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イラスト🎨/映像🎞/小説📘表現活動をしています。現在、小説【REGULATION】レギュレーション執筆中。🍀【毎週日曜日】更新予定🍀

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小説【REGULATION】《1話》「銀色の玉」

 ──【十】──  ──【九】──  ──【八】──  ──【七】──  ──【六】── 耳障りな甲高い声が、部屋の小さなテレビ画面から発される。 『──我々人類こそ!全てを理解し手に入れた、この世で最も全知全能に近く、神とも調和する事の出来る絶対的存在なのです!』 ──否。 厚顔無恥、夜郎自大…自惚れも大概だな…。 俺達人間の常識や化学…そんなもんじゃ説明のつかない事例なんて腐る程ある。 そうだな…例えば 〝宇宙人は実在するのか?〟 とかね…。 ── ─

    • 小説【REGULATION】《10話》「クソガキ」

      《10話》「クソガキ」 ──この少年は何を言っているんだろう? 「み、見えてるって…どう言う意味だよ…」 「いや、だからさぁー言葉の通りだよ。おっちゃんは俺の事が見えてんだなって思っただけ」 おっちゃんは俺が見えてる? 何だよその、まるで見えている方が不思議だと言わんばかりの口振りは…。 勘弁してくれ。 もしかして、こいつもまた宇宙人とか何とかの類か? それとも宇宙人の次は、幽霊とかそこら辺のやつなのか? 「──ちょっと待ってくれ」 少年は真面目な顔でこっちを見ている。 俺

      • 小説【REGULATION】《9話》「GOKURAKU」

        《9話》「GOKURAKU」 「──着いたな」 四方八方どこを向いても、巨大な看板や高層ビルが立ち並ぶ、ここはまさに都会のど真ん中。 そんな街並みに、遠慮するかのように立っている、小さな赤い看板。 看板には〝ネットカフェ〜GOKURAKU〜地下1階〟と記載されている。 最後にここに来たのは三、四年前だったかな? 見たところ、その頃とほとんど変わっていないようだ。 俺は、小さな看板の横にある細い階段を降り、地下にあるネットカフェへと向かった。 階段を降りきり、自動扉が開く。

        • 小説【REGULATION】《8話》「butterfly effect」

          《8話》「butterfly effect」 その時、 一匹の青い蝶が羽ばたいた…。 俺が目を覚ましたのは、その日の夕方だった。 ベットから体勢を起こした俺は、座ったまま時間を確認した。 時計の針は十六時四十五分を指していた。 ──良かった。あと一分早く起きていれば、嫌な気分になっていた所だった…。 俺は両手を上げ、目一杯背伸びをした。 「んー…」 随分と長い二度寝をしてしまった様だ。 お陰で頭の痛みは和らぎ、疲れも取れ体が軽くなった気がする。 「──あれ?」 俺はある

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        小説【REGULATION】《1話》「銀色の玉」

          小説 【REGULATION】《7話》「5W1H」

          《7話》「5W1H」 とんだ災難だ。 確かに俺は、毎日何か良い事が舞い込んで来ないかと願ってはいたが、事件に巻き込まれたいなんて願っていないし、ましてや宇宙人と一緒に暮らしたいなんて願うはずがない。 「どうしよ…」 分かりやすく青ざめる彼女に、俺は思い付く限りの提案を投げかけた。 「いやいや、あのー。ルティナ…だっけ?君は宇宙人なんだよね?だったら何かあるだろ?透明になったり、空飛んだり出来るんだから!ワープとか何とかして帰れないのか!?」 「船が無いと、星と星を渡るのは不

          小説 【REGULATION】《7話》「5W1H」

          小説【REGULATION】《6話》「相殺」

          《6話》「相殺」 突如として現れた、得体の知れない宇宙人〝ルティナ・サンタ・ビトニュクス〟に出会った、翌日の朝。 『──チュン、チュン、チュンッ』 鳥の囀りが聞こえる。 ──小鳥の鳴き声で目を覚ますなんて、ここは御伽噺か何かなのか? ──あ…。いや、アラームか。 俺は毎日の憂鬱なアラーム音を、少しでも気分よく起きる為に、鳥の囀りに変えていた事を思い出した。 アラームを止め起き上がる。 「──っっ…」 それと同時に、頭に激痛が走る。 この感覚…。間違いない。二日酔いだ。 困っ

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          小説【REGULATION】《5話》「烙印」

          《5話》「烙印」 俺には彼女が、冗談を言っている様には見えなかった。 「──マジかよ…」 彼女はどこからどう見ても、ただの人間にしか見えない。 「じゃあ君は…この地球では無い、何処か遠くの星からやって来たって事だよね?」 俺は混乱しているのか、今の話の流れからして分かりきった事を訪ねた。 「──そう」 彼女は、またこちらに向かって歩き始めた。 「じゃ、じゃあ君が居るって事は他にも仲間が来てたりするのかな?」 「えぇ。居るわ。沢山…」 ──沢山!?怖すぎるだろ! 俺は、こちら

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          小説【REGULATION】《4話》「宇宙人」

          《4話》「宇宙人」 俺が今持っているこの槍は、彼女の背丈を優に超える、長さにして一メートル八十センチと言った所だろうか。 材質は鉄、もしくは鋼のような見た目をしている。 もしも俺の推測が正しければ、この槍の総重量は五キロはくだらないだろう。 俺はその槍を手首で上下に動かし、再度重さを確認する。 やはりゼロと言っても大袈裟ではない程、重さを感じない。 まさか、さっきの宇宙人どもが知らぬ間に、怪力仕様にでも改造してくれたのか? そんな馬鹿な…。 それとも…。 「──…っ」 「─

          小説【REGULATION】《4話》「宇宙人」

          小説【REGULATION】《3話》「赤面」

          《3話》「赤面」 「た、助けて下さい!!宇宙人に捕まってるんだ!警察でも何でも良いから通報してくれ!」 彼女の容姿は、二十代前半と言った所だろうか。 とてもじゃないが、この状況を打開出来るとは考えにくい。 しかし俺は、藁にもすがる思いで彼女にSOSを出した。 彼女は首を傾げている。 ──よし。ひとまず俺の声は聞こえている。 これで助かるかもしれない。 「──貴方。何か勘違いしていない?」 「へ…?」 そう言い放った彼女は、ゆっくりこちらへと歩きだした。 『コッ、コッ、コッ…

          小説【REGULATION】《3話》「赤面」

          小説【REGULATION】《2話》「その女性」

          《2話》「その女性」 俺はあまりの衝撃に、そのパチンコ玉? 生き物?何だかよく分からないが、その得体の知れない〝何か〟を投げ捨てた。 『──カン、カン、カン…』 投げ捨てた〝何か〟は本物のパチンコ玉の様に跳ねながら転がって行き、道路脇の電信柱にぶつかり静止した。 「──な、な、な、何なんだよぉ…!!」 俺は驚いた勢いで腰を抜かし、路上に座り込んでいた。 大通りではない裏路地とは言え、それなりに人通りがあるこの帰り道。 道ゆく人々に冷たい目線を浴びながらも、俺はしばらく動けなか

          小説【REGULATION】《2話》「その女性」