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深く考えることが好き

色々なシーンで、「ご趣味は?」とか「お好きなものは何ですか?」とか聞かれる事ありますよね。あれ、私は苦手でした。なぜかというと、自分が好きなものを、子供の頃から選択してこなかったなかったからです。

自分が行動する時、頭の中に出てくるワードは「母親の機嫌を損ねるだろうか?」とか、「周りから、きちんとした人に見えるだろうか?」という問いです。これをクリアできたものだけを、身に着けたり購入したりしてきました。

さて、大人になると毎日が「選択」の連続ですよね。
会社の仕事、育児、家事どんなタスクでも選択の連続が結果になり、人間の思考が成り立っています。

私の場合、誰かのために選択する場面においては、ベストチョイスをする自信があります。また、食事のメニューなどの選択の範囲が決まっているものから選ぶ場合も即決型です。

ただし、自分のために「何をしても自由である。」と言われると思考が急激に鈍化してしまっていたのです。

「夢を語るな現実を見なさい。」と言われて育った私に、この本の一説が強く刺さりました。

しょせん現実はそんなもんだ、理想は理想にすぎないよ、そういう人も最初は理想をもっていたに違いないんだ。その理想をもち続けるのを途中でやめてしまったか、理想を実現する努力を怠けているか、その言い訳をしているだけなんだ。でも、努力を放棄された理想は、単なる空想か、漠然とした憧れにすぎない。単なる空想なら現実になるわけがない。理想を実現しようと努力する事こそが現実なんだ。

14歳からの哲学 考えるための教科書 池田晶子著 トランスビュー

ああ、そうか。自分が母親から否定されてきた”夢見る事”は、
決して悪い事ではなかったんだ。

どうして自分がそれをすることに憧れるのかとか、どういうところに憧れたのかとか、どうやったら現実にできるのかとかをひたすら考え続ける事に意味があったんだから、自分は間違っていなかった、と思えたのです。

この本は、何かに悩むみなさんに
ぜひ読んでいただきたいです。
池田さんの書き方が滑らかで分かりやすく、
引っかかることなく心に入ってくるような印象を受けます。

この年になってやっと、
自分は深く考えることが好きだという事が分かり、
心が軽くなりました。

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