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【3分要約・読書メモ】なめらかなお金がめぐる社会。あるいは、なぜあなたは小さな経済圏で生きるべきなのか、ということ。

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今回は「なめらかなお金がめぐる社会。あるいは、なぜあなたは小さな経済圏で生きるべきなのか、ということ。」についての記事となります。


こんな人におすすめ

・資本主義の課題を学びたい人
・お金や経済など新しい考えを教養として身に着けたい人
・起業やクラウドファンディングを考えている人

著者

家入一真
1978年、福岡生まれ。活動家。
いじめがきっかけで高校を中退後、ひきこもりに。就職後も対人関係に悩み「誰も会わずに仕事がしたい」と起業を決意。2001年、自宅で「ロリポップ! レンタルサーバ」をリリース。2003年に株式会社paperboy&co.を創業。2008年最年少でJASDAQ市場へ上場。退任後は「CAMPFIRE」「BASE」などのウェブサービスを立ち上げ、取締役に就任。

サマリー

・そんな生き方がしたいか?
副業とかノマドとかいった「働き方論」は散々語られいるが、「働き方論」はテクニックにすぎない。大切なのは、「どんな生き方がしたいか」であり、それは、「自分にとっての幸せはどこにあるのか」を探るということだ。それぞれが自分の幸せの尺度をしっかり持って、それに素直に従う生きる。

人は希望を持つから絶望する。
夢も持つから夢に破れる。
他人との比較ばかりをするから自信を失う。
完璧を目指すから失敗と恐れ、最初の一歩が踏み出せない。
過度に欲しがるから、心の穴が埋まらない。

本文より

・現状に満足させない商業主義の終焉
資本主義の閉塞感は、商業主義によるものだけではない。
「大きいことはいいことだ」
これを合言葉に、戦後の経済成長が実現した。この時の幸せの尺度は、「豊になること」の一つだけ。今、日本は豊かになり、物質的には満たされた。いざ、山の頂上に着いて、「され、これからどうすればいいんだっけ?」と迷う人が増えている。
山の頂上に着いたが、経済はよくない、少子高齢化、労働人口の減少、地方の過疎化、慢性的な財政赤字、心の問題、ブラック企業など問題が山積みしている。
「頑張れば幸せになるって言ってたけど、そんなことないじゃん」と多くの日本人が気づき始めている。

・「大」→「小」の時代へ
社会価値観は、「大きいことはいいことだ」かた、「小さいことはいいことだ」へと変わろうとしている。
大企業進奉はその象徴で、「いい大学を出て大企業に就職できれば人生は安泰だ」という日本人にとって長らくの常識だったけど、シャープは台湾の企業に買収され、東芝が上場廃止に追い詰めれている現実を見れば、その常識は音を立てて崩れているのがわかる。逆に小さいほうが小回りもきくし、失敗しても失うものは小さいので、すぐに立ち直るし、違うと思ったら別の方向に歩き出すこともできる。
社会が不確実な今だからこそ、小さいことのメリットが評価されだした。

・いい社会の条件
幸せとは何かと考えたら「自分のやりたいことができる」ということと思う。だとすると、「いい社会」とは、「各自が自由に、自分の幸せを追求できる社会」ということになる。
つまり、経済的というよりは、精神的に持続可能な社会だ。
現代の資本主義では、「富むこと」や「勝つこと」、「権力を持つこと」などが、人生のゴールであるかのように思われがちだけど、それだと貧しい人や競争に負けた人などは蚊帳の外だ。

なぜ多くの人は、人生の多くの時間を好きでもない仕事に費やすか?
それは、他に生活費を稼ぐ手段がないと思い込んでしまう世の中だから。

なぜ多くの人は、富や権力に取りつかれてしまうのか?
それは、富や権力が自己実現の可能性を広げる唯一の選択肢だと思いこんでしまう状況だからだ。

なぜ多くの人は、大きなものに依存してしまうのか?
それは、自力で生きていくことは限られた強い人にしかできないと思い込んでいるからだ。
人が生きづらさを感じる瞬間というのは、既存の社会にお膳された仕組みや価値規範にフィットしないときが多い。

だから僕は選択肢を増やしたい。

本文より

感想

家入さんの目指している「小さな経済圏」に関する考えをよく理解できる本となっている。資本主義の問題点に対して、選択肢を用意することで、多くの人が自由で、幸せな生き方をしてほしいという願いが詰まっている。

「世間の価値基準=東京に出て、大企業に就職して、出世しなければならない。」にとらわれ、自ら作り出した理想と現実のギャップに苦しんでいる人は多い。自分の半径数メートルのところで満たさせる世界のほうが幸せかもしれない。自分の中の常識をアップデートすることができる本です。

ポスト資本主義など、行き過ぎた資本主義の問題点も明かるので、教養としてもお勧めの一冊です。

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