見出し画像

Gyarmathy Lívia『Do You Know Sunday-Monday?』 ハンガリー、サンデイ-マンデイをご存知か?

ジャルマティ・リーヴィア(Gyarmathy Lívia)の初長編作品。戦後ハンガリーで初めて女性監督が撮った長編作品はメーサーロシュ・マールタ『The Girl』で、これが1968年のことだが、翌年には本作品とエレク・ユディト(Elek Judit)『The Lady from Constantinople』が公開されており、まさに混戦状態だったことが伺える。ジャルマティは1932年生まれ、エトヴェシュ・ロラーンド大学では自然科学を専攻し、一時は繊維工場でエンジニアとして働いていた。その後、1965年にブダペスト劇映画大学でヘルシュコー・ヤーノシュ(Herskó János)の指導を受け卒業し、短編ドキュメンタリー製作からキャリアをスタートさせた。全く同じようなキャリアを辿り、ヘルシュコーの指導生だったベセルメーニ・ゲーザ(Böszörményi Géza)と結婚し、何本か共作でドキュメンタリーなどを撮っている。

さて、本作品は夏休みの課題のために化学プラントでバイトをすることになった女子高生ユリの中心に騒々しい男性社会を描いている。ユリはそこでサボり魔の先輩ピロシュカに出会い、彼女とともに男たちの性的目線に晒され続けることになる。という話かと思いきや、工場から離れて新興団地の話になったり、全員でピクニックに行ったり、パーティに行ったりと行き当たりばったりな物語展開に息も絶え絶えで付いて行く羽目に。工場内の微妙なスラップスティック、脈絡のない物語展開など、ジャック・タチとチェコ・ヌーヴェルヴァーグの絞りカスみたいな感じで気恥ずかしくなってくる。本作品の扱う諸問題のほとんどはメーサーロシュ・マールタが個別に扱っていて、かつ上手く撮っていると思う。

・作品データ

原題:Ismeri a szandi mandit?
上映時間:110分
監督:Gyarmathy Lívia
製作:1969年(ハンガリー)

・評価:40点

この記事が参加している募集

映画感想文

よろしければサポートお願いします!新しく海外版DVDを買う資金にさせていただきます!