多いだろう中位店舗で
何かできないか。


そして、良い案を思いつく。

通常のお店のスペースとは別の、
近くにある追加スペースをプロモーション
強化名目で無償で借りて、

ポップアップショップを開催することにした。


無償で借りる分、
売場装飾やノベルティの準備など、最低限の経費を
捻出しなければならない部分もあったけど、

通常売場の近くなので、常駐スタッフが
主体となって運営することで臨時スタッフの
増強はそこまで必要とせず、

最小限の経費に抑えられた。



そして、取り組んだ結果は
スタッフの頑張りもあって

館全体が前比90%を割る中、
その売場は前比で120%超と
予想以上の結果に繋がり、

無事、予算達成することができた。

売上だけでなく、効率良く利益も確保できた。



自分自身の経験も浅かったので
全てが円滑に進んだわけではなく、
紆余曲折あった中で回り道をしながら
できることとできないことを選別し、

いろいろ考えた末に至った施策だった。
そして、たまたま上手く結果がついてきた。


ただ、仮に結果がついてこなかったとしても、
何もしないよりは断然良かったと思う。


そういった思考ができたことも
思考に基づいて行動したことも
実行したことに対する結果が得られたことも

全てが良い経験になったと思う。

部下の言い訳は、むしろ、ヒント。


だから、部下からできない言い訳を聞いたとき、
否定や批判はせず、

言い訳をヒントとした質問によって
課題の輪郭をはっきりできれば

とるべき行動が明確になって、
できない理由を絞り出して
言い訳をしていた

部下の行動が変わるかも、しれない。



先ずは、他者で試す前に
自分で試し、自分自身と向き合ってみるのも
いいかもしれません。


わたし自身も、
自分の言い訳に反省しながら
日々、修正しています。汗



最後までお読み頂き、ありがとうございます。

マネジメントでお悩みの方、
管理職になって日が浅い方、
上司の考えに「?」と思っている方、
カッチカチに古い体制の会社に疑問を持たれている方、
などなど。

お仕事でそんなお悩みを持たれている方に向けて
発信していきたいと思います。

 きのした

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