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現代劇なのに衣装考証

こんばんは。
5月もあっという間に過ぎますね。

前回の記事で、「衣装担当者」が映画のデータベースサイトのスタッフ欄には載らないことも多いということを書きました。

今回は、その延長のような話です。

衣装考証

50-60年代の映画を観ていく中で、「衣装考証 〇〇(人名)」というクレジットを観たことがあるのですが、

この「衣装考証」のクレジットはかなりレアだと思います。

衣装考証というと、通常大河ドラマなど時代もので、当時の服装を再現する人を指します。

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出典: http://www.so-bien.com/kimono/用語/衣装考証.html

要は現代が舞台の作品では使われない用語です。

にもかかわらず、50-60年代、現代劇で「衣装考証」という言葉が使われています。

例を見ていきましょう。

【例1】「栄光の5000キロ」(1969)

石原裕次郎主演のレーサーの物語。


衣装考証 株式会社ヴァン・ヂャケット 石津謙介」

というクレジットがオープニングで流れます。

衣装考証に関する有力な情報は得られず。

【例2】「緑はるかに」(1955)と 「永すぎた春」(1957)

2作品ともに同じ人物が衣装考証。

「緑はるかに」(1955)

ミュージカル映画と日活アクションが融合したような作品。できれば、ミュージカルに徹してほしかった 笑。

「永すぎた春」(1957)

丸山明宏(美輪明宏)も少しだけ出てくる、東レの水着のファッションショーのシーンがあるのが、ヴィジュアル的な見どころ。

2作品ともに、衣装考証 中原淳一というクレジットがオープニングで流れます。


中原氏はイラストレーターとして有名なので、そのイメージが強い人が多いかもしれませんが、衣装デザイナーもしていました。


著名な人物が衣装に関わったときに使用された可能性

石津謙介、中原淳一、ともに映画公開当時 、活躍していた人物。

著名な人物が衣装を担当したとき、「衣装」、「衣装担当」の堅い表現として「衣装考証」が用いられたのではないかなと私は推察します。

ちなみに、映画のデータベースサイトのスタッフ欄には石津謙介、中原淳一ともに記載されていません。

VANが1978年以前の情報を持ってないということですし、中原淳一の衣装担当の映画も情報もなかなか見つからないので、

これからも片っ端から映画を観て、探していきたいと思います。

ではまた次の更新で。


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