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能登の魚醤いしるについて知って欲しいこと

今年の金沢はズワイ蟹が獲れなくて異常なくらいだってニュースになっています。メスのズワイ蟹を香箱蟹と申しまして、身がギュッと詰まって甘く卵巣が美味しい、私も大好きな冬の味覚。
香箱蟹は手の平に乗る程度の可愛らしい大きさなのに、それがおよそ10歳を越えていると知ったときには衝撃を受けました。

今日も市場には数えきれないほどの蟹が並んでいます。海が持続可能性を保てるラインは、とうに超えていたのかもしれないと気づかされました。私もこの美味しさを堪能している一人として、継承のためにはささやかながら行動を起こさねばと思います。

食の仕事に関わっていると自然に入ってくる情報も、案外知られていないことも多く、知っていただきたい&自身の勉強のためにnoteに記録していきたいと思います。

さて、前置きが長くなりましたが、いしるってご存知でしょうか?

魚醤(ぎょしょう)または魚醤(うおびしお)とも言いまして、一言で言えば魚から作った醤油です。
日本では、秋田のしょっつる、香川のこうなごしょうゆ、石川のいしるが三大魚醤と呼ばれていまして、これを鍋料理のだしの隠し味に使うと、「あぁ、いしるって旨い」と感嘆するものであります。かつおだしとも、いりこだしとも違う、良い風味です。

(いしる鍋 画像提供「能登の魚醤油うおしょうゆいしり物語」)

魚醤って、エスニック料理には使うけど、和食には使いませんよね。それが常識になっています。料理人さんにインタビューしても、これを使う人はたいへん稀です。
ましてや、家庭で使うか?というと、まあ、つくり手としてはだんだん先行き不安になってきますね。

私は子供のころから、このいしるをダシにつかった水餃子のスープが大好物でした。この他にない美味しさを伝えていきたいし、一人でも使い手を増やすことが食文化の絶滅から救うことになるのではと思って、5回連載にまとめました。

すこし長いかもしれませんが、よかったらご覧いただければと思います。

金沢に暮らす食を家業とする一人として、これからも地域の食を、色々と聞き書きしてゆきたいと思っています。よかったら応援よろしくお願いします。

◆魚醤いしるコラム 連載まとめ
第1回 和食の絶滅危惧食文化、日本三大魚醤とは?
https://www.yamato-soysauce-miso.co.jp/koujibupost/wasyoku_japan_3daigyosyou

第2回 能登の塩づくりが生み出した魚醤・いしる
https://www.yamato-soysauce-miso.co.jp/koujibupost/noto_shouyu_ishiru

第3回 石川県民なら知っておきたい「いしる鍋」の楽しみ方
https://www.yamato-soysauce-miso.co.jp/koujibupost/ishikawa_ishirunabe

第4回 能登の人だけが知っていた野菜をおいしく食べる知恵
https://www.yamato-soysauce-miso.co.jp/koujibupost/noto_oishiichie

第5回 「いしる」×「グルテンフリー」のススメ
https://www.yamato-soysauce-miso.co.jp/koujibupost/ishiru_glutenfree

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